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  <学習計画(高校受験その1)>


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 ここでは中学3年生の4月、新学期から志望高校受験までの計画の立て方と
そのスケジュールを示していくことにします。もちろん中学1・2年生から
自分の志望高校を決め、計画が着実に進んでいる人もいるでしょう。しかし
ここでは、あえて中学3年生になってからはじめる学習計画を示すことにします。


 今回の学習計画は、都道府県の中堅公立高校から上位高校への志望者の
人たちに合う内容です。その内容は志望校決定から受験までの、各学期
ごとの学習計画を示す事にします。


 受験まで一年を通じると、下記のような学期ごとの学習計画が考えられます。
今回から、ひとつずつ、それぞれの学期ごとの学習計画を示していく事にします。


1、 春休みの学習計画
2、 一学期の学習計画
3、 夏休みの学習計画
4、 二学期の学習計画
5、 冬休みの学習計画
6、 三学期の学習計画


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 <1、 春休みの学習計画>


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 まず春休み、まっ先に何をしなければならないのか。それは志望高校を決める
事です。この段階では、中学2年生までの日ごろの勉強、定期考査、実力試験、
対外模試の結果から、自分のレベルを、自分なりに大体は把握してきている事と
思います。この自分が自覚している水準を自我水準といいます。


 この自我水準をもとに、まずはじめに達成可能と思われる第一志望高校を
決めるとよいでしょう。今現在の自分の水準では、第一志望校合格は無理でも、
今後の努力しだいで可能だと思えれば、その高校を第一志望高校とします。


 次に第2・第3志望高校も同時に決めます。ここは現在の水準と同水準の
高校を、選んでおくようにします。第一志望高校がうまくいかず、第2・第3の
志望高校に入学する事になっても、決して後悔しない、そんな高校です。


 最後に、この高校なら絶対大丈夫であろうと思われる高校を、第4志望高校と
します。現在の水準から判断すると、ここなら大丈夫と確信のもてるところを
志望します。もちろんこの志望高校の決定は、今までの経験から得られた自我
水準にもとづくものです。



 第一志望高校から第4志望高校まで決定するのに、まだそれほど自我水準を
把握していない。そういう時は親、学校の先生、塾の先生、先輩、友だちや
情報誌などから情報を仕入れ、できるだけ早く、現在の自分のレベルを知る
ようにします。


 志望校を決定することができれば、それらを必ず紙やノートに書いておきます。
そして次にやらなければならない事は、目標達成のための問題点の発見です。
第一志望高校合格という目標達成のために、解決しなければならない問題点です。
まず、客観的にみて、大きな問題点から考えていきます。


 今のレベルから内申点をあげる必要があるのか、それとも実力をあげなければ
ならないのか。または内申点と実力の相関はとれているが、両方とも成績を
いまよりさらにあげていく必要があるのか。そういったことから考えていきます。


 そして次にこまかく各教科の現在の成績に目を移していきます。例えば数学の
成績が学校の定期考査ではよいが、実力試験になるとうまく成績を伸ばす事が
できない。


 理科の第2分野の成績はよいが、第1分野は苦手なので成績が思うように
取れないというような事です。これらの事を箇条書きにして、これらもノートに
書いておきます。


 そしてこれらノートに書いた問題点を解決するために、自分が今から何を
しなければならないかを、今考えられるだけノートに書き出してみます。
例えば数学の確率が苦手であれば、確率の基本問題集を買ってきて基礎から
学習しなおす。または今まで解いた問題をもう一度、解いてみる事などです。


 理科の第一分野を克服するために、図解入りの詳しい参考書を購入し、自然
法則を理解する。問題集を解く事で公式の活用法を覚える事などもそうです。
このように考えられるだけの解決法を、ノートに書き出してみます。


 書き出せるだけノートに書き出す事ができれば、今度はその中で実際、
実行してみようとする解決法を選び出し、それをいつから実行するのかを
決めます。新学期が始まってからであれば4月から。今日からおこなえる
事であれば、もちろん今日からです。これもノートにすべて書き出します。

 
 こうして目標設定ができ,それを達成するための問題点を発見し、その
解決法も考え、それをいつから実行するのかまで決定します。


 そして最後にその評価や方針の追加と修正はその学期末ごとにします。
学期の途中でも修正する事はかまいません。このように、まず目標設定と
実行内容をノートに書き出す事から始めます。そのなかには春休みから実行
しようとする事も、含まれているでしょう。


 それではこの春休みに、どういう学習をしておくとよいのでしょう。
春休みは期間が短いため、やり方は人それぞれに考えられます。


 すでに学習塾に通っている人であれば、この春休みにおこなわれる、模試の
範囲を学習してもよいでしょう。ほとんどの学習塾の場合、中学1年生の範囲の
出題です。忘れているであろう事の復習にはもってこいです。


 また学習塾の春期講習会に参加する人もあるでしょう。この場合、テキストは
中学2年生の復習が中心です。わずかですが、中学3年生の内容の先取り学習も
おこなうところもあります。


 学習塾に通っていない人であれば、自分で中学1・2年生の復習をやれる範囲、
やっておくのがベストです。理由は中学3年生のはじめての実力テストの範囲が、
ふつう中学1年生の範囲から出題されるからです。そのための勉強だと思えば、
やる気もでてくるでしょう。


 春休みは期間が短いといっても、休みなのである程度の時間はあります。
そういう時は苦手な科目の集中学習に使ってもよいでしょう。ふだん授業が
あるときには、まとめて学習する事ができません。


 もちろん苦手な科目である事から、基礎にさかのぼって学習する態度が
よいでしょう。必要とあれば小学校の学習範囲から始めてもかまいません。
いまさらかっこ悪いとは思わない事です。ぱらぱらと教科書をめくってみる
だけでもよいのです。


 苦手な科目は得意な科目とくらべて集中力が持続しません。ある程度、休憩を
入れながら取り組むのがよいでしょう。


 また数学のような問題演習の場合は、ある程度時間をかけた、集中学習が
適しています。それに対して、英単語や歴史年表などを暗記するときは、15分
から20分ごとに、5分間の休憩をとる分散学習のほうが、効果を発揮します。


 このように教科ごとに時間配分を考慮し、効率が上がる学習方法をとります。
またおなかがすいている時のほうが、集中力は高まります。食事前に学習時間を
とれば、より学習に集中でき、効果的です。


 就寝前に学習する事も効果があります。これは就寝中に学習した事が、脳の
中で定着するからです。したがって勉強した後にテレビを見て就寝する事は、
実は学習にはよくないのです。


 こういうことも考えながら、春休みを過ごすようにしましょう。そうすれば
新学期をむかえた時、きっとよいスタートが切れるはずです。春休みは新学期
から立てる学習計画の準備段階だともいえます。この時期に、せめて志望高校
だけでも決めておきましょう。



                               以上
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    <高校受験の学習計画(一学期)>



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 中学3年生の1学期は5・6月に修学旅行、7月にはクラブ活動総結集として、
中学生最後の大会が開催されます。そのため中学3年生は勉強より、それらの
事を優先しがちです。


 しかしおそくても12月末までには、中学3年生の学習内容を終えていなければ、
受験には不利になります。一部の進学塾では中学3年生の学習内容を11月までに
完了させるところもあります。

 最近では学校でも12月末までに、すべての学習内容を終えるところが増えて
います。そう考えると、中学3年生はその学年で学習する内容を、おそくとも
4月から12月の8ヶ月の間に、すべて終わらせないといけない事になります。


 一学期はそういった事情の中で、各自の学習計画を立てていかなければ
なりません。それではそそういう状況の中、どういう受験のための学習計画を
たてることができるのでしょう。


 中学3年生になると、学校から中学3年生のテキストのほかに、中学の総まとめの
テキストも与えられます。また塾に通っている子ども達は、塾でも同じような
総まとめのテキストが、わたされるはずです。


 一学期は初頭効果といって、やる気が一番出る時期です。この時期に、これら
総まとめのテキストを使って復習する事も、学習計画の中に盛り込みましょう。


 一学期には、実力テストまたは対外模試が少なくとも一回は催されるのが
ふつうです。そしてその範囲は一年生で習った内容がテスト範囲になります。


 まず、その勉強のためにそれら総まとめのテキストを使うようにします。
一年生で習った範囲は忘れている事が多いものです。テキストが学校と塾とで
2冊わたされていれば、2冊ともその範囲内の学習はおこなうべきです。


 一般に歴史年表や英単語などの暗記内容は、ひと月に3回復習するのが、
効果的な学習方法といわれます。忘れかけたときに復習するやり方です。


 今日学習おこなえば、一週間後にもう一度、そして一ヵ月後に再度復習すれば、
その内容がしっかり記憶され、定着します。


 数学の演習問題や英文読解などの理解内容は、ふた月に3回学習すれば
よいでしょう。これも今日学習おこなったなら、2週間後にもう一度、
そして2ヵ月後に再度復習します。


 おこなったら、おこないっぱなしの人は、学習した内容を少しも記憶に
残していません。記憶を定着させるには、繰り返し復習する事がなにより大切です。


 次に一学期に学習する新しい分野の復習にも、中学の総まとめのテキストを
使います。もちろんふだんの学習には、一学期用のテキストで学習していきます。


 しかし定期試験前には、この中学の総まとめテキストを使うのです。こういう
ふうに今あるテキストをより効果的に使っていきます。


 使うテキストが決まれば、次は各科目に書ける時間配分です。英語・数学・
国語・理科・社会にかける一学期の時間配分はは3:3;2;1;1くらいに
します。


 受験のための学習計画では、一学期から理科・社会に時間をかけすぎないのが
コツです。その分、英語と数学にしっかり時間をかけるとよいでしょう。


 それではこの時期の各科目の学習のしかたについて、ひとつずつみていくことに
します。


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 ★ 英語

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 この科目の学習として、新しい単元は教科書中心の暗記と問題演習により、
新しい内容の理解を深めるようにします。既習の内容は次の2通りの学習に
分けておこなうとよいでしょう。

1) 英文法⇒英文法演習⇒英単語⇒英文読解
2) 英熟語⇒英作文

 勉強のコツは、暗記分野の英文法や英単語を定着させてから、理解分野の
英文読解にすすむことです。また英熟語が定着していないのに英作文をおこなわ
ない事です。そうすれば学習効率がよくなります。最終的に英語長文読解や
英作文ができるようになればよいのです。


 中学の総まとめのテキストでは、これらすべてが網羅されています。
うまくこれらを活用すればよいでしょう。

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 ★国語

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 ふだんから読書量の多い人はよいですが、読書をサボってきた人は、次の勉強
方法をとると不足した読書量をおぎなえます。

1) 漢字と文法などの暗記分野は問題演習をおこないながら身につけていく。
2) 理解分野の現代文読解は参考書などを使い、各ジャンル別の読解方法を
   精読し読解の仕方をマスターする。。
3) 読書量不足をおぎなうため、問題演習を通して、さまざまなジャンルの
   文章にあたる。

 理解分野はふつう問題演習をおこないながら学習を進めるのですが、その時、
まちがった答えに対し、なぜまちがったのか。どこでまちがえたのか。その原因を
つきとめるようにします。


 そしてどのようにすれば、正解にたどりつけるのかを、しっかり把握しておきます。
国語の場合、なんとなくわかる程度では、成績の向上にはつながりません


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★ 数学

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 数学が苦手な人は多いと思います。苦手な人は1〜2年前の基礎から
やり直します。しかし教科書は無視してもよいでしょう。理由は数学の
教科書は教える側に都合のいいようにできているからです。基本の理解は
基本問題集で十分です。そのほうがよほど学習効率がよいはずです。

1) 数学が苦手な人ほど基本問題集を重視する。
2) 暗記用として参考書を使用する場合は、解法のパターンを徹底的に暗記する。
3) 問題演習は基本⇒標準⇒応用・発展の順におこなう。
4) 5〜10分考えて解けない場合、ヒントをみたり、答えをみてもよい。
   ただし自分が、なぜ解けなかったのか。どこを間違えたのか。

   その原因をはっきりさせることです。公式を覚えていないのか。知識不足
   による思い込みによるのか。それらをはっきりさせます。そしてどのように
   すれば、正解にたどりつくことができるのかを考えます。


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★ 理科

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 この時期は英語・数学をさしおいて、時間をかけすぎないようにします。
ただし基本はしっかり抑えておきます。勉強のしかたとして理解分野と暗記分野に
分けて勉強するとよいでしょう。

1) 物理・地学の理解分野は参考書か教科書ガイドで理解するとよいでしょう。
   教科書だけでは説明が不十分です。それをおぎなうために使います。
2) 生物・化学の暗記分野は教科書中心におこないます。
3) 理解分野・暗記分野とも、内容を定着させるために、問題演習を
   おこないます。

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★ 社会

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 社会も理科と同様に一学期はあまり時間をかけすぎないようにします。
夏休みの終わりまでに、基本を完成させれば、本格的な勉強は2学期
からでも、十分受験には間にあいます。


1) 社会は暗記分野なので教科書中心でいきます。その際、図や表を使って、
   ノートにまとめてみるのがよいでしょう。
2) そのあと問題演習により、理解した内容を定着させていきます。

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 一学期はいろいろイベントがあるので、各科目ごとに以上のような学習方法を
とっていけばよいでしょう。もちろん余裕のある人は、一学期の間に、中学2年生
の範囲まで復習を進めてもかまいません。


 さらに実際の公立高校の過去問題にあたってもよいでしょう。ただし本格的に
過去問題に挑戦していくのは、夏休み後半以降からです。余裕のある人やハイ
レベルの高校を志望する人は、この時期から過去問題集を解きはじめても
かまいません。すでに解ける力はあるはずです。


 基本がまだできていない人は、夏休み終了までは基本・標準問題を重視
しましょう。何事も基本が大切です。基礎がしっかり固まれば、むずかしいと
思われる事がらでも、解決の糸口はきっとみつかるものです。


 こういう学習内容をふまえて、中学3年生の一学期の学習計画を、たてて
いきましょう。

 この時期の学習計画がうまく運べば、クラブ活動も終えた夏休みからの勉強が、
よりスムーズに運ぶようになっていきます。



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      <高校受験の学習計画(夏休み)>


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夏休みは、日ごろできない学習について、計画をたて実行するにはもってこいの、
長期のやすみです。この夏休みを大いに活用しなければなりません。


一学期に計画通り学習が進んでいる人もいるでしょう。しかし夏休みに入って、
すぐにクラブ活動の総結集としての大会が開催されるため、一学期はそれに向けて
全力をつくしていた人も多いと思います。


そういう人たちはクラブ活動が終われば、勉強に専念しようと思っているはずです。
しかし強いチームに所属していると、県大会や地方大会に出場などがあり、夏休み
に入っても、なかなか勉強に専念できないのが実際です。


そんな中でも、この夏休みには最低限のことをやっておかないと、2学期からの勉強
に支障をきたしてしまいます。まず学習計画の中に、自分が最低限おこなわなければ
ならない事を盛り込んでいきましょう。


夏休みに塾の夏期講習会に参加したり、家庭教師をつけて勉強に取り組むのも、
ひとつの選択肢です。ほとんどの塾の場合、中学1・2年生の内容と中学3年生
1学期の内容を総復習するようになっています。


自主学習するにせよ家庭教師にみてもらうにせよ、塾の夏期講習会と同じように、
学習の範囲は、中学1年生〜中学3年生の1学期までの内容を総復習するのが
よいでしょう。


  それでは夏休みをお盆をさかいに前半と後半にわけ、それぞれ学習する内容を
具体的にみていきましょう。


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1) お盆までの学習計画
2) お盆すぎからの学習計画

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1)  お盆までの学習計画
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15日間くらいの学習塾の夏期講習会に参加すると、5科目(英・数・国・理・社)
を中学1年生〜中学3年生の一学期までの範囲を復習する事ができます。内容は
基礎から標準までを主に、そして一部、応用・発展問題演習を実施するのがふつうで
す。


夏期講習会の日数は塾によって7日〜15日間とまちまちです。それぞれ日数に
あったテキストを使います。とうぜん日数が多いほどテキストの内容も充実して
います。より多くの復習ができるでしょう。


塾の夏期講習会に参加しない場合は、中学1年生〜中学3年生の一学期までの内容が
復習できるテキストが必要です。この場合、学校や塾から渡されているテキストを
おこなったりすればよいでしょう。テキストがない場合は市販の問題集で十分です。


お盆までの学習は、今まで学習してきた事を想起し、それを記憶のなかに定着させる
事を主眼におきましょう。今までオール5の成績をとってきた成績優秀者の人でさえ、
過去に学習した内容は、すっかり忘れてしまっているものです。


もちろん暗記内容であれば、学習をおこなってから一週間後と一ヵ月後には、再度
復習をして、学習した内容を記憶に定着させます。


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2) お盆からの学習計画
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  お盆までに中学1年生〜中学3年生の1学期の範囲を、一通り学習し終えた
ならば、今度は、得意科目を伸ばす学習と苦手科目の克服を主眼にした学習計画を
たてます。


★ 主要3科目(英語・数学・国語)を伸ばす学習計画
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英語・数学・国語の主要3科目の中から、自分が一番得意とする科目を選びます。
そして、まずその科目を徹底的に学習します。


お盆までに学習してきた内容のほとんどが理解できている人であれば、今度は、
今年以前に実施された公立高校入試問題の過去問をおこなうとよいでしょう。
過去問は学習塾に通っている人なら、学習塾で購入ができます。市販でも購入が
できます。


テキストの内容は全国の公立高校が過去に実施した問題を、単元別に易から難の
順に収録しているものがよいでしょう。問題集は1年間、2年間、3年間などの
過去問が収録されています。


トップクラスの高校を受験しようと思っている人は、3年間分の問題集が適当です。
中堅高校を志望する人は1年間分でよいと思います。


テキストの問題の配列は易から難の順で取り組みやすくなっています。しかし
過去問は実践レベルです。お盆前におこなった学習内容より、そうとうむずかしいと
思います。


入試前におこなってあわてるより、この長い休み中に少しでもやり始め、入試直前
でもあわてないようにしておきましょう。


それでは英語・数学・国語の中に苦手な科目がある人は、どうすればよいでしょう。
 そういう人は、お盆前に一通り学習した内容もあまりよく理解できていないのでは
ないでしょうか。その場合、まずお盆前におこなったテキストの復習をするべきです。
何度も学習すれば、記憶がはっきりし理解できるようになってきます。


それでもまだその内容が理解ができない人は、市販の基本問題集でよいから購入し、
基礎を固める学習計画を取るべきです。1〜2年さかのぼって勉強しなおせば、
きっとわかるようになってきます。


ふだん学校に通学している時にはできなかったことが、この夏休みにはできるのです。
ただ苦手科目なので、休憩を多く入れたり、得意科目の学習の間にはさんだりし、
集中力を切らせない事も必要です。


お盆からはこういった勉強を学習計画に盛り込むとよいでしょう。しかし学校の
宿題もあり、夏休み後半になるほど、時間がなくなってしまいます。それらの事も
ふまえて学習計画をたてましょう。


夏休みの間にこれらの学習ができれば、夏休みがすぎ、学習の中だるみ時期でも
ある2学期をうまく乗り切っていけます。


夏休みの学習時間については、人それぞれの時間差はあると思います。それで時間は
限定しません、しかし計画した事は必ず実行するよう心がけましょう。


 最後にもう一度まとめておきます。


 1)お盆までに英語・数学・国語・理科・社会の、中1から中31学期までの
   基本・標準問題を完成させる。

 2)お盆すぎから英語・数学・国語の中から得意な科目を選び、公立高校入試
   問題集で過去問をといてみる。
 
 3)苦手科目は基本問題集中心にじっくり取り組む。


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   <高校受験の学習計画(2学期)>


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 春先に目標をたてて、それが未達成に終わってしまうのは、何をどれだけ
いつまでに終わるのかという、具体的な学習計画が立っていないから起こる
のです。


 いまだ夏休みまでの学習計画が、計画通りに進んでいない人は、この2学期に
取り戻さないと、もう受験までに後がありません。


 学習のしかたとして、学習塾に通っている人は、夏休みの間に、夏期講習会で
中学3年生1学期までの総復習をおこなうだけでなく、通常講習のなかで2学期の
授業の予習も同時におこなわれます。学校より授業が1単元が2単元、先行して
いるのがふつうです。


 そのため2学期からの学習計画は、学習塾に通っている人と、通っていない人と
では、中3履修範囲の進み方がちがうので、それにあわせて学習計画をたてていか
なければなりません。


 2学期は一年のちょうど真ん中に当たる時期です。そのため一学期のような、
勉強意欲がわいてくる初頭効果はあまり期待できません。むしろ夏休みの勉強
疲れもあって、中だるみを生じやすい時期です。


 逆に、みんなが中だるみしやすい、そういう時期だからこそ、この時期に
計画通り学習をおこなう事ができれば、その後の学習に大きな飛躍が期待
できます。


 効率的に学校や塾の授業の進め方にあわせながら、この時期、自分が
おこなわなければならない事を自覚し、学習計画を立てていきましょう。


 この時期は学校の定期テスト対策的なことだけでなく、実践レベルの問題
にも数多く、あたっていかなければなりません。


 特にトップレベルの高校を志願するものにとって、これは必須事項です。
学校や塾で基本・標準的なことを学んだなら、その応用・発展問題だけでなく、
実際の入試の過去問を解きはじめる事も必要です。


 しかし中堅高校を志望している人は、まだそこまで学習が進んでいないのが
現状でしょう。そういう人はもちろん塾や学校の授業中心になります。それでも
必ず応用・発展の一部は理解できるようにしておくことです。そうしないと
実際の入試問題に手がつかなくなってしまいます。


 それでは各教科別に学習計画・学習のしかたについてみていきます。


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 ★ 英語
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 一学期の学習計画のところで書いたように、英語は最終的に長文読解と
英作文ができるようにならないといけません。長文読解にあたる前に、
英単語力と英文法をマスターする事が必須でした。また英作文をおこなう前に、
英熟語を覚えていなければなりません。


 そのひとつの方法として、毎年10月20日ごろにおこなわれる英検に
トライしてみることがをおすすめです。受験級の目安は中堅より上位高校から
トップ高校受験の志望者の人は3級。中堅高校受験の人は3級または4級です。


 英検は英単語、英熟語、英文法とリスニング力が試せます。3級、4級とも
65点満点で、毎年合格最低点は40点前後です。6割正解で合格できるのです。


 3級受験のメリットは出題範囲が中学3年生終了程度なので、中学生で
学習する範囲の先取り学習ができる事です。4級受験は出題範囲が中学
2年生終了程度なので、それがマスターできているかどうかの確認ができます。


 テキストは学習塾で英検取得が強制の場合、そのテキストで学習します。
自主学習でトライする場合は市販のテキストを使います。難易度は市販の
テキストのほうが量も多く、内容もむずかしいかもしれません。


 英検3級の学習をおこなえば、中学3年生の学習内容はざっとみわたせた
ことになります。また受験に必要な長文読解や英作文をおこなうための
基本学習は終えたことにもなります。


 この時点から学校授業のテキストのほかに、全国公立高校入試の過去問を
解いていきます。そのテキストの内容は英単語・英熟語・英文法を学んだ後、
英作文・長文読解を学ぶ構成になっているものがよいでしょう。


 それをはやい人は2学期中に、おそい人でも冬休みが終わるまでには、
完了したいものです。志望校高校が高ければ高いほど、早く終わるように
するのがよいでしょう。


 また学校授業の英語はまだ教科書中心に、教科書を丸暗記するくらいでも
かまいません。それが後に問題解決の力になってくれます。


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 ★ 数学
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 数学は得意な人と苦手な人では差が大きく開きます。得意な人は2学期から
全国公立高校入試の過去問を、2学期はじめから解いていく事をおすすめします。
数学的思考力が十分養われます。


 しかし数学が苦手な人はそういうわけにはいきません。まずやるべきことは
中32学期に学習する範囲を中心にして、それをはやく定着させる事です、


 それと同時に中学の総まとめ的なテキストで、中学1年生から中学3年生
2学期までの範囲を学習していきます。全国公立入試の過去問はできれば
解き始めたほうがよいのですが、基本を無視するわけにはいきません。
そのかわり、おそくとも冬休みからはおこなえるように学習計画をたてます。


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 ★ 国語
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 国語は読解などの理解分野は教科書や参考書で精読します。これは一学期の
学習のしかたと同じです。2学期からはそれに加えて、全国公立高校入試の
過去問を解く事をおすすめします。


 これは日ごろの読書不足の人にはそれをおぎなう事になるでしょう。問題を
解きながら、各ジャンルごとの内容を理解していく事ができます。演習をおこ
ないながら、同時に読書ができるのです。ふつう全国公立高校入試の過去問は、
文章読解だけでなく、漢字や文法も収録されています。


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 ★ 理科
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 さて今まであまり力を入れてこなかった理科ですが、この時期からは応用・
発展問題や実践力をつけるため、公立高校入試問題を解いていく事になります。


 理科の場合、英語や数学とちがって学習範囲が決まっていますので、実際の
入試の出題内容も似かよったものになってきます。そのため一通り学習し終える
ことが学習のポイントです。学習した事をもとにして考え、新しい問題にも
それを転移し、解決する事ができるものです。


 ただ2学期はじめは、まだ英語や数学に力を入れているため、11月ごろ
から問題を解きはじめてもよいでしょう。ただし冬休みが終わるまでには、
1年間分の過去問は完成しておく事が必要です。


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 ★ 社会
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 社会の学習も、夏休みの間に基本標準的な学習はおこなってきています。
理科と同様に、11月からは全国公立高校入試の過去問にあたっていきましょう。
これもおそくとも、冬休み終わりまでに完成させる事です。トップ高校志望者は
2学期末の終了を目標にします。


 テキストの量は過去一年分くらいの量を目安にします。ページ数で言えば、
40ページから50ページくらいです。


 問題集にあたって、まだ理解不十分なところや覚えていないところは、
そのたびに、そこのところを復習し、覚えなおす事です。暗記科目は、
一般にひと月に3回は復習するのが、よいとされています。


 このように2学期は自分の志望校が高ければ高い人ほど、中学3年生の
学習範囲をよりはやく終え、実践レベルの過去問をよりはやく手がけなければ
なりません。


 中だるみしやすいこの時期は、一週間ごとに各教科の学習する範囲を決め、
それを着実に実行していく事が、勉強継続のコツでもあります。この時期は、
有言実行した人が、着実に力をつけていく事になるのです。

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<高校受験の学習計画(冬休み)>


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中学3年生のほとんどの人が2学期末までに、中学で履修する範囲をほぼ終えて
いると思います。まだ終えていないとしても、残すところはあとわずかなはずです。


新しく学習する内容は時間がかかります。しかしすでに学習した範囲の復習は、
あまり時間をかけなくても学習はすすみます。いまから中学3年間の全範囲を
学習するのは、大変だ、と思わない事です。


2学期の学習計画の中で、トップレベルの高校を志望する人は2学期終了段階で、
公立高校入試の過去問題集のテキストを終える事を目標にするよう書きました。その
テキストの内容は、前年おこなわれた公立高校入試の1年分が編集されています。
ページ数は50ページ前後になっていて、問題は易から難の配列です。


中堅高校を志望する人も、できれば2学期から過去問を解きだすほうがよいで
しょう。しかし実際は、まだぜんぜん手につかない状態ではないでしょうか。
そこで、この冬休みがとても重要になってくるのです。


基本的に、この冬休みは、今年おこなわれた公立高校入試問題の過去問が収録
されているテキストを使うのがベストです。しかしそれに変わる他にもよい
テキストはあります。


学習塾に通っているほとんどの人は冬期講習会に参加すると思います。そして
そこではテキストをもとに学習を進めるでしょう。そのテキストの内容は難関
私立高校受験のコースを選択しない限り、標準的な問題に、応用・発展が少し
プラスされたものになっているはずです。


そのためその内容はトップレベルの高校を受験する人にとっては、少しもの
たりないかもしれません。しかし中堅高校を志望する人にとっては、それで
十分です。それでもテキストが難しく感じるかもしれません。


塾には行かず自宅で自主学習する人は、市販の全国公立高校入試の過去問を
購入し、それをおこなうのがよいでしょう。また中堅高校志望の人は、まだやり
残している中学のまとめのような、総まとめ教材があれば、それを完成させる事
でもかまいません。


この冬の勉強のコツは、自分で決めたテキストを最後まで完成させる事です。
一冊のテキストのなかには、知識を体系化できるいろいろな要素が組み込まれて
います。その一冊の問題集をおこなう事で、知識の枠組みが高度化されるのです。


今述べたこれらのテキストで学習するときは、精読型の学習がよいでしょう。
特に解けなかった問題は、なぜ解けなかったのか、どのような考え方をすれば、
正解につながるのかを、必ずつかむようにします。


例えば解けなかった原因は、公式を覚えていなかったためなのか、知識が足り
なかったためなのかをみきわめます。そして正解するための考え方に、何か
規則性があるのかを検証し、あればそれを知識として取り入れていきます。


このように冬休みは何か精読型のテキストを一冊選んで、それに取り組む事です。


次におこなわなければならない事は、1月末から2月にかけておこなわれる私立
高校入試対策です。冬休みがあければ、すぐに卒業テスト、そしてその後すぐに、
この私立高校入試や公立高校推薦・特色化選抜が実施されるのがふつうです。


私立高校の過去問を解くのは、卒業試験が終わってからなどとは決して思わない
事です。特に難関私立高校や国立高専の入試問題は一味ちがいます。入試直前に
なって解けないと、あせってしまいます。そのため必ず、この冬休みに一度は
解いてみる事です。


自分が受ける私立高校や国立高専の過去問は、5年分くらいが収録されたものが
市販されています。それを購入して、解いてみる事です。入試までに最低でも
2年分くらいは解いておきたいものです。


過去問と同じ問題が出題されるわけがないので、解かなくてもよいとは決して
思わない事です。入試当日は誰もが緊張してしまいます。


しかしそういうときでも、あらかじめ過去問を解き、出題パターンや出題レベルを
知っておくだけで、当日のあせりを防げます。またマークシート方式になれる事も
できます。


自分の志望高校の過去の試験をおこなうときは、テスト時間をはかって
おこないましょう。時間内に解く練習になります。実際の試験時間は45分
ないしは50分のところが多いと思います。


特に数学の計算ミスなどのうっかりミスをなくすよう、確認しながら解くのが
よいでしょう。ただし時間内に解かなければならないので、確認時間のとりすぎ
には注意が必要です。くれぐれも時間がなくて、最後の問題までみる事ができ
なかったということのないように。


時間をはかって試験練習をおこなったら、その採点は自分でします。私立高校の
過去の入試問題であれば、インターネットで、その高校のホームページにアクセス
すれば、その年度の合格者の平均点やボーダーラインなどを知る事ができます。


そうして、自分のレベルを把握し、足りないところは補う学習を私立高校の入試
までにおこないます。私立高校の過去の入試問題を、冬休みに一度だけでもおこ
なっておけば、それからひと月後の私立高校入試対策を、考えることができます。


最後に冬休みにもうひとつ行なう事があります。それは学校の宿題です。学校の
宿題は極端に難易度の高いものはないはずです。基本・標準問題が主で一部、応用・
発展問題がほとんどです。そのため基礎・標準や必須事項の確認にはもってこいです。


もう自主的に冬休みの学習は計画通り進んでいるので、学校の宿題はおこなわ
なくてもよいとは決して思わないようにしてください。冬休みの終わりになって、
学校の宿題ができなかったという事のないように気をつけましょう。


以上これらの内容を冬休みに計画するのがベストです。もう一度まとめて
おきます。


1) 全国公立高校入試問題の過去問が収録されているテキストを購入し、
全科目過去一年分くらいを、この冬休み中におこなう。トップレベルの
高校を志望するのでなければ、学習塾の冬期講習のテキストや市販の
中学総まとめ教材でもよい。

2) 自分が志望する私立高校や国立高校の過去の入試問題を、時間をはかった
テスト形式でおこなってみる。

3) 学校の宿題は基礎と標準の確認になるので、必ずおこなう。


これらの事をメインにして、それぞれが自分なりの学習計画をたてていくと
よいと思います。冬休みはお正月をはさみ、また期間も2週間前後と短いので、
無計画にいると、あっという間にすぎ、結局、何もできなかったという事に
なってしまいます。


くれぐれもそういうことにならないよう、必ず学習計画をたてるようにしましょう


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    <高校受験の学習計画(3学期)>


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受験生は冬休みに中学3年間の復習を一通り終えていると思います。また学習が
計画通り進んでいれば、前年度の公立高校入試の過去問にも目を通し、一度くらい
自分が志望する私立高校や国立高校の入試問題はおこなっているのではないで
しょうか。


それでも冬休みに一通り、中学3年生の学習内容の復習はおこなったけれども、
まだ公立高校や私立高校入試の過去門には、手をつけていない人もいるかも
しれません。


この時期、すでに過去問の学習を始めている人のほうが有利ですが、今からでも
おそくありません。過去問の学習は、これからおこなわれる学校の卒業試験の
勉強にもなります。中学3年間の総まとめ学習をするつもりで、いますぐ過去問
演習に取り組んでいきましょう。


どの中学校でも冬休みが終わり3学期になると、1月半ば頃に卒業試験が実施
されます。この成績までが公立高校入試の内申点として各公立高校に提出されます。
また私立高校や国立高校への内申書は、2学期までの成績が各高校に提出される
ことになっています。


そういう意味で、この卒業試験の成績が悪ければ、内申点に記載される成績が、
2学期までの成績を維持できなくなる場合があるので要注意です。テスト範囲も
ほとんど中学校で学習する全範囲のところが多いので、冬休みの学習結果が
試される事になります。


科目によっては、テスト範囲が最近学習した内容のものもあります。そういう
場合はその範囲を重点的に学習しなければなりません。それ以外の科目は卒業試験の
テスト勉強として、自分が受験する私立高校や国立高校の過去の入試問題を解く事を
おすすめします。もちろんそれをおこなう時は、テスト形式にして時間をはかります。


私立高校や国立高校の過去の入試問題は、過去5年間分のまとめで市販されて
います。私立高校の過去の入試問題で市販されていない場合は、その学校に
問い合わせて送付してもらいましょう。2年間分くらいは送っていただける
はずです。


 採点も自分でおこない、その結果はインターネットで各私立高校のサイトを訪れ、
その年度の合格者の平均点とボーダーラインを確認しておきましょう。自分の
現在のレベルを把握する事ができます。


これは各自が自宅で自主学習する内容です。現在、学習塾に通っている人は
3学期から学習塾の入試直前講習が始まります。使うテキストは私立または
公立高校入試対策問題のどちらかです。各科目5〜10回分くらいを模擬試験
形式でおこなったり、テキスト演習形式でおこなったりしています。


この時、試験形式でおこなった後、答えあわせをする時、答えに解説がついて
いる場合は、必ずそれをじっくり読んでおくのがコツです。そしてその中に
覚えておかなければならない重要な事があれば、そのつど覚えていくように
します。決して答え合わせだけして終わらないように注意します。


またテスト形式に学習を進めても、わからない事や弱点ばかりが発見されれば、
その分野を集中的に復習しておきます。一通り学習を進めた後の学習は、
それほど時間をかけなくても、その弱点を補うことができるものです。


さらに時間の余裕があれば、市販の入試模擬試験や予想問題をおこなっても
よいでしょう。それをおこなう時は制限時間内で解答するようにします。
問題ごとの時間配分にも気をつけましょう。


数学以外の科目は、少なくとも一度は見直すことができるような、そんな時間
配分がよいかもしれません。入試問題の8割は標準問題です。難問はさけ、
まず制限時間内に8割の標準問題に目を通す事が先決です。


 その際、解答はしたけれど、あまり自信のない問題はふたたび時間があれば
見直せるように、チェックしておきます。数学も一度は見直せるような解答の
仕方がよいでしょう。それにはまず、難問はさけ、標準問題から先に目を
とおす事です。


 私立高校入試日までは、このような学習計画をたてて演習をおこないます。
その日までにある卒業試験も、私立高校入試の予行演習だと思って学習します。


 さて私立・国立高校の入試が終わり、2月半ばにはその合格発表がおこなわ
れます。そしてその結果により、今度は公立高校の最終志望校の決定がおこなわ
れます。公立高校入試まで、残り後ひと月あまりです。


 ここで注意したいのは、私立または国立高校に合格した事による気のゆるみです。
その合格に安心し、学習ペースがダウンしてしまう事です。公立高校が第一志望校で
あれば、ここで気をゆるめてはいけません。


 ここからはどういう学習計画をたてていくのかというと、私立高校入試でたてた
学習計画にプラスアルファをほどこします。そのため、まず各都道府県の高校が
実施した、過去問5年分を市販で購入します。その時なるべく解説のついたものを
購入するとよいでしょう。


 ここで公立高校の入試と私立高校の入試で何がちがうのかというと、私立高校の
入試は、ほとんどの学校がマークシート方式です。それに対し、公立高校の入試は
マークシート方式ではないので、記述問題が多く出題される事になります。
したがって記述対策が必要です。


 特に記述問題として、国語の作文、社会・理科の記述問題、数学の作図や証明
問題が入ってきます。解答がわかっていても、記述できないと得点につながりません。
記述できるようにしておきましょう。


 また私立・国立高校の入試対策でおこなったように、実際の公立高校の入試問題を
解いてみて、各科目の出題傾向を知ります。都道府県によっては、社会の問題は
ほとんどが記述といったところもあります。そういう場合は記述対策が必要に
なります。


 学習塾に通っている人であれば、記述問題集を塾から渡される場合があります。
別に市販のものがあれば、それでもかまいません。


 記述内容の出題が少ないのであれば、わざわざ記述問題集を購入しなくても、
冬休みから使いはじめた全国公立高校入試問題の中にも、記述問題が記載されて
いるので、それを解く事でも十分です。


 自分の志望する公立高校の入試問題だけでなく、全国の公立高校の入試問題を
解く事は、公立高校の入試の傾向を知る事ができ、何より実力がアップします。


 ただトップ高校を志望する人にとっても、この問題集をすべてやりこなす事は
難しく感じる事でしょう。しかしそうであるからこそ実力がつくのです。中堅高校
を志望する人は、むずかしすぎるところを除いて、その問題の中の標準的なところを
おこなえばよいでしょう。


 最後に、ここで3学期の学習計画のなかに、取り入れていかなければならない事を、
もう一度まとめておきます。


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 <私立高校・公立高校入試対策>
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1) 自分の志望する私立高校・公立高校入試の過去問5年分のうち、少なくとも
  2〜3年分の過去問は、制限時間内にテスト形式でおこなう。
2) 全国公立高校入試問題2〜3年分のうち、すくなくとも各科目1年分
  (約50ページ分)はおこなう。
3) 記述試験の出題が多い公立高校入試対策として、記述の多い科目については
  記述問題集を購入し、その対策をおこなう。
4) 余裕があれば模擬問題集や予想問題集で、テスト形式の演習を制限時間内に
  おこなう。
5) テスト形式や演習形式で学習しているとき、わからないところや自分の弱点を
  発見すれば、そこを重点的に学習しなおす。


 以上の5ポイントは3学期の学習計画の中に、欠かせないところだと思います。
これを軸に各自の学習計画をたてていくとよいと思います。トップレベルの高校を
志望する人ほど、直前の演習はかかさないようにしましょう

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