トップページ>勉強のコツ・学習のしかた>学習が上達してくると現れる特徴


<学習効果をあげる記憶のメカニズム><学習停滞期を乗り切る><学力が向上する記憶について>
<飛躍的な成績向上>






<学習上達者の特徴>

 学習したことが上達してくると、その子供たちには多くの特徴が現れてきま
す。そのひとつは、自分ができなかったことや失敗したことを、悔しがるとい
うことです。


 人はうまくいったことや自分が何かできたとき、喜びの感情をもちます。そ
してその逆の場合は悔しいと思うものです。


 それでは学習の上達途上の人と、すでに上達してしまった人との間では、こ
の感情に、何か違いが見られるのでしょうか。違いが見られるとしたらどのよ
うな違いなのでしょう。


 それは学習の上達途上の人は、自分ができたときや、うまく事が運んだとき
に、より喜びの感情を示します。しかしその逆のときにはあまり悔しがる様子
は見られません。


 ところが学習が上達してくると、自分ができることに対して、あまり喜びを
示さなくなるのです。そしてその逆の自分にできなかったことや失敗したとき
に、より悔しがるようになってきます。


 例えば中学3年生の静香ちゃんの成績は5段階評価で9科目オール3です。
この子の場合、成績は普通なので、テストでも自分にできるところとできない
ところが、ちょうど半分半分くらいの割合であります。


 こういう状態では、まだ基本がしっかり身についているとはいえません。ち
ょうど静香ちゃんは学習の上達途上にある子だとといえます。そして彼女は比
較的簡単な計算のような問題であっても、全問正解することがあれば、自分が
できたことの喜びを隠さず表現します。


 しかし少し問題が難しくなり、その問題がほとんどできなかった場合はどう
でしょう。彼女の場合、その時は不快な表情はするものの、できなかったこと
に対してあまり悔しがりません。


 彼女は中学3年生で高校受験をひかえているので、復習はきちんとしていま
す。しかしその中身は自分のわかる範囲にとどまっているのです。基本・標準
的なところしか復習をしようとしません。


 それに対して、ある程度学習効果が上がり、上達してきた子供たちはという
と、問題解決に当たり、感情もまったく静香ちゃんとは逆を示すようになって
くるのです。


 成績からみると、すべての科目に4や5が増えてきて、平均以上の成績が取
れるようになってきた子供たちのことを言います。


 例えば健治君の場合、一年前は静香ちゃんとおなじような成績で、できたと
きに喜ぶ、同じような感情表現をしていました。しかし成績表に4や5が並ぶ
ようになると、以前とは感情表現がいくぶん違ってきます。


 自分にできたことやうまくいったことに、あまり喜ばなくなってくるので
す。その反面、自分にできなかったことに、とても悔しがり執着するようにな
ってきます。


 悔しがるだけではなく、自分が納得いくまで、自分ができるようになるま
で、とことん解明していこうとする態度に変わってくるのです。もちろん、こ
ういう彼の姿勢は次の上達のステップを、上っていくことにつながっていきま
す。


 中学2年生の雅夫君の場合、学習ののみ込みもはやく成績はいつもほとんど
オール5です。基本・標準的な問題はもちろん、発展的な問題でさえ、すらす
ら自分で解いていきます。どんな問題でも自分で解こうとするような子供で
す。


 そういう子は自分でとける問題にほとんど興味を示しません。解けたときの
喜びもあまり感じていないようです。しかし自分に解けないような問題が出て
くると、解けなかったときの悔しさが人一倍でてきます。無言になって解けな
かった問題を、何度も何度もやり直して、自力で解決しようとします。解けな
かったことがよほど悔しいのでしょう。

 もう1人中学3年生の友成君、中学受験に失敗し、それ以降一生懸命勉強を
続け、中学生では小学校の時からは想像できないほどの好成績を残すようにな
りました。


 ところが高校受験では一勝2敗とふるいません。しかもとうぜん合格するだ
ろうと思われていた高校まで、失敗してしまったのです。そのことがよほど悔
しかったのか、友だちに合否を聞かれても合格したといってしまっています。


 残りあと一校受験する予定です。彼はこの高校を第一志望校にしています。
それからの2週間は背水の陣をしき、食事とお風呂と睡眠以外は猛勉強です。


 彼は合格するはずの高校がうまくいかなかった事が、よほど悔しかったので
しょう。過去問を解いてわからなかったところは、私のところに徹底的に質問
しにきます。


 試験当日、自分で自己採点し、その得点は合格できる水準に達していまし
た。彼は私と会ったとき最初に言った言葉が“燃え尽きた”という言葉だった
のです。それほど今度は気合が入っていたことが感じられます。

 
 このように学習が上達してくると、上達者はみな、できたときの喜びより、
できなかったときの悔しさが大きくなってくるようです。

 

 ただ悔しさのあまり、合格できなかったことをその学校のせいにしたり、合
格してもいないのに、人に合格したと言ってしまうような、心理学で言う防衛
機制が働いてしまうのです。そしてそれは自分をごまかすことにつながるおそ
れがあります。


 そういう心理状態をもつ危険もありますが、多くはその失敗をさらに障害を
乗り越えるエネルギーに変えていきます。そして彼らに共通することは、さら
に高いところへ上達をめざし、自分を動かしていることです。


 つまり学習が上達してくると、うまくいかなかったときや失敗したときの悔
しさが、うまくいったときの喜びを上回り、さらにそのことが、さらなる上達
をうながすエネルギーにつながっていくのです。


 私は失敗したときの悔しさがでてきたら、それは上達の兆しがみえ始めたと
きなのだと感じます。


<学習効果をあげる記憶のメカニズム><学習停滞期を乗り切る><学力向上の記憶について>
<飛躍的な成績向上>

<トップページ><教育・受験に役立つ情報><勉強のコツ・学習のしかた><MY PROFILE>
<LINKS><個別カウンセリング>