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<志望大学に現役合格するために>
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現役で志望大学に合格するために、受験生は高校最後の学年で、まず何を
おこなわなければならないのか、その重要なところを箇条書きに示します。
1、
志望大学、志望学部の早期決定。
2、 受験大学の各科目の配点比率を知る事。
3、
受験大学の出題傾向を早期に知る事。
4、 受験のための1年間の勉強時間を決定する事。
5、
受験科目の学習のために使う参考書や問題集を決定する事。
6、
受験勉強を実際に進めるための学習計画を立てる事。
今日はこれらの項目をここで一つひとつみていくことにします。
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1、
志望大学、志望学部の早期決定。
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まずなにより将来社会にでて、自分が進もうとする道にあわせた、志望学部の
早期決定が必要です。志望学部が決まれば、今度は志望大学の早期決定をする事です。
第一志望大学に合格したければ、学部の選択を早期におこなうようにします。
例えば医学部を志望するものは、小学生や中学生の頃から医者になる事を
決めている人が多いようです。家業が医者であったり、幼い頃の自分の体験を
通して、医者になりたいと夢みたりします。
また親や親戚が先生であったり、学校の先生を身近に感じ、将来先生になりたいと
早くから思ったりします。
子供の頃から機械いじりが好きだったり、理科の中でも特に物理に興味のある人は、
将来工学部に進む事を早くから決めています。
こういった人たちは目標を持っているので、それを達成するためには、どうし
なければならないかを、すでにいろいろ考えています。そのため志望大学も早期に
決められることができるのでしょう。
それに対し、高校3年生になっても、まだ学部も決まっていない人がいます。
こういう人たちは志望大学の決定も遅れてしまいます。志望大学の決定は成績が
あがってきてから決めようとします。
しかしこういう人たちは有名私大や国公立大学を第一志望校にしても、絶対に
合格できません。なぜなら大学によって出題傾向がかなりちがうからです。ただ
勉強していれば志望大学に合格できるというものではないのです。的を外れた
勉強のしかたでは、自分が志望する大学には合格できません。
志望学部・志望大学の早期決定は第一志望大学合格には欠かせないのです。
第一志望大学に合格したければ、志望学部・志望大学の早期決定をする事です。
併願校も同じように決定します。
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2、
受験大学の各科目の配点比率を知る事。
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志望学部を決定すれば、次はその学部を持つ大学の受験科目の配点比率を知る
事です。
例えば神戸大学工学部の配点比率は
英:数:国:理:社=25:25:16:25:9です。
東工大の第1類の配点比率は
英・数・国・理・社=22:32:6:37:3です。
この2つの例から同じ理系でも、受験科目の配点比率は
まったくちがっている事がわかると思います。
志望大学を選ぶ場合、自分の得意科目の配点比率が高い大学を選ぶと、
大学合格には有利になります。
このように志望学部が決まれば、その学部を持つ大学の受験科目の配点比率を
知り、第一志望大学の決定と今後の勉強方法の参考にするとよいでしょう。
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3、
受験大学の出題傾向を早期に知る事。
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第一志望大学を決定し、その大学の受験科目の配点比率がわかれば、今度は
その大学の出題傾向を知る事です。
はやい時期に志望大学の赤本を購入し、受験科目に目を通してみる事です。
その際、各科目の難易度もチェックしておきます。そして今後、なにを重点的に
学習していけばよいのかを把握しておきましょう。
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4、
受験のための1年間の勉強時間を決定する事。
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有名私大や国公立大学を志望する高3受験生の勉強時間の平均は平日が4時間、
休日が8時間です。そのためいままで、まじめに勉強に取り組んでこなかった人は、
これ以上の勉強時間が必要です。そうしないと有名私大や国公立大学への逆転合格は
不可能です。
これらをもとに1年間の学習時間を計算すると、私大受験の場合、一学期に
560時間、夏休みに330時間、2学期に560時間、冬休みに110時間、
入試直前期に280時間となります。
国立大受験の場合、私立大受験とちがうところは、入試直前期がセンター試験前に
170時間、センター試験後に330時間になることです。
このように年間の学習時間を把握し、各学期ごとに、その時間に合わせた
学習計画を立てていくようにします。1年間の学習時間を知る事は、何を
いつまでに、どれだけおこなえるかのひとつの目やすがたちます。
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5、
受験科目の学習のために使う参考書や問題集を決定する事。
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受験まで一年間の学習時間の目安がわかれば、各学期ごとにどんな参考書や
問題集を使うのかを決めます。もちろん志望大学の出題傾向にあわせて使う
参考書や問題集を決定します。基本がまだできていなければ、そのまえにまず
教科書併用問題集や基本問題集をおこなうのもよいでしょう。
学校や塾で与えられた参考書や問題集をただこなしているだけでは、勉強効率が
悪くなります。自分の現在のレベルや志望大学の出題傾向にあわせた参考書や
問題集を選ぶようにしましょう。
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6、受験勉強を実際に進めるための学習計画を立てる事。
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以上のように、年間の学習時間や自分が使う参考書や問題集が決まれば、
いよいよそれらをもとに学習計画をたてていきます。
第一志望大学に合格できるかどうかは、受験までの学習計画を綿密にたて、
それを計画通り実行できるかにかかっています。そして計画がうまく運んで
いるのかチェックも必要です。
よく学習計画をたてないまま、行きあたりばったりに勉強している人を見かけます。
そういう人たちは、自分が手をつけた参考書や問題集を完成しないまま、途中で
終わってしまうのがほとんどです。確かに時間をかけて勉強はしています。
しかしこれでは第一志望大学への合格は程遠いのです。
学習計画は自分が立てた目標到達のための道しるべです。それを計画通り
実行するから目標を達成する事ができるのです。1年間の学習計画は必ず
たてるようにしましょう。そしてそれをチェックし、時には修正も必要です。
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以上6点の内容が第一志望大学に合格するための学習のコツです。
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<大学受験の学習計画(春休み)>
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高校2年生の春休み。高校1・2年生からあまりまじめに勉強に取り組んで
こなかった人は、高校3年生からはまじめに受験勉強に取り組もうと思って
いる事と思います。しかしいったい何からはじめていいのか、漠然としか
つかめないのが現状ではないでしょうか。
そんな状態で高校3年生を迎えても、1年はあっという間に過ぎ去って
しまいます。そんなことにならないためにも、この春休みから、今後1年間の
学習計画を綿密にたてていくのがよいのです。
高校1・2年生でまじめに勉強に取り組んできた人も、継続して効率的な
受験勉強をおこなっていくには、どうすればよいのか気になるところです。
そういう人たちは、現在の学習にプラスアルファになる事があれば、それを
自分の学習の中に少しでも取り入れていくとよいでしょう。
それでは、まずこの春休みの間に何をおこなっておけばよいのか。それは
少なくとも次の3点について、決定をおこなったり、実行しておくことです。
1、
志望する学部を決めておく事。
2、 志望学部にあわせた志望大学を決める事。
3、
志望大学が出題する科目の配点比率を把握しておく事。
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1、
志望する学部を決めておく事。
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すでに高1・2年生の段階で自分の志望大学を決めている人なら問題は
ありません。そういう人たちは、今から述べる事は参考程度に考えて
もらってかまいません。問題なのはまだ志望学部を決めかねている人たちです。
以前、職業の決め方について書いた事があります。それは同時に志望学部の
決め方にも当てはまります。そこで、ここでももう一度それを取り上げてみます。
まず自分の志望学部を決める一番大きな要素は、自分の興味・関心のある
学部を選ぶという事ではないでしょうか。興味・関心を一番とするその理由は、
たとえその学部で学ぶ内容に、自分の能力が多少おとっていたとしても、その
人の努力によってそれをカバーしていけるからです。
ここでいう興味・関心とは新しいものをつくっていく創造的・芸術的な活動、
生産的な技術、学術・文学的なもの、さらには経営・管理的なことへの興味・
関心のことをいいます。
次にその学部に対する能力と適性があるのかどうかが重要になります。
ここでいう能力とは今現在、自分にできることをさします。そして適性とは
その学部で学ぶ事が将来その職業についたとき、その学びが花開くであろう
潜在的な能力のことです。
人は物事を瞬時に判断して決定する論理的思考力にめぐまれていたり、
事務的な仕事をてきぱきとこなす、事務処理能力に優れているかもしれません。
物事を数字で置き換えて考えることのできる、数的思考力がすぐれていたり、
人とのコミニケーション力を発揮する、文学的な思考力が、まさっていることも
あります。またものをつくる技術的能力が、秀でている場合もあります。
これら一連の能力がこれからその学部で学び、将来その職業につくことで、
さらにパワーアップしていくとすれば、それがその学部、その職種における
適性なのです。この適性があることも大切です。なぜならそれが職業における
成功につながるからです。
その学部や将来の職種に、自分が興味・関心をしめし、その能力と適性が
ありそうなら、今度はさらに性格が合うかどうかも、考えに入れるとよい
でしょう。自分がグループ志向なのか独立志向なのか、外向的なのか内向的
なのか、落ち着きがあるのかないのかなどの性格についても考えに入れます。
こういう風にまず自分の興味・関心を把握し、その学部、その職種における
能力・適性を検証し、さらに自分の性格を分析すれば、将来自分が望む職業に、
より近づく事ができるでしょう。
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2、
志望学部にあわせた志望大学を決める事。
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志望学部が決まれば、今度は志望大学を決めることです。よく成績が上がって
くれば、その時に偏差値にあわせた志望大学を決めようとする人がいます。
しかしそれは間違いです。最初に第一志望大学を設定しておかなければ、
その大学への合格は、はるか遠のいてしまいます。
第一志望大学の決定は、自らが把握している自我水準と、後で述べる志望大学の
各科目別配点比率によっておこないます。自我水準については高校受験の学習計画の
ところで述べたことが、ここでもそのままあてはまります。
これから高校3年生になる大学受験生は、高校1・2年生までの日ごろの勉強、
定期考査、実力試験、対外模試の結果から、自分のレベルを、自分なりに、大体は
把握してきている事と思います。この自分が自覚している水準を自我水準といいます。
この自我水準と各大学の科目別配点比率をもとに、まずはじめに達成可能と
思われる第一志望大学を決めるとよいでしょう。今現在の自分の水準では、
第一志望大学への合格は難しくても、今後の努力しだいで可能だと思えれば、
その大学を第一志望大学とします。
次に第2・第3志望大学も同時に決めます。ここは現在の水準と同水準の
大学を、選んでおくようにします。第一志望大学がうまくいかず、第2・
第3の志望大学に入学する事になっても、決して後悔しない、そんな大学です。
最後に、この大学なら絶対大丈夫であろうと思われる大学を、第4志望大学と
します。現在の水準から判断すると、ここなら大丈夫と確信のもてる大学を
志望します。
もちろんこの志望大学の決定は、今までの経験から得られた自我水準と各大学の
各科目別配点比率にもとづくものです。
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3、
志望大学が出題する科目の配点比率を把握しておく事。
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志望大学の決定とその大学への合格は、各大学が出題する各科目別配点比率を
知る事が重要になってきます。自分の得意な科目の配点比率が高く、苦手な
科目の配点比率が低い出題をする大学にチャレンジするほうが、その大学への
合格確率は数段高まります。
各大学により各科目の配点がちがい、国公立大学ではセンター試験、二次試験と
配点が異なるので、どの科目の配点が高いのか見分けにくいかもしれません。
そこで総合点を100点満点にしてくらべてみます。
例えば、北海道大学の工・理・医・薬・農学部の配点比率は
英・数・国・理・社=23:30:11:30:6となります。
それに対し、東北大学の工・理・医・薬・農学部の配点比率は
英・数・国・理・社=21:34;7;34:3です。
この2つの大学をくらべると、東北大学は北海道大学に比べ、数・理の
配点比率が高く英・国・社の配点比率が低い事がわかると思います。
このように自我水準の把握により、志望大学がある程度しぼられてくれば、
今度はその大学の各科目別配点比率を調べ、最終的に志望大学を決定すれば
よいのです
以上のことは、少なくとも高校3年生を迎える以前に、おこなっておかなければ
ならない事だと思います。高校3年生を迎える最後の春休みには、ぜひこれだけは
おこなっておきたいものです。そうすれば高校3年生になって、一学期からよい
スタートダッシュが切れることになるでしょう。
以上
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<大学受験(理系)の学習計画(1学期)>
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春休みに、自分の志望学部、志望大学を決める事ができれば、そこに向かって
スタートをきる時です。高1・高2でまじめに学習に取り組んできた人も、
新たな気持ちでスタートができるのがこの時期です。
ここでは、この1年間で有名私大や国公立大学への合格を達成する学習計画に
ついて書いていく事にします。理系と文系では学習する科目がことなるので、
今回は理系学部志望の学習計画を示します。
それではこの一学期にどういう学習計画を組んでいけばよいのでしょう。学習
科目、学習時間、学習内容、学習のしかたや学習の注意点についてみていくことに
します。
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1、
学習科目と学習時間
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一日中がむしゃらに勉強しても、なかなか成績は上がってこないのがふつうです。
まして睡眠時間を削ってまでの学習は、逆に能率が悪くなるだけです。
そこで大学合格者の中でアンケートをとってえられた、一番多い一日の勉強時間を
参考に、一学期の学習時間を決めることにしましょう。
大学合格者の中で一番多い学習時間は、一学期、平日の授業があるときは、
一日4時間、土曜日は6時間、日曜日は8時間です。一週間の学習時間は
トータルで35時間程度になります。
ただ高1・高2であまりまじめに勉強に取り組んでこなかった人や、この勉強
時間では計画が思うように進んでいかない人は、この時間以上に学習時間を
とらなければならないでしょう。
一週間の学習時間が決まれば、今度はその時間をどの科目に配分していけば
よいと思いますか。それは次の3通りのいずれかでおこなえばよいのです。
1、
英語:数学=1:1
2、 英語:数学:理科=3:3:1
3、
英語・数学:国語:理科=3:3:1:1
基本的には1学期は英語と数学だけを学習するのでよいでしょう。ただ理科の
配点が高く、難度も高い大学の志望者は、理科の中でも特に物理の学習が必要
かもしれません。
また理系なので国語が苦手で、この科目で、ものすごく足をひっぱられる
ような人や、国公立大学受験で国語の配点がやや高い人は、少し国語に時間を
かけてもよいでしょう。
そのほかの場合は、一学期は英語と数学の学習だけで十分です。ただし定期
考査中はそれ以外の科目の学習をするのは当然です。また学習時間の多い
土・日には英語・数学以外の科目の学習はできるはずです。
それでは英語と数学以外の受験科目は、いつからはじめればよいのでしょう。
それは長期休暇の夏休みからです。一学期にあまり暗記科目に時間をかけるのは、
効率的ではありません。
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2、
英語と数学の学習のしかた
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<英語>
高1・高2の時に英語を苦手にしてしまった人は、その時に習った英文法から
学習しなおすことです。高1・高2でまじめに英語学習に取り組んできた人は、
英語構文の丸暗記から入ります。
そしてある程度の学習が進めば、自分の志望校の赤本をおこなうようにしましょう。
これは志望校の出題傾向を知るためです。
英文法・英語構文の学習のしかたとして、一行一行精読しながら、文法や構文を
確認するという方法をとります。またそこにでてきた単語は必ず覚えていく事に
します。
すでに「速読英単語」(Z会)や「英単語ターゲット1900」(旺文社)などの単語集を
使っている人はその学習を継続してもかまいません。
しかしまだ単語集を学習していない人は、英単語は後回しにして、熟語集から
入るようにしましょう。「英熟語ターゲット1000」(旺文社)や「解体英熟語」
(Z会)がおすすめです。
そして英文法や構文の基礎が固まれば、「新・英文法頻出問題演習」(駿台文庫)や
「基礎英文問題精講」(旺文社)をやり始めるとよいでしょう。
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<数学>
理系なので数学は重要です。すでに数1・Aと数2・Bは既習と思います。
この時期、私立6年制中学・高校は数3・Cも終わっています。公立の進学高校は
数3・Cの途中のはずです。
まず数学が苦手な人は基礎固めをする事です。数1・Aと数2・Bは文英堂の
「理解しやすい数学1・A、数学2・B」を使い例題をまずおこなってみる事です。
これが終われば、なるべくはやい時期に、志望大学の赤本をおこない出題傾向を
探ります。
そして次に「青チャート」(数研出版)を使って、代表的な解法パターンを
暗記します。成績上位者は、すでに高1・高2の頃から、この数件出版の
「青チャート」を学習しているはずです。
この暗記学習と並行し、センター試験演習もおこないます。すでに既習の
数1・Aと数2・Bに関しては、教科書や教科書併用問題集は無視して
かまいません。
まだ未習の数3・Cに関しては、学校や塾の進め方にあわせるのが、効率が
よくかしこいやりかたです。教科書でも内容がわかればよいですが、
わからない場合は文英堂の「理解しやすい数3・C」を参考にするとよいでしょう。
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3、学習の注意点
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学習は一週間単位で、実行と確認チェックをしていくようにします。その際、
予定通り学習が進んでいない事がわかれば、次の週には学習時間を増やすように
します。
一週間の学習の注意点として、日曜日は予定の英語と数学の他にも、月曜日から
始まる学校の予習もおこなうようにしましょう。理由は次の週の予習ができて
いるので、学校へ行く事が積極的になれるからです。
決して日曜日に遊び過ぎないようにするのが、一週間学習を持続させるコツです。
日曜日に遊びすぎると、どうしても月曜日に学校へ行くことがつらくなります。
息抜きは土曜日がよいでしょう。
また中だるみを作りやすい木曜日に不得意科目を学習することはさけましょう。
木曜日は得意科目や漢字・計算などの単純な学習をおこなう事で、学習意欲が
持続します。
このように曜日によって学習に変化をつける事も必要です。その結果、学習意欲は
持続します。受験勉強はマラソンです。最後まで持続させる工夫も必要なのです。
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<大学受験(理系)の学習計画(夏休み)>
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大学全入時代が到来と言われています。どこの大学でも入学できればよいと
いうのなら、この夏休みに学習計画を立てる必要はないのかもしれません。
しかし有名私大や国公立大学を受験目標にしている人は、そういうわけには
いきません。
目標をたて,その目標を達成するための学習計画がなければ、とうていその
目標に到達する事はできません。そのためにも、この夏休みの学習はとても
重要になってきます。
それでは前回と同様に学習科目、学習時間、学習内容、学習のコツや学習の
注意点についてみていく事にします。
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1、
学習科目と学習時間
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大学合格者の最も多い夏休みの学習時間は1日8時間です。夏休みを
40日間とすると8×40=320時間になります。
1学期・2学期がともに550時間くらいですから、夏休みのわずか
1ヶ月ちょっとの間でも、かなりの学習ができる事になります。
それでも第一志望大学と現在の実力が、遠くかけ離れている人は、この時間
以上の学習時間が必要かもしれません。
このように一日の学習時間は各自の達成目標や現在の実力がそれぞれ
ことなる為、それらと照らし合わせながら決めていくのがよいでしょう。
それではこの夏休みに、何をどれだけこなせばよいのでしょうか。
まず学習科目とその学習にあてる時間の比率からみてみます。
それは次の2通りがよいと考えられます。
(1)
英語:数学:理科=2:2:1
(2)
英語;数学:理科:国語=2:2:1:1
基本的には英語、数学、理科の3科目を徹底して学習するのがよいでしょう。
しかし難関レベルの大学を志望し、国語が重要科目になる人や、理系という事で、
あまりふだんから読書をせず、試験ではいつも国語で足を引っ張られていると
いう人は、この夏休みに、国語の学習も必要かもしれません。
それ以外の人であれば、この夏休み、英語、数学、理科を重点的に学習すれば
よいと思います。
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2、
各科目の学習内容と学習のコツ
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(1)
英語--------------------------------------------------------
一学期にすでに英文法・英語構文の学習が終わっている人は、この夏休みには
「基礎英文問題精講」(旺文社)や「ビジュアル英文解釈」(駿台文庫)などを使って、
英文読解に入りましょう。
また英文法は新たに「新・英文法頻出問題演習」(駿台文庫)などを使い、その
演習に入ります。このテキストの内容が難しければ、「大学入試英語頻出問題
総演習」(桐原書店)などを使って学習するのもよいでしょう。
これらの学習は夏休みからはじめて、2学期に持ち越してもかまいません。
記憶をよくするという観点からすると、同じ事を3回復習する事がよいのです。
つまり2学期にもこの復習を取りいれます。
一学期から始めた英熟語、「英熟語ターゲット1000」(旺文社)などの
熟語の暗記学習はこの夏休みには終わっておくようにしましょう。
(2)
数学----------------------------------------------------------
数学の成績を伸ばすコツは、解法パターンを多く記憶に残しておく事です。
そのためには解法パターンを暗記する参考書が必要です。これには数件出版の
青チャートや黄チャート「解法と演習」が適しています。
赤チャートは参考にするにはよいのですが、少し難しすぎます。また白チャートは
センター試験レベルに対応していますが、各大学の個別試験には不向きです。
私立6年制や公立高校で、すでに一学期に数3・Cを終えているところも
あるでしょう。そういう人は青チャートや黄チャートで学習することを
おすすめします。
公立高校で数3・Cがまだ終わっていない人は、まず「理解しやすい数3・C」
(文英堂)で学習してもよいでしょう。
この夏休みに最も大事な事はチャートの例題や類題はよくみておくことです。
そしてその他、センター試験演習も同時におこなうようにします。このテキストは
過去門題集でもよいし、各教材メーカーから出されているセンター試験対策演習
でもかまいません。
(3)
物理---------------------------------------------------------
物理は基礎固めが大切です。教科書より参考書のほうがわかりやすいようです。
その基礎固めの参考書として「物理のエッセンス力学・波動」(河合出版)、「物理の
エッセンス電磁気・熱・原子」(河合出版)などがあります。
高校の授業で「物理1・2重要問題集」(数件出版)を使っていたなら、それを
使って基礎固めをしてもよいでしょう、基礎ができたら、次は赤本や青本で
志望校の出題傾向を探ります。
(4)
化学・生物-----------------------------------------------------
化学と生物はこの夏休みに基礎を完成させておきましょう。まずは両科目とも
教科書を使って、今までに学習した内容の要点をつかんでおきましょう。
それができれば、次に青本や赤本で志望校の出題傾向を探ります。この2科目に
ついては夏休みにはここまでおこなえば十分です。
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---------------------------
3、
夏休みの学習の注意点
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夏休みの学習の注意点ついては以前、夏休み一言集でも書いていますので、
ここではその要点をもう一度、少しだけ書いておく事にします。
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(1)
長期の休みこそ、毎日の生活リズムを整えよう。------------------
長い夏休みがやってきます。そんなときほど生活リズムを整える
必要があります。それはふだんと変わらない8時間3等分感覚のリズムが最適です。
確かに夏休みはふだんとはちがい、自由時間を満喫できます。しかし受験生に
とってはそうも言っていられません。
ふだんは睡眠8時間、通学を含めた学校の就学時間8時間、そしてあとの
8時間は食事や休憩の時間などの4時間と自由時間4時間のリズムで生活
していたと思います。
夏休みも、このようにふだんのときと同じような時間配分ですごすと、
生活リズムがよく能率が上がります。
まず睡眠8時間、学校の補講、塾・予備校での勉強4時間と自宅学習4時間の
8時間、そして後は食事や休憩に4時間、まだクラブ活動などをおこなっている
人はクラブ活動も含めた自由時間4時間の、合計8時間で時間配分をおこなう
のです。
そうすれば体調もよく、長い夏休みも快適にすごせます。ともすれば
だらだらとすごしてしまう夏休み、一日くぎりで、リズムよく生活しましょう。
リズムよい生活、それは能率を上げるコツなのです。
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(2)
苦手な科目の勉強法にはコツがある。----------------------
一学期も無事終わりました。各自成績表をもらっています。なかには夏休み
に苦手な科目だけは、何とかしたいと思っている人もいるでしょう。
苦手科目の勉強は夏休みのような時間的余裕があるときには、作業制限法で
いくと効果が上がります。
確かに得意な科目は時間が気にならず、長時間、勉強を続けることができます。
それに対して苦手な科目は時間は気になり、少しおこなっただけでイヤになります。
しかしそれをこのまま放っておくわけにはいきません。それはますます苦手科目が
イヤになってしまうからです。
ふだん学校に通っているときなら、苦手な科目は時間制限で、得意な科目を
おこなう前に、一定時間を決め学習すると能率が上がります。
ところが夏休みのような、長い休み期間があるときは、時間制限法ではなく
作業制限法で学習するほうが効果があがるのです。
作業制限法とは苦手な科目の基本問題集を一冊仕上げるようなことを言います。
そのときの学習法は一冊をさらに細分化して、細分化したところをひとつひとつ
目標達成させていくとよいでしょう。このように細分化したほうが、人はやる気
をうむものです
さらに適当に休憩を入れたり、ほかの科目に切り替えたり、変化を加えていくと
飽きずに目標達成が容易になります。一度試してみてください。
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(3)
精神的な疲れは肉体的な疲れに転換すると回復がはやくなります。-----
長い休み、受験生にとって、この夏休みは勉強に集中して取り組まなければなり
ません。長時間にわたって学習をおこない、精神的な疲れは徐々にたまってきます。
確かにスポーツなどの肉体的な疲れは回復も早く、長時間、体を使っても一晩
寝ればすっきりすることがあります。
しかし勉強など、長時間続けた後の精神的な疲れは、一晩寝ればなおるという
わけにはいきません。翌日もまだ疲れが残ったままです。
ところがこの勉強し頭を使い、精神的に疲れた時、その後、体を動かしたり、
スポーツをおこない、肉体的な疲れに転換すると、翌日の疲労回復が早くなります。
つまり今日一日、精神的に疲れたと感じるときは、思いっきり体を動かしてみる事
がよいのです。そうすれば翌日、肉体的な疲れと一緒に、精神的な疲れも取れている
事でしょう。
長い夏休み、うまく心と体をコントロールすることも大切です。
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(4)
勉強は目移り学習で効果倍増!----------------------------
一科目に集中して長時間学習するより、何科目かをとっかえひっかえ勉強する
ほうが、飽きもこなくて実りも大きいものです。これを目移り学習といいます。
確かに苦手な科目を克服したい一念で、一科目集中特訓をしようとします。
心がけとしてはすばらしい。しかしそれは長続きしないものです。人の心は一般に
変化があるときに興味や関心がうまれます。
苦手な科目なら、最後まで残らないように最初に学習するとか、得意な科目と
得意な科目の間におこない、サンドイッチ型で学習するのがよいでしょう。その
タイミングは勉強が飽きる頃に科目をかえるのです。変化をつけることは、
また新たなやる気をうみだします。
勉強するにしても丸一日やりづめでは、飽きてきてかえって能率が下がります。
そういう時はねっころがったり、体を動かしたり、だべったりすること、その
適度な変化が能率を上げてくれることでしょう。
長時間勉強に取り組まなければならないときは、特に変化をつけるようにすると
勉強ははかどります。いわば勉強は目移りしながらのほうが、能率は上がるのです。
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(5)
長期休みのときは朝型中心にその利点をいかす。----------
最近は午前中に頭が一番よくはたらくとして、早起きを奨励する小学校が
いくつかあります。その学校のなかには朝5時に起きる子どもまでいると聞きます。
確かに寝起きの悪い人や血圧の低い人たちにとって、朝の早起きは大変です。
また寝つきの悪い人たちにとっても朝はつらいものです。しかし朝型には利点も
たっぷりあるのです。
最近のデータでは頭のはたらきのピークは午前10時くらい、体のはたらきの
ピークは午後2時頃であることがわかっています。実際、午前中にテストをする
ほうが、午後にテストをするよりよい結果がでているようです。
普段の学校の授業でも体育の時間は1・2時限目には、組まれていません。
3・4時限目の時間か午後の時間帯が最も多いはずです。 これは頭のはたらきと
体のはたらきの調子のずれを考えてのことです。
学習内容は、頭のピークをむかえる午前中には、正確さを要求されるもの、
不得意科目、ややむずかしめの事をおこなうほうがよいでしょう。そして午後の
集中力がゆるんでくる時には、かんたんなことや得意科目をおこなうほうが
メリットが多いようです。
夏休みのような長期休みのときでも、頭と体のはたらきのピークを知り、一日の
学習計画をたて、大事なことは朝型中心におこなうと、効率的に勉強をすすめる
ことができるのです。
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<大学受験(理系)の学習計画(2学期)>
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夏休みに予定通り学習が進んでいる人は、2学期に学校でおこなわれる
模試や勉強に少し余裕がうまれているかもしれません。
しかし夏休みの学習が思うようにはかどらなかった人は、この時期、
少しあせりぎみなのではないでしょうか。
この2学期は、平日4時間、土曜日6時間、日曜日8時間の学習時間が
とれるとすると、1学期と同様に、約560時間ほど勉強する時間が、
ある事になります。夏休みが約330時間程度の学習時間ですから、まだ
まだ挽回のチャンスは残っています。
さて、それではこの2学期の学習科目と学習時間、さらには勉強のコツや
学習内容についてみていくことにしましょう。
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1、
学習科目と学習時間
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まずこの2学期に学習をおこなわなければならない学習科目と、その
学習時間の比率についてみてみます。
(1)英語:数学:理科:国語:社会=2:2:2:1:1
(2)英語:数学:理科:国語:社会=1:1:1:1:1
基本的にはこの2学期には、(1)の英・数・理が2に対し、国・社が
1の比率で学習するのがよいでしょう。しかし夏休みにしっかり英・数・理の
学習が終わっている人であれば、(2)のように5科目を均等に配分し、
学習していくのもよいと思います。
夏休みの各自の学習の進みぐあいによって、2学期の各科目の学習にかける
時間が、それぞれ変わってくるのはとうぜんです。
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2、
各科目の学習内容と学習のコツ
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(1)
英語---------------------------------------------------------
すでに夏休みには「基礎英文問題精講」、「標準英文問題精講」、(旺文社)や
「ビジュアル英文解釈」(駿台文庫)などを使って、英文読解に入っている人も
いると思います。
また英文法は新たに「新・英文法頻出問題演習」(駿台文庫)や「大学入試英語
頻出問題総演習」(桐原書店)などを使い演習し始めているかもしれません。
2学期の学習は、これらすでに手がけているテキストを繰り返し学習するのが
よいでしょう。夏休みに終えた学習も含めて、この2学期はそのテキストで、
3回は繰り返し学習するようにします。このほか夏休みから手がけている
センター試験演習も繰り返し復習していきます。
そしてこの2学期に新たにはじめる英語の追加学習は、リスニング対策と
英作文対策です。
リスニング対策として、「パーフェクトリスニング 実践編」(駿台文庫)や
「英語リスニング対策 差がつく編」(旺文社)、「CD2枚付 大学入試
リスニングの点数がおもしろいほど取れる本」(中経出版)などがあり、
それらを使って学習するとよいでしょう。
また英作文対策では、「入試英作文攻略の新技術」(桐原書店)や「英作文実践
講義」(研究社)、「竹岡博信の英作文(原則編)がおもしろく書ける本」(中経
出版)などを使うとよいでしょう。
このようにこの2学期には、今までの英語学習のほかに、新たにリスニング
対策と英作文対策を加えていく事になります。
(2)
数学-------------------------------------------------------------
数学は、まず夏休みから実施している解法パターンの暗記を引き続き
行なう事です。それには、数1・Aから数3・Cまで青チャートや黄チャート
「解法と演習」(数件出版)を暗記用参考書として使います。stepAやstepBの
例題は丸暗記していくようにしましょう。
次におこなうのが数学演習です。センター試験演習はすでに夏休みから
取り組んでいると思います。ここではそれに加え、「1対1の対応の演習
シリーズ」(東京出版)や「やさしい理系数学」(河合出版)などの演習本で、
暗記した解法パターンが身についているかどうかのチェックをしていきます。
このように数学は暗記と演習を繰り返し行なう事で実力がついてきます。
(3)理科---------------------------------------------------------------
(物理)-----
物理は数学と同様により多くの解法パターンを知らなければなりません。
夏休みと同様に引き続き、参考書による解法パターンの暗記と演習本での定着が
必要です。
基本演習本としては「実践物理1・2重要問題集」(数件出版)や「橋本淳一郎の
物理 解法の大原則―試験で点が取れる」(学研)、標準演習本では「橋本の理系
物理1・2頻出問題解法―入試で点が取れる」(学研や「新体系物理1・2」
(教学社)などがあります。そのほかには「前田の物理」(代々木ライブラリー)
がおすすめです。
どのテキストも2,3回は繰り返しおこなうようにします。繰り返し学習に
より解法パターンを記憶に定着させるのです。これは受験でよくでてくる同じ
ようなパターンの問題に対応させるためにおこなうものです。
(化学)-----
夏休みに教科書を復習し、基礎ができている人は参考書として「化学1・2の
新研究―理系大学受験」(三省堂)をおこなうとよいでしょう。標準の演習本
として「実践化学1・2重要問題集」(数件出版)や「化学1・2重要問題精講」
(旺文社)などがあります。その他、ハイレベルな演習本として、「化学1・2の
新演習―理系大学受験」(三省堂)があります。
これらも物理同様に繰り返し2・3回はおこなうのがよいでしょう。
そうすれば解法パターンがより記憶に残る事になります。
(生物)-----
化学同様に、夏休みに一通り教科書で基礎が確認されている人は「チャート式、
要点と演習、生物1・2」(数件出版)で暗記を開始します。演習として「生物
1・2基礎問題精講」(旺文社)や「標準問題精講」(旺文社)を使うのもよいでしょう。
これらのテキストは何度も学習し、事柄を記憶していくような暗記学習になります。
2・3回は学習するようにしたいものです。
(4)
国語------------------------------------------------------------------
国語は理系をめざす人にとって、あまり得意な科目ではないのかもしれません。
しかし受験科目にある以上は無視するわけにはいきません。それでここでは最低限
おこなっておいたほうがよい勉強法を示します。
また学習時間の比率は現代文:古文;漢文=2:3:1くらいがよいと思います。
(現代文)------
国語の出題傾向を青本や赤本でまず確認します。そして参考書として「田村の
やさしく語る現代文」(代々木ライブラリー)「「システム現代文解法公式集」
(水王舎)を使用し、問題の解法のしかたを学ぶ事です。
(古文)--------
古文は単語を覚える事と文法を知る事です。単語を覚えるのに「ゴロで覚える
古文単語ゴロ565」(アルス工房)や「標準古文単語650」(桐原書店)などの
単語集を使います。
文法書は「富井の古典文法をはじめからていねいにー大学受験古文」(ナガセ)や
「土屋の古文講義―代々木ゼミ方式」(代々木ライブラリー)などを使うとよい
でしょう。
(漢文)-------
漢文は「田中雄二の漢文早覚え速答法―試験で点が取れる」(学研)や「飯塚漢文
入門講義の実況中継―大学入試」(語学春秋社)などを使うとよいでしょう。
(5)
社会-----------------------------------------------------------------
(日本史)------
まず赤本・青本で志望大学の出題傾向をさぐり、学習は教科書からはじめます。
教科書「詳説日本史」(山川出版社)を2・3回繰り返し学習するのがよいでしょう。
参考書は「詳説日本史研究」(山川出版社)を使います。
(世界史)-------
世界史も日本史同様に、まず志望大学の出題傾向を赤本・青本で探ります。
そして教科書「詳説 世界史」(山川出版社)を2・3回繰り返し学習します。
さらに「30日完成スピードマスター世界史問題集 世界史B」(山川出版)や
「青木世界史B講義の実況中継―問題演習1」(語学春秋社)などの演習本で
仕上げます。
(地理)------
まず志望大学の出題傾向をチェックした後、教科書を2・3回繰り返し
学習します。参考書は「理解しやすい地理B」(文英堂)、演習本は
「地理B標準問題精講」(旺文社)や「30日完成スピードマスター地理問題集
地理A・B」(山川出版社)を使えばよいでしょう。
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以上の学習を、この2学期の約550時間の学習時間の中に盛り込みます。
2学期も、学習はまだ英語・数学・理科に重点をおいていますが、ここからは
国語と社会の学習も同時にスタートを切っていかなければなりません。
平日4時間、休日7・8時間の学習では時間が少ないと感じる人は、さらに
勉強時間をふやす必要があるかもしれません。また英語、数学、理科の学習時間は
けずれないので、国語と社会の学習を最低限にし、自分なりに時間配分を工夫して
みるのもよいと思います。
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<大学受験(理系)の学習計画(冬休み・入試直前期)>
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センター試験や私立大学入試を直前にひかえ、受験生は各教科・各科目を
どれくらい得点すれば合格ラインに達するのかを知る事はとても重要です。
そして直前期はそれに応じた合理的な学習をするのが望ましいのです。
受験科目が多くなるほど、誰にでも得意科目と不得意科目が、でてくるのが
ふつうです。春休みの学習計画のところで、自分の得意科目が傾斜配点されている
大学を志望する事が、その大学への合格率を高める事を書きました。
入試の配点パターンとして全教科同配点の「平等配点」と特定教科にウエートを
おく「傾斜配点」があることもすでに述べています。特に有名私大の入試では
「傾斜配点」を採用する大学は多いものです。
この時期、志望大学の合格ラインを突破するには、得意科目と不得意科目の
それぞれの科目に応じた学習をするのが合理的です。まずはその合格ラインに
ついてみてみましょう。
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1、
合格ライン
入試の合否はふつう総合得点で決まります。(例外的に特定科目の成績順位で
決まる場合もあります。)国公立大学ではセンター試験と個別試験の合計得点、
私立大学では2〜3教科・科目の合計得点です。
また合格最低点とは合格者の中の最下位の順位の人の得点を言います。これは
各大学のホームページやパンフレットに記載されています。ただし記載の仕方は
素点そのもの(選択科目は得点調整後の得点)や得点率(合格最低点÷満点×100)で
あったりします。
この合格ラインには、総合的に同じ学力の多くの受験生がひしめきあいます。
例えば昨年度の龍谷大学(経済A日程、スタンダード方式)の入試では、この合格
最低点を含め、上10点の間に前合格者の40%前後の人が集中しています。
それではこの合格ラインを突破するには、各教科・各科目をどのような割合で
得点すればよいのか、各大学の得点率からみていくことにしましょう。
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2、
私立大(理系)の合格ライン
総合点でどれくらい得点すれば合格できるのか、昨年度の合格ラインからみてみます。
例えば早稲田大学(理系)の場合、一部学科によって得点率60%後半が
みられますが、他はほぼ50〜60%台が合格ラインです。慶応義塾大学
(理系)では看護・医療が60%台ですが、他は50%台です。また同志社
大学では理系がほぼ60%台です。
このように各大学の合格ラインをみると、医・薬学部に70%台の高得点率が
みられますが、総じて理系は50〜60%台が合格ラインです。つまり理系の
合格ラインは得点率60%なのです。
それではこの得点率60%を確保するには、3教科(英・数・理)をどのような
割合で得点すればよいのでしょう。
(1)
8:5:5
(2) 7:6:5
(3) 6:6:6
(1)
のように、得意な科目一科目で8割を確保し、後の2科目は5割を
キープする事を目標にしたいものです。この5割キープの意味は大学に
よって基準点を設けているところがあるからです。基準点は「特定科目の
全受験生の平均点」か「配点の4割」とするのが一般的です。
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3、
国公立大学センター試験の合格ライン
それでは国公立大学のセンター試験はどのくらい得点すればよいのでしょう。
センター試験の受験者全体の平均点は毎年60%前後です。昨年度の文系の
得点率は約58%、理系が約59%です。
次に国公立大学センター試験の合格最低点はどれくらいでしょう。東京大学
(前期)の最低点は全科類とも8割とハイレベル。大阪大学(前期)では理・工系は
6〜7割台、医を含む医療系は7〜8割台。大阪市立大学(前期)では医のみ
8割台と高く、医を除く理系は一部学部を除き、6割台後半〜7割です。
このように各大学の得点率をみると、医・歯・薬や難関大学の8割台を
除くと、全体的には7割台が多いのです。そこでセンター試験の得点目標を
7割とおくことにします。
ここで5教科均等に、すべて7割得点できればよいのですが、センター試験は
科目数が多く、受験生には得意・不得意があります。そこで次のような得点割合が
ベストと考えられます。
(1)
6:6:6:8:9
(2) 6:6:7:8:8
(3) 6:7:7:7:8
(4)
7:7:7:7:7
ここでは(1)のように、3教科は受験者の平均並みの60%、残り2教科は
やや得意1教科を80%台に、得意1教科を90%台を目標にするとよいでしょう。
つまり得意教科を最大限にいかすことです。得意教科が傾斜配点されていれば、
さらに合格には有利となります。
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4、
国公立大学2次試験と総合合格ライン
次に国公立大学2次試験の合格ラインです。理系は「数学・理科・英語」が
多いので、基本的には、私立大学と同じように考えればよいでしょう。
センター・2次合計の合格ラインは理系の場合、理工系学部や医療・看護系
では「センター7割+2次5割」で総合点として6割確保が目標です。医学系は
「センター9割+2次7割」で総合点が8割台とハイレベルになります。
例えば大阪大学(前期)や大阪市立大学の理系は医学科のみ8割で、ほとんどの
理系学部・学科が5〜6割台です。この他、北海道大学(前期)、千葉大学(前期)や
名古屋大学(前期)の合格ラインをみても。ほぼ同じ傾向があります。
つまり理工系学部や・医療・看護の総合合格ラインは「センター7割+2次
5割」なのです。
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5、
冬休み・入試直前期の学習計画
さて入試の得点率がわかれば、この冬休みと入試直前期には、何を重点的に
学習しなければいけないのかがわかってきたと思います。入試直前期は
少しの時間も無駄にはできません。そういう時期には、基本的に次のことを
注意して学習するとよいでしょう。
(1)
不得意科目は基本を重視し、今までおこなってきたテキストや模試などの
問題を何度も解くこと。
(2)
用語集、熟語・単語集や漢字・古語の反復暗記練習を繰り返しおこなうこと。
(3)
青本・赤本などで志望大学の出題傾向をよく調べ、よく出るジャンルの
基本問題中心に、毎日問題を解くこと。
(4)
国公立大学志望者は、当面のセンター試験に全力投球すること。
私立大学や国公立大学2次試験と重複する教科・科目は2次対策の学習に
重点をおここと。
(5)
過去問を解くときは、必ず時間をはかって制限時間内で解くこと。
ここで得意科目は過去問、受験参考書・問題集をおこなう攻めの学習でも
よいのですが、不得意科目は今まで行なってきた事の反復練習に徹する事が
受験勉強のコツになります。
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次にこの時期の学習科目と学習時間のとり方をみてみます。
(1)
有名私立大学(理系)
英語;数学:理科=2:3:5
(2)
国公立大学(理系)・センター用
英語;数学;国語:理科:社会=1:1:1:3:4
(3)
国公立大学(理系)・2次用
英語;数学;国語:理科=2:2:1:5(8)*
*( )内は2科目の場合
このように入試直前期は、今までの英語・数学中心の学習から、理科・社会
中心の学習に切り替える事が大きなポイントです。理解学習から暗記学習への
転換が必要なのです。
つまり受験勉強は「復習に徹する事」だと割り切り、反復練習に徹する事が
必要なのです。
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それではこの入試直前期に、各科目のおこなうべき内容について整理してみます。
(1)
英語
赤本・青本で志望大学・併願校の過去問やセンター試験の過去問を解き、
出題傾向を把握すること。今までにおこなってきたテキスト・模試の総復習を
すること。
そしてこの時期、新たにおこなう事は大学別模試を受けること。
「英単語ターゲット1900」(旺文社)や「速読英単語」(Z会)などの単語集で、
単語を覚えること。
(2)数学
赤本・青本で志望大学・併願校の過去問やセンター試験の過去問を解き、
出題傾向を把握すること。今までにおこなってきたテキスト・模試の総復習を
すること。そして予想問題集をおこなうこと。
(3)
理科(物理・化学・生物)
赤本・青本で志望大学・併願校の過去問やセンター試験の過去問を解き、
出題傾向を把握すること。今までにおこなってきたテキスト・模試の
総復習をすること。そして予想問題集をおこなうこと。
その他、化学は「化学1・2標準問題精講」(旺文社)や「科学計算問題の
徹底整理」(数件出版)などを使うとよいでしょう。 生物は「基礎生物
1・2問題精講」(旺文社)、「生物1・2標準問題精講」(旺文社)を使います。
(4)
国語
赤本・青本で志望大学・併願校の過去問やセンター試験の過去問を
解き、出題傾向を把握すること。今までにおこなってきたテキスト
・模試の総復習をすること。そして予想問題集をおこなうこと。
(5)
社会(日本史・世界史・地理)
赤本・青本で志望大学・併願校の過去問やセンター試験の過去問を
解き、出題傾向を把握すること。今までにおこなってきたテキスト・
模試の総復習をすること。
そして新たにに日本史では「流れがわかる日本史テーマ史ノート」
(山川出版)、「試験に出る日本史」(青春出版)、「読むだけ日本史
近現代」(学研)などをおこなうこと。
世界史は「流れ図で攻略 詳説世界史」(山川出版社)、「タテから
みる世界史」(学研)や「はじめる世界史50テーマ」(Z会出版)や
「一問一答式 世界史B」(富士教育)などをおこなうとよいでしょう。
地理は「大学受験必携 図解地図資料」(帝国書院)、「地理ハンド
ブック」(東進ブックス)、「地理統計要覧」(二宮書店)や「実力を
つける地理100題」(Z会出版)があります。
以上が入試直前期におこなうとよい内容です。特にこの時期は時間を無駄に
せず、合理的な学習計画が必要なときです。今までおこなってきた事の反復
総復習に力を入れてください。そして理科と社会に重点をおいた学習に切り
替えることが必要です。
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