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<学力向上の記憶について>
 
 カナダの心理学者タルビンによると、記憶には2通りあって
ひとつは「意味記憶」で、もうひとつが「エピソード記憶」だ
そうです。

 
 「意味記憶」とは漢字、歴史年表、英単語や人名などの記憶
のように、機械的に覚える記憶のことです。そして「エピソード
記憶」とは自分の体験や経験により記憶される経験的記憶と
されています。

 
 幼少のころや学生時代には「意味記憶」が得意で、年をとるに
つれて、それが苦手になり、変わって「意味記憶」が得意になっ
てきます。

 
 そういうわけで大人になると学生時代に覚えていたことも、
きれいさっぱり忘れ去っているのがうなずけます。「意味記憶」
は使わないと脳が不必要な情報として、記憶から抹消してしまう
のです。

 
 年をへるにしたがって、人の名前や言葉がすぐに思い出せず、
ど忘れしてしてしまうのがこれにあたります。

 
 それに対して「エピソード記憶」は体験や経験からくるもので、
思い出したいときには、いつでもどこでも自由に記憶を引き出せる
という特徴があります。

 
 あの時はどこで、誰と、何をどのように話したのかを次々と
思い出すことができます。「エピソード記憶」とは年をへるに
従い、自然に記憶力は増してくるので、あえてトレーニングを
する必要もなさそうです。

 
 それに対して「意味記憶」は使わなければ、記憶から抹消される
のでトレーニングの必要が出てくることになります。それではどういう
トレーニングをすればよいのでしょう。

 
 それにはまず、記憶のメカニズムを知る必要があります。医師で
あり受験評論家でもある和田氏は、記憶は3つの段階があるといって
います。 それは「記名」、「保持」と「想起」の3つです。

 
 まず必要な情報は脳に記名されます。それではこの必要な情報や
記名されやすい情報とはいったい何なのでしょう。それは現在の医学
では自分の理解できることわかりやすいことが、記名されやすいと
わかってきています。

 
 たとえば自分の得意なこと、関心のあることは、自分に理解
できるので、脳に記名されやすくなります。得意な科目をさらに
得意にすることのほうが、わからない苦手科目を向上させるより、
容易なのです。

 
 もうひとつは集中しているときに脳に記名されやすくなります。

 
 たとえばテスト前に一夜づけで、集中して勉強した内容が脳に
記名されやすくなるのが、このことに当たります。ただ睡眠不足は
脳に記名することをさまたげるので注意が必要です。

 

 次は脳に記名した内容を保持しなければなりません。脳に重要な
情報として記憶を保持させるには、何度も繰り返して、脳に情報を
与え続ける必要があります。脳に記名された情報を保持するには
少なくとも一月に3〜4回、同じ情報をインプットする必要があるのです。

 
 たとえば塾で学校の予習をあらかじめ行い、学校で2度目の情報を
インプットし、家に帰って宿題などで復習をして、さらに試験前に
総復習をするのです。そうすれば一月の間に3〜4回の情報が脳に
インプットされ、記憶したものが保持されやすくなります。

 
 そして最後に保持されたものをいつでもどこでも引き出せる想起が
必要になります。想起のトレーニングは、人に教えたり発表したり
覚えたことのテストをすることで有効になります。

 
 つまり学生のころ勝っている意味記憶でも、この三つの段階を強化
しなければ、記憶は失われてしまうのです。

 
 学習して理解できたことでも1〜2回程度の復習程度では、記憶
として定着させることに無理があるのです。なかなか学力の向上が
見られない人はこの繰り返し学習がたらないといえます。

 
 学生時代に学力向上をはかり、意味記憶を活性化させる
ためには、記名・保持・想起の決まった反復トレーニングを
する必要があるのです。



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