海外SFに出てくる日本人たち


先生とその娘

登場作品
Black Samuraiシリーズ


黒人ロバート・サンドがなぜか日本人のサムライ村で修行していて、ここで免許皆伝になると「サムライ」と呼ばれることになるそうです。
で先生を殺した仇を追ってニューヨークまで行くそうで。
奇想天外1976/4の奇想天外CATALOGUE岡田英明著より。
解説

登場作品
彗星の核へ () グレゴリー・ベンフォード&ディヴィッド・ブリン著

解説

番外編
スターリングの『ネットの中の島々』には日本人が数人登場する。
何で番外編かというと、パラパラと本をめくって見つけられなかったから。

登場作品
イリーガル・エイリアン () ロバート・J・ソウヤー著

解説
名前からして、日系人です、エイリアンを弁護する黒人弁護士のアシスタントについた。
普段は有色人種の弁護を専門に扱っている弁護士の、アシスタントとしての役割上、有色人種であることが必要で、その中で日系人が選ばれたのでしょう。

登場作品
ネットの中の島々 Islands in the Net(1988) ブルース・スターリング著

解説
あらすじはこちらを参照してください。
えーっと、まあ、どおってことのない役で出てくるだけなんですね、これが、なぜか日本に詳しいスターリングが書いただけに、普通の人になっちゃてると言うか。

アボ・パーシヴァル

登場作品
フリーゾーン大混戦 Free Zone(1989) チャールズ・プラット著

解説
あらすじはこちらを参照してください。
パーシヴァル・アボだったかも?。
日本人とは明記されていませんが、訳者後書きによると、
著者より訳者(大森望)に対して犬の名前として訳者の名前の
使用許可の打診があったのが最初だったそうで、
小説が出来あがってみると、犬ではなく犬(とは限らないが)の
知能向上を研究するマッドサイエンティストとなっての登場と
なっていました。
(アボは訳者の本名の苗字だそうです)。

マッド・サイエンティストとしては壊れ方が足りなかったかなー。

オクラ(アサガオ、ユキコ)

登場作品
百万年の船 The Boat of a Million Years(1989) ポール・アンダースン著

解説
あらすじはこちらを参照してください。
このコンテンツ50項目目を飾るのは、鎌倉時代の平安京の官女で。
突然変異的に発生する不老の人間の一人である、”オクラ”となりました。
不死人であることをさとられずに生きている彼女ですが、長年の付き合いである恋人の失脚により迎えた別れの際に自らの秘密を知らせることにします。

不死人が世界各地で発生していることを読者に示すために登場した人物なのかもしれません。
”アサガオ”など名前を変えつつ生きて行く彼女でしたが、最後に仲間内とであった後に使った名前は”ユキコ”という名前でした。

カイト

登場作品
地球最後の日 When Worlds Collide(1932,1933) フィリップ・ワイリー、エドウィン・パーマー著

解説
あらすじはこちらを参照してください。
主人公の召使、日本人と明記されており、日本の異教の神に祈る場面もある。
ほぼ同時代に執筆された『宇宙のスカイラーク』のシローも同じく召使のようで。
この当時アメリカに渡り召使の職業についていた日本人が多かったのだろうなと、想像させる。

なお、破滅に瀕した地球からの脱出船は舞台となるアメリカ以外にも、日本やソ連、ドイツにおいても建造されている。

親切教信者

登場作品
同時多発世界最終戦争(1971) ジョージ・アレック・エフィンジャー

解説
「あんたは例の親切教の信者だな、違うか?」と黒人はいった。「シンセツ」と彼女は日本語でいった。「そうです」
本文中で抜粋。
自殺関係の人物は日本人に割り振られるのか?。


トト・ヤマト

登場作品
遊星よりの昆虫軍X(1989) ジョン・スラデック

解説
あらすじはこちらを参照してください。
主人公の技術者としての腕を見込んで(誤認)接触してくる、ヤマト・コーポレーション社長。
奇人ばかりの登場人物の中で比較的マトモそうだが、世間知らずっぽい。
半ページ程出てきただけのザコキャラ。
「「ばあっ!」男はサムライ映画でしか聞いたことのないような音を出した。
今にもうめき声をあげて剣を抜き頭上でくるりと回すと、フレッドはその場でまっぷたつに生き別れ。
だが、そのかわり、男はクッキー包みをゴミ入れに押し込み大股で歩み去った。」

本文より抜粋。


番外篇1 ディックの『いたずらの問題』における22世紀の北海道は72年の終戦以来汚染により、生物の住めない世界になっている。
モフィットの『木星強奪』世界における日本は”スペースコロニー”計画に力を注いでいる結果、惑星間航行においては遅れをとっている。

鎌倉男爵

登場作品
高き城の男() フィリップ・K・ディック

解説
”翔鶴”が米西海岸に沈んだんだって、戦争に勝っても沈むのか(泣)。
ということしか覚えてません。

本来再読して紹介するべきですが、読む気力を奮い起こすのができなかったので。
ストーリーは裏表紙作品紹介より抜粋して紹介します。

「アメりカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、
通商代表部の田上信輔に平身低頭しながら商品を説明していた。
すべては1947年、第二次世界大戦が枢軸国側の勝利に終わった時から 変わったのだ。
ここ、サンフランシスコはアメリカ太平洋岸連邦の一都市として
日本の勢力下にある。
戦後15年、世界はいまだに日本とドイツの二大国家に支配されて
いたのだった!
第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に現実と虚構との間の微妙な
パランスを、緻密な構成と迫真の筆致で見事に描きあげ、」


訳者の浅倉久志氏も翻訳には苦慮されたらしく。
後書きにこんなことを書いています。
「ディックがどれほど日本人の描写に正確を期したとしても、われわれの目から見て違和感におそわれる個所がないわけでないので、訳者の判断で最小限の修正を加えたことをお断りsじておきたい。たとえば、日本の駐在大使の名前にkaelemakule男爵などというのが出てくると、どんな漢字を当てはめてよいのか、こちらは茫然とするばかり。考えあぐねて、結局いたって平凡に”鎌倉男爵”でお茶をにごすことにした。」


後藤伝吾

登場作品
クリプトノミコン CRYPTONOMICON(1999) ニール・スティーヴンスン

解説
あらすじはこちらを参照してください。
物語の日本サイドにおける主人公。
穴掘りの技術を持っているため、物語に関わりが出てきている。



石井、杉林、山村、渡辺、成田

登場作品
破局のシンメトリー Broken Symmetries(1983) ポール・プロイス

解説
あらすじはこちらを参照してください。
舞台となる研究所の大口出資者が日本の通産省なので、研究所長の石井松雄以下、その 秘書のミス杉林、研究者の山村茂樹、渡辺弘、成田梅太郎など日本人がたっぷり出てきます。
”義理”とか”恥”とか”100年前なら切腹していたろう””日本では酒に酔った上での行為は許される”など日本人のことを判っているのやら判っていないのやらわかりませんが。
違和感は感じません。
アメリカ人の主人公が同じくアメリカ人のある人物を「その国の一千年にもわたる伝統に自分の社会的慣習を押しつけても無駄だといってやりたい気がしたが、」と評しますが、著者の日本人を描くうえでの基本的スタンスもこれに基づいているため、多少の誇張も気にならないのではないかと思います。
なぜこの本に日本人が出てきたかですが、1983年当時の日本が経済的に大きな力を持っていたこともさることながら、このSFで構築される理論によって核兵器並もしくは凌駕する兵器を製造可能になること、そして、日本が被爆国であることがあるでしょう。
広島の記録映画を主人公が見る場面もでてきますから。


ムライ ハナコ

登場作品
暁のファーストフライト Firstflight(1987) クリス・クレアモント

解説
あらすじはこちらを参照してください。
主人公の同僚の宇宙飛行士、ミッションスペシャリスト
彼女の一家は先祖から他民族との混血が進んでおり、碧眼が特徴となっている。
主人公のニコルは一発で彼女を日本人と見ぬいたが、なぜ解った?ニコル?。
美人で頭がきれる。
美人はともかくとして、頭がいいのは、宇宙に出ているのだから当然で、彼女にかぎらず、全員の特質になっている。
海外SFには珍しくちょい役でなく、主要登場人物の役割なので、セリフも多い。
ありそうでなさそうな名前ですね。


日本軍パイロット

登場作品
Beyond Heaven's River(1980) グレッグ・ベア

解説
グレッグ・ベアの未訳の長編『Beyond Heaven's River』の主人公が日本人のようです。
以下『天空の劫火』の解説よりの抜粋です。
「第二次世界大戦中に異星人に囚われた日本の戦闘機乗りが主人公。彼は偽りの日本の過去を体験させられたあげく、数百年後の未来に放り出される。そこで宇宙帝国を牛耳る女商人と出会って……。」

シャールとダルリーン

登場作品
「背徳の惑星」The Wild Ones(1985) A・バートラム・チャンドラー

解説
ニュー・アリス星系でカンガルーから遺伝生物学的につくられた亜人類です。
なんでここに登場するかというと、「昭和五十二年の夏チャンドラー氏が日本にやって来た時、氏の東京でのスケジュールに一貫して付き合い、その甲斐甲斐しいサービスぶりに、「カバンに入れてオーストラリアまで連れて帰りたい……」と言わしめたふらりの日本の女性ファンがモデルになっているという説がある」(『惑星スパルタふたたび』の解説より抜粋)だそうなんです。
所でモデルとなったと噂されるこの二方ですが、ダーティペアのユリとケイのモデルとなった方ではないのかなあ?。
と思うのですが、どうなんでしょう?。


セイ子と鈴木トモ子

登場作品
「遥かなり銀河辺境」The Wild Ones(1985) A・バートラム・チャンドラー

解説
あらすじはこちらを参照してください。
著者のチャンドラーは晩年の日本旅行で良い想いでを作られたようで。
銀河辺境シリーズの終盤には日本人も多少登場しはじめます。
セイ子は日本人ではなく、透明なボディの女性型ロボットです。
地球一のロボットメーカー、セイコー製だからセイ子。
チャンドラーの来日当時に人気のあった歌手の松田聖子からとった名前かと思っていました。
元々主人公のグライムズの父親(小説家)が秘書用に購入したのだが、うまくゆかず、グライムズの母親がお手伝いロボットとして使っていたもの。
ところが、このロボットは不良品で言われたことだけでなく、そこから、どうすれば一番良いか自分で判断して行動するようになります。
それに我慢できなかった、グライムズの母親は、メーカーに送り返すことを主張します。
それに忍びなかったグライムズの父親はメーカーに送り返すふりをしてグライムズの所有船”シスター・スー”に送りつけます。
セイ子の大活躍が始まります。
一応、”ロボット3原則”の適用は受けているのですが、何が最善か自分で判断して行動してしまうので ”汗”。

鈴木トモ子”シスター・スー”の三等航海士。
こちらは、紛れも無い日本人で。
セイ子の良い友人となります。


サキオ・アクタガワ、セイイチ・キヨハラ、ヨシダ、タカハシ提督

登場作品
「火星の虹」MARTIAN RAINBOW(1991) ロバート・L・フォワード

解説
あらすじはこちらを参照してください。
タカハシ提督はアメリカを中心とする国連の火星進攻艦隊のうちの一隻「イースト・ウィンド」の指揮官です。
火星進攻は冒頭で終了するのでそれ以降は出番はありません。
セイイチ・キヨハラは火星植民者の中のレーザーの専門家。
サキオ・アクタガワは火星火山日本研究所長で日本人を中心とした火星のエリシウム・リドル基地司令官ですが、日本人達は途中で発生する地球の政治的騒乱の中帰還命令を受け地球に戻ります。
サキオは火星の人々の慰留を受ける中、日本政府の命令に従い火星を去りますが。
地球に戻っても火星を支援することを約束するのでした。
彼は日本ではなく火星を選びます。
火星に残留することを選ぶ日本人もいます。
若い火山学者ヨシダもその一人です。


キョーコ・アスパースンとコタニ公爵

登場作品
「エルトダウンの炎」HOUSE OF SHARDS(1988) ウォルター・ジョン・ウィリアムズ

解説
あらすじはこちらを参照してください。
キョーコもコタニも日本人名なので紹介しているだけで、この本世界は、人類は他の種族が支配する宇宙帝国の中の一部族に過ぎないのでXX人という言葉は出てきません。
二人ともかなり登場場面の多いキャラクターでした。
キョーコは(芸能?)リポーターで主人公の盗賊マイジストラルに一杯食わせるかというところまでいったのですが……。
コタニは貧乏貴族出身の吝嗇家、今では裕福らしいが、奥さんがマイジストラルと浮気しているのを知らずにいる。


タカユキ・タツミ

登場作品
「緑の少女」The Color of Distance(1995) エイミー・トムスン

解説
あらすじはこちらを参照してください。
主人公を異星に置き去りにして去ってゆく宇宙船に乗り組んでいる科学者達の一人。
それだけですが、SF評論家の巽孝之氏から名前をとっているという所が特記すべきところ。
なお、置き去りにしてゆく宇宙船の名前は”コタニマル”といいこの本の解説を書いている小谷真理氏からとった名前だそうです。


エザワ

登場作品
「緑の瞳」Green Eyes(1984) ルーシャス・シェパード


解説
あらすじはこちらを参照してください。
年配の日本と表現されているので、間違いなく日本人です。
人間を生きかえらせるプロジェクトのいちばん偉い人。
なぜ南米まで行ってこんな事に首を突っ込んでいるのかわかりませんが。
とにかく、学術面以外のことには全く興味がないのでした。
復活した人間が自殺しようが、「これで途中で活動を中断した状態を研究できるぞ」とさっそく調査を開始します。
典型的なマッド・サイエンティストですね。


モトオ

登場作品
「時空トーナツ」SPACETIME DONUTS(1981) ルーディ・ラッカー

解説
あらすじはこちらを参照してください。
世界を管理するコンピューターネットワーク「フィズウィズ」と脳を接続するエンジェルの一人。
会話中に禅の話を紛れ込ませるのが得意らしい。
ラッカーだからねえ、トラブル多発するんだけど、そんな中爆死します。


ジョージ・タケイ・ピケット

登場作品
「彗星の中へ」 Into the Comet(1960)アーサー・C・クラーク

解説
「祖母が日本人のジャーナリスト。
200万年に一度接近する彗星に対する調査隊が、彗星が立ち去りかけてから編成される。
タケイもジャーナリストとしてメンバーに選抜され調査ロケットディスカヴァリーに乗り組む。
太陽系の外へ向う彗星を調査中にロケットに搭載されたコンピューターの故障が判明する。
これでは、地球への帰投航路の計算が出来ない、調査メンバーは死を覚悟する。
タケイは日本伝統のある計算機を自作し、帰投航路を計算することを提案する。」

なぜ知っている、クラーク、日本伝統の計算機を。
イギリスには計算機が無かったのか?
この計算機の上に乗って遊んで怒られたのは私だけか?。


ミス・マツオカ

登場作品
「奇蹟の大河」THE DAY OF CREATION(1987) J・G・バラード

解説
あらすじはこちらを参照してください。
サハラの軍閥の根拠地近辺で活動している日本人カメラマン。
サハラ砂漠に大河が突然出現する、彼女にとり一躍名を揚げるチャンスだったはずですが、あっさり溺死してしまったのでした。
水の恐さを描写するために配置されたキャラクターだったようです。


カトー&イマイ

登場作品
「戦闘機甲兵団レギオン」LEGION OF THE DAMNED(1993) ウィリアム・C・ディーツ

解説
外人部隊が登場するので、その中で日本人名も登場する、ただそれだけ。


キョーコ

登場作品
「LIFE WORK」メアリー・スーン・リー

解説
英文なぞ読んだこともない人間が読んだのでどこまで理解できているのかわからないのですが、以下あらすじです。
キョーコはアポ無しで精神科の医者に会いにゆこうとしています、(いざ会ってみると「遅れましたね」とか言われて、「すいません」とか謝っているので、早くも誤読していたことが判るのですが)。
お医者さんには結婚相手を新しいのに変えたらどうかと言われて、「いやです」とか断っていると、今の結婚相手ではあなたを幸せにすることはできませんとたたみ掛けられ、首を振りながら「私は今でも幸せなんです」と医者の所を出るのでした。
医者の所では、キョーコは「日本の涼しい機械はよかったなあ」とか、おじいさんのことに思いを馳せていたりするので、日系人であることは確かです。
家に向う途中駅のプラットフォームで高校の時の知り合いに声をかけられて「覚えていません」とその人から離れたところに乗車したりして家にかえります。
家に帰ると夫のニコラスと"ハウスボット"のタケオがいます。
その後は、えーと、よくわからんのじゃよ。
タケオの代りに新しいハウスボットを買うことができるようになって、ニコラスが喜び、タケオが5本の腕を振りまわして怒っているのですが、そんじゃ新しい結婚相手に取りえた方が良いと言っていた精神科の医者のセリフはどうなっているんだ?。

キョーコが主人公なだけにいずれ翻訳される機会もあるかもしれないので、それを待とうと思う。
(02/05/23追記)
最後の部分だけ読みなおしたので、もうちょっとあらすじを書いてみます。
タケオはおじいさんから使っている古いもので、新しいのが買えると喜ぶニコラスの言葉を「本当にしなくていいのよ」とかキョーコがタケオに声をかけたりしています。
翌日キョーコがニコラスのプレゼントを買うために森(花屋)に行って物色していると、花の情報や値段などを表示するスクリーンが突然ニコラスの浮気場面を映し出します。( なぜだ?)
キョーコは顔つきも変らず、表面上は冷静さを保ちますが、家に帰ってきた時に。足でドアを閉めたり、タケオを蹴飛ばしたりしています。(怒っとる、怒っとるぞこの人)
キョーコは荷物をスーツケースに詰め、タケオについてらっしゃいと声をかけ家を出ていってしまうのでした。
そして離婚して終わります。
どこがSF?どこがSFなんだろう?、まさか”ハウスボット”が出てくるからSFだってことはないよね?。
きっと、何か読み落としているところにSFがあるんだ。
だってタネも仕掛けもない「夫の浮気がばれて離婚しました」なんてSFがこの世に存在するわけがないもんね。
それと「LIFE WORK」って題名が離婚話とどう関係あるのかも読解できませんでした。


ヨシダ

登場作品
『死者たちの星域』DEADMAN SWITCH(1988)ティモシイ・ザーン。ハヤカワ文庫SF

解説
作品あらすじはこちらを参照してください
艦隊司令官の名前としてのみ登場、 そもそも地球すら登場しない作品なので、日本人とは断定できないのですが、一応……


ジョージ・ヨリトモ

登場作品
『銀河の間隙より』ANYTHING YOU CAN DO(1963)ランドル・ギャレット。ハヤカワ文庫SF

解説
作品あらすじはこちらを参照してください
ヨリトモという姓であるところがちょっと変ですが、日系人と明記されています、
「先祖がかつて切腹をする習慣があった」と力説し始めた時には驚いてしまっいました。
異星人の行動が特異なものではないことを説明するためにこのセリフが必要で、
必然的にジョージも日系人となったのでしょう。

「心理学者」として地球に不時着して地球人を殺してまわる異星人ナイプの
思考パターンを正確に類推し事件解決におおいに寄与する。
重要な役柄です。
立場的に『宇宙船ビーグル号』のカリタ博士を連想してしまいますね。


ヒル・ヤマナカ

登場作品
「地を継ぐ者」INHERIT THE EARTH(1998) ブライアン・ステイブルフォード著。ハヤカワ文庫SF

解説
日系人、人類が長寿を達成しつつある22世紀の地球のインターポール警視。
仕事熱心な人なので、独自の行動をとろうとする主人公のデーモン・ハートにとってお邪魔虫でした。
この本の後の時代を舞台とする「ホームズと不死の創造者には”ミチ・ウラシマ”という人物が登場する、顔立ちが東洋系ということしか言及されていませんが、もしかすると日系人?でしょうか。


日本人観光客の団体

登場作品
「グリーン・マーズ」GREEN MARS(1994)キム・スタンリー・ロビンスン著。創元推理SF文庫

解説
日本人達が建設した火星の植民地”明日香”への列車の中での一光景。
向い合わせの席に固まり、おしゃべりしながらビデオ眼鏡であたりを見回している。
きっと自分たちの生活映画を一分残らず記録しているのだ。
誰もあえて見ようとはしない記録を撮っている。」
下巻P229より
どうも火星においても日本語で生活しているようです。


ヒロコ・アイ

登場作品
「レッド・マーズ」「グリーン・マーズ」GREEN MARS(1994)キム・スタンリー・ロビンスン著。創元推理SF文庫

解説
火星植民の「最初の百人の一人」途中で同調者と共に別行動をとり、隠れコロニーの指導者となる。
「アンはこれまでの生涯でヒロコとまともな会話を交わすことのできた試しがなかった。
ヒロコの意識はまったく異質で、口にする言葉の意味は一つ残らずまるで違っていて、エコシステム設計ではすばらしい才能を待っているにせよ、本当の意味ではまるで科学者などとは言えず、むしろ一種の予言者だった。」
グリーンマーズ上巻P238より。
とは言いましても、「最初の百人」全員が多かれ少なかれ変なのです。


イシモト一家

登場作品
「木星プロジェクト」グレゴリイ・ベンフォード著。ハヤカワSF文庫

ジョージオグミ

登場作品
「サターンデッドヒート」グラント・キャリン著。ハヤカワSF文庫

超音波兵器

登場作品
「海竜目覚める」ジョンウィンダム著。ハヤカワSF文庫

御投稿 TraJan様
解説
 こんにちは。NALさんの友人のTJと申します。
 最近、SFに限らずあまり本を読まなくなったのですが、以前に読んだ本に登場した日本人あげてみます。すでに出ているのかもしれませんが。
 「木星プロジェクト」ベンフォード著:イシモト一家
 「サターンデッドヒート」グラントキャリン著:ジョージオグミ
 では、趣向を変えて、SFに登場する日本製品を挙げてみましょう。
 「海竜目覚める」ジョンウィンダム著:
 物語の最後に超音波兵器が登場しますが、これが日本製です。この物語の設定では、海面が数十メートルも上昇しており、当然東京は海の下になっているでしょうから、これはおそらく諏訪あたりの精密機械工場で開発されたのだと思っています。

 「失われた世界」ACドイル著:
 チャレンジャー教授の部屋に日本製の「灰皿」が登場します。


NALのコメント
TraJanさん、こんにちは。
「木星プロジェクト」は読んでないので、いずれ読む機会があれば別途紹介させていただきます。
「サターンデッドヒート」はTraJanさんに紹介されて読んだ本なのですが、日本人でてましたっけ?その辺はすっかり忘れてました。爽快感のある話だった記憶があります、少年は気の毒ですが。
暴走野郎のホームページのこじまさんがこの本をとても大好きなのでリンクを貼っておきます。よろじかったら読んでみてください。

暴走野郎のこじまさんのサターンデッドヒートの書評

「海竜目覚める」は終戦後10年も経過せずに書かれた本にしては日本人に良い役が割り振られていたので記憶に残っています。
TraJanさんが最も好きなSF作家ですね。

「灰皿」は田中光二の「ロストワールド2」なら読んだことはあります。つまらなかったです。そのせいでオリジナルをよんでいませんです。

(2001/12/04)TraJanさんよりさらに追加コメントをいただきました。
以下にご紹介します、重ね重ねありがとうございました。
 NALさん こんにちは。 「木星プロジェクト」読んだのがかなり前でうろ覚えですが、イシモト一家は宇宙基地に和室を持ち込むほどのバリバリ日本人です。 「サターンデッドヒート」のジョージオグミはスペースホームの社長です。名前だけでは判断できませんが、たしか「日系」ということが書かれていたと思います。 >「灰皿」は田中光二の「ロストワールド2」なら読んだことはあります。つまらなかったです。そのせいでオリジナルをよんでいませんです。  田中光二はよほどLWが好きなんでしょうね。私も好きですが、LW2はあまりお勧めしません。LWは90年も前に書かれた小説ですから今の目から見ると、ありきたりな印象はあるかもしれませんが、私には何か引き付けられるものがあります。  そう言えば、あまり知られていませんがLWの続編はドイル自身が書いています。「毒ガス帯」と「霧の国」がそれです。まあ、内容的には続編ではありませんが、登場人物は同じです。LWが気に入った人にはお勧めです。

田中トシロー

登場作品
「大西洋横断遠泳」イアン・ワトスン著。ハヤカワSF文庫「スロー・バード」所収

御投稿 加藤隆史様
解説
背中には刺青、額には神風の鉢巻をしめ、水の抵抗を極限まで減らすべく、両耳を切り落とした"禅スイマー"。 アメリカ、ロシア、中国の強豪たちを相手に回し、出場するのは「大西洋横断遠泳レース」。 第三世界救恤のために企画されたスポーツ大会は、しかし、いつしか国家の威信と通貨価値をも左右する政治の場と化していた……。  ……イアン・ワトスンは、イギリスの作家ですが1960年代後半ごろには日本に住んでいて、その異郷体験がSFを書くきっかけの一つになったと語っています。だから日本通とまではいかなくても、結構、こっちのことは分かってるはずなんですが……。  まあ、この作品の場合、他国の連中も似たりよったりですけどね。  ワトスンの短篇集は今のところ日本では、この1冊だけですが、SFマガジンに載ったきりのやつや、他のアンソロジーに書かれているのも含めて、また日本のオリジナル短篇集が出ないかなあ……(無理か)

NALのコメント
この短編を読んだ時に「素晴らしきヒコーキ野郎」という映画で、フランス製の胴体とアメリカ製の翼とイギリス製のエンジンを組み合わせれば日本のヒコーキ出来上がりとやっていたのを連想してました、内容はまったく違いますが海(海峡)横断で選手に日本人が出ていたので連想しただけですけど。
ワトスンの短編集は私も出て欲しいと思います。「スローバード」よかったからですねえ。



国吉 真理

登場作品
ブルース・スターリング「美と崇高」(The beautiful and the sublime)

解説
「優雅な色恋沙汰を演じる上流階級の人々」のうちの一人。
21世紀後半の豊かな世界の中、人々の価値観は技術者達の仕事に重きを置かなくなっていた」
国吉 真理も例外ではありませんが、日本人魂ゆえに笑い者という言葉には敏感のようです。
最近の日本人は恥知らずな人もけっこう多いような気がするんですけど・・・。


ヨシバ・チヨコ

登場作品
マイクル・ビショップ「樹海伝説」

解説
古学者で辺境の惑星ボスク・ヴェルトの考古博物館の特別収集室の管理人。
日本人とオランダ人の混血の中年女性。
どっしりした体格、おどろくほど穏やかな美しい顔。
人類学者エレジー・キャザーに対して「樹海に棲む霊長類アザディ族のパゴダより収集した「高度な文明の存在を示すアイ・ブック」を見る便宜を図ってくれる。
主人公(もしくは狂言回し役の)人類学者トマス・ベネディクトの上役的 存在でもあり、彼の経験が浅い時には彼の仕事をとりあげ 自ら処理したこともあったが、エレジー・キャザーがやってきた時点では友人同士でもある。


福沢諭吉/森有礼/長沢鼎、他

登場作品
ウィリアム・ギブスン+ブルース・スターリング『ディファレンス・エンジン』(THE DIFFERENCE ENGINE)

御投稿 好古真之様
解説
 1855年、蒸気コンピュータによる産業革命を迎えたロンドン。
 ロマン派詩人バイロンはトーリー党のウェリントンを破って英国首相となり、カール・マルクスはマンハッタンで共産主義コミューンを築き上げ、日本の留学生たちは蒸気コンピュータの輸入に走り回る。
 サイバーパンクの教祖と扇動者による、スチームパンクSFより。
 (キム・ニューマン「ドラキュラ紀元」(創元推理文庫)流の、歴史改変ものと言うべきかな? あるいは「スーパーロボット大戦」とか)
 「明六社」の福沢、「学制」の森、「葡萄酒王」の長沢と、いずれ劣らぬ「その後の有名人」ですね。

BGM:「時代はかわる」ボブ・ディラン

NALのコメント
以前読んで感想を書いてあるのですが作品内容をまったく理解できていなくて無茶苦茶書いてありますね。
あの日本人達は「蒸気コンピュータの輸入に走り回る」っていたのですか、全然気付いていませんでした、お恥ずかしい限りです。


山崎

登場作品
ウィリアム・ギブスン著「ヴァーチャル・ライト」(VIRTUAL LIGHT)

解説
近未来のサンフランシスコ・ベイブリッジはブリッジ・ピープルたちに占拠されるようになっています、橋にコンテナハウスやトレーラを無秩序に吊るして住んでいるため、橋は奇怪な景観をさらしています。
山崎はその橋を研究するために大阪よりやってきた研究者です。
山崎は以前紹介した続編の「あいどる」にも登場します、
特に際立った特徴のないぶん、「ヴァーチャル・ライト」でも「アイドル」でも存在感はあまりないんですが、一応「ヴァーチャル・ライト」はコーヒーショップの前に並んで順番を待つ彼の姿で幕をひきます。



マエジマ

登場作品
ジョー・ホールドマン著「終わりなき戦い」(THE FOREVER WAR)

解説

異星人トーランとの誤解に端を発する不幸な接触により戦争が勃発し、地球では国連探検軍が編成され、IQ150以上の男女各50人が世界中から集められた。彼女はその中の一員です。
実のところ日本人かどうかはわかりません、そもそも国連が実質的な地球の首都とされるこの作品では国家の概念は希薄です。
名前からすると日本人系統の人物らしいのでむりやり紹介してみました。
みんながマエジマには熱をあげているそうで、かなりの美人らしいのですが、美人薄命の意味を取り違えたような運命をたどり、訓練中にミサイルの破片を浴びて、肉片と化します。
実際行き過ぎた訓練がこの作品内で行われており、現実の戦争相手”トーラン”との戦いより訓練の方がよほど多量の死者を出しています。
戦場に赴くまでのウラシマ効果によって、地球とト−ラン側の軍事テクノロジーはシーソーゲームが続くのですが、トーランのテクノロジーが優位に立っている時でさえも訓練時の方が過酷な印象があります。
なお作中に出てくる部隊の編成表中にクロサワやユカワという名前があります。名前から日本人の気配はありますが、既に書いたように、国家としての日本が存在するかすら不明なのではっきりと日本人とは断言できません。


機関科将校鬼広拓

登場作品
A・E・ヴァン・ヴォークト「休眠中」(Dormant)
短篇集『終点:大宇宙!』(DESTINATION:UNIVERSE!)  に収録
御投稿 好古真之様

解説

 著者あとがきより引用すると「太平洋で日本海軍の残留物資の断片を回収している駆逐艦が、ある状況に遭遇し、つかのまではあるが、世界の注目を浴びる。すべてが終わってみると(以下略)」という話。
 その「状況」より九年前の、一九四一年の初春。物語の舞台となる太平洋上の島(開戦前だから、場所は旧ドイツ領の南洋諸島?)に、重油とガソリンの地下タンクを作りにやってきた日本人のひとり、それが鬼広拓(おにひろたく)。機関科将校ということは、階級は少尉くらいでしょうか?
 ほとんど「通行人A」並の扱いなので、くわしい人となりは分かりませんが、「非軍事的活動を容認しない政府に使える臣民」とはいえ、外見上はただの岩にしか見えないであろう「イーラ」に好奇のまなざしを注ぐくらいですから、単なるコチコチ頭の軍人ではありますまい。
BGM:「I AM A ROCK」サイモン&ガーファンクル
NALのコメント
休眠から覚めちゃう話ですね。一人称怪物物が得意なヴォークトの本領発揮な話でした。
鬼広拓についてはもうすっかり忘却の彼方でした。
日本兵で思い出しましたがTVドラマの『原子力潜水艦シービュー号』にも日本兵が登場したのを思い出しました。こちらの人はかなり頭がこちこちだったような気がします。


コムラ ミチコ

登場作品
ロバート・J・ソウヤー著『フラッシュ・フォワード』(FLASHFORWARD)

解説

「全人類が自分自身の21年後の姿を体験した時、彼女が見たものが自らの娘の姿だった。
そして現代における同時刻、8歳になる彼女の娘タミコは意識が未来に飛んでしまった運転手が運転する自動車に轢かれ、事故死してしまう。
日本の企業の派遣社員として、ヨーロッパ素粒子研究所に勤めている35歳。
東京で会社の重役つとめている男と結婚してたが離婚している、そして彼女には新しい彼氏のロイド・シムコーがいて、結婚を考えている。」

主人公格の役割です、ソウヤーの作品に登場する多くの夫婦の例に漏れず、夫婦仲がうまくいってないのですが、なぜこんなに破局状態の夫婦ばかり描くのかと思っていたら、ソウヤー自身の夫婦関係はいたって円満だそうで、円満だからこそ、小説中の夫婦仲はギクシャクした姿に書けるのかと、納得してしまいました。
彼女自身は変じゃない日本人の典型的な姿じゃないでしょうか。
ちなみに21年後の日本の姿が垣間見得たために、日本の経済状況はますますひどい状況になっていくようです。まあそれでも「JEM」における日本の姿よりはましですね。

2045年の日本人

登場作品
ブライアン・オールディス著『リトルボーイ再び』(Another Little Boy)SFマガジン1970/2掲載

解説

題名でわかるのですが、(直接広島市民の描写はありませんが)広島に再び核爆弾が落とされてしまいます。
何故落とされるかというと、お祭りの見世物のため。
全世界で唯一反対した日本政府の反対虚しく決行、日本人以外の全人類にとり史上最大の見世物であると意見が一致し、好評のため第2弾も実行が決まる。
作家としても、評論家としても質のいい仕事をこなすオールディスですが、こういったモラルの持ち主でもあります。
この短編自体はたいした出来ではないと思います。題材ゆえに翻訳されたんでしょう。
豊田有恒がこの作品に対して『プリンスオブ・ウェールズに捧ぐ』という小説を書いていますが、こちらも、豊田有恒の水準からすれば、たいした出来ではないと思います。

魅力的なニッポン娘(エレベーター・ホステス)

登場作品
フリッツ・ライバー著『あの飛行船をつかまえろ』より

解説

端役ですが、一応全員紹介を目標としているので。
「彼女のにこやかな。だがニッポン人特有の感情のともなわない笑顔は、ドイツ人の合理主義一点張りの理屈っぽい話しかたとは好一対であるが。しかし、後者の底流にある温かみと情熱とを欠いている。」
こう言われるのは心外であります。
(2001/05/12)

イエヤス

登場作品
フィリップ・ホセ・ファーマー著『わが夢のリバーボート』より

解説

徳川家康のことです、ファーマーのリバーワールドシリーズは有る惑星を巡る大河の両岸に全ての人類がよみがえる設定の小説ですから、当然全ての日本人も復活します、あなたも、私も。全員同一条件で復活してきたのですが、時間の経過と共に地域毎にリーダーシップを取る人物も出てきます。『わが夢のリバーボート』においては主人公のマーク・トゥエインとジョン王。そしてイエヤス、やアーサー王はその近くの支配者としてマーク・トゥエイン達に圧力をかけてきます。得体の知れない蛮族の長的な印象の役割でした。


小笠原教授

登場作品
ジェイムズ・P・ホーガン著
『断絶への航海』
御投稿 SUG様

解説

『断絶への航海』ホーガンに出てくる、(本筋とは関係無い)東京科学大学の教授。 (架空の)量子論で荒御魂と和御魂からとってクォークに、「アラオン」「ニギオン」と名付けるが、同時に同じ理論を発見したスタンフォード大学側の命名した「アリスねた」の前に「アラオン」「ニギオン」の呼び名は廃れてしまう。
また、本作は恒星間移民もので、先発の遺伝子情報をもとにクローン培養された人類と後発の生物学的発生をした人類の違いから移民テーマを書いています。
ワクワクすることが出来た頃のホーガンの作品で、現在も入手可能です。

NALのコメント
一度に3名ものご紹介をいだたきありがとうございます。
こんな人も出てきていたんだなあと、一瞬思いましたが。思い出しました「荒御魂」と「和御魂」で、いました、いましたそういう教授が。
星野之宣の「2001夜物語」のワンエピソードもこれに触発されて書かれたのでしょうね。


ミツコ・タムラ

登場作品
R. S. マッケンロー著
『ソーラー・フェニックス』
御投稿 SUG様

解説

かなりマイナーな作品ですが冒険SFというかスペース・オペラというか悩んでしまう『ソーラー・フェニックス』R. S. マッケンローの宇宙貨物船「ワイルド・グース」の機関士。
百戦錬磨の中年船長や、ハード・ワイヤードの元特殊部隊員のパイロットと共に登場。
SFの女性主人公には珍しく(?)極度に内向的な正確ですが、それにはわけがあり、高度のテレパス能力を持つため、他人のアンダーグラウンドな思考に対する防御なんです。
こんな3人の船が、ふとしたことから「ベータ・トリガー」という恒星をつくる装置(当然、破壊兵器ともなる)を運ぶ事となり、<組織>とかも絡んでくるなかなかの佳作です。
この<組織>は能力者を集め・教育し、種々の工作に派遣する組織で、そこから逃げ出したミツコも、この事件で再び組織から接触を受けます。シリーズ化しても良かったと思うくらいの作品ですので、機会があれば是非お読みください。

NALのコメント
日本人(日系人)の主人公というのも珍しいですね、他にはデクストロII接触の高橋恵子とキャッチ・ワールドの田村艦長さん(この人もタムラだ!)ぐらいしか知りません
なかなか面白そうな本ですね、ご紹介いただくまではイメージ的には飛べフェニックスだったのですが、いずれ読んでみたいと思います。


シロー

登場作品
E. E. スミス著
『スカイラーク』シリーズ
御投稿 SUG様

解説

現在、全4巻のうち3巻目を読んでいますE. E. スミスの『スカイラーク』シリーズから。
主人公の物理科学者リチャード・シートンの相棒にM. レイノルズ・クレインというのがおりまして、このクレインは探検家・考古学者・ロケット研究家・億万長者なのですが、このクレインの使用人がシローです。執事と言うほど地位は高くない様ですが、その後の冒険にもシートン夫婦・クレイン夫婦とともに「料理人として」乗り組んだりもする脇役です。
残念ながら(3巻目の初めまでで)あまり目立った活躍はありません。
第1作の『宇宙のスカイラーク』が書かれたのが1928ですから、日本からの移民第1世がイメージされているかと思われます。

NALのコメント
けっこう、あちこち顔を出しているものですね、日本人(日系人)。E. E. スミスの本は一冊も読んだことがないのですが、探検家・考古学者・ロケット研究家・億万長者とは忙しい人ですね、億万長者だからこそ実現できることかなあ。



ヒカル・スールー(ズールー、カトー)

登場作品
スタートレック
御投稿 司書の駄弁者様

解説
 「スタートレック」(日本放映題名「宇宙大作戦」「宇宙パトロール」)に登場。航宙艦<エンタープライズ>の主任パイロットで、階級は大尉。ついでながら出身は地球・サンフランシスコ、惑星ガンジツ育ちとのこと。私は小説から入ったもので、NALさんとは逆にスールー(ないしズールー)の方がなじみが深いです。  確かにTOS(The Original Series・元祖スタートレックを指す)ではあんまり活躍シーンがありませんね。たいていは「了解、ワープ1」とか「操舵不能!」しかセリフがなかったように思います。たまにエピソードにからんだと思ったら、「魔の宇宙病」で、妄想性の宇宙病にかかって自分を「三銃士」のダルタニャンと思いこみ、リシュリュー(に見えたカーク艦長)に斬りかかったり、「パイリスの魔術師」ではあっさり敵の洗脳にやられてしまったり。  けど映画版ではかなり活躍していますね。「スタートレック3・ミスター・スポックを探せ」時点ではすでに大佐に昇進していますが、新鋭艦<エクセルシオール>艦長の座をなげうって、カークが艦隊の命令に背いてスポックを救出しようとするのに協力します。ヴォンダ・マッキンタイア著のノヴェライズは、このときのスールーの葛藤を細かく描いていて良。  「スタートレック4・故郷への長い道」では他のレギュラーメンバーと共に20世紀の地球にタイムスリップ。ここで5代前のご先祖と対面する…というシーンがあったらしいのですが、時間の関係で割愛されたそうです。残念。  そしてTOS最終作「スタートレック6・未知の世界」では<エクセルシオール>艦長として登場。敵の攻撃を受けた<エンタープライズ>の窮地を救うという、たいへんおいしい役どころでした。  その後も<エクセルシオール>艦長として多くの業績を残した…ということになっています。この時期のスールーと<エクセルシオール>を中心にしたSTシリーズを作ってほしいとの運動もあるとか。ちなみに「スタートレック・ヴォイジャー」レギュラーのヴァルカン星人・トゥヴォックは若い頃スールー指揮下で任務についていたという設定で、それを元にしたエピソードも「ヴォイジャー」中に出てきます。  …しかし、一応「日系」という設定ではありますが、スールー自身には日本的あるいは東洋的な性格はあまり見られません。「スタートレック」での東洋趣味はおおむね異星人キャラが担っていて、地球人キャラクターはみんなアメリカ人的なように思われます。

NALのコメント
詳細な解説ありがとうございます。 ブリッシュのノベライズはかなり出来がいいので、読んでからテレビを見ると、あまりのチャチさにけっこう驚かされた事があります。



カリタ

登場作品
A・E・ヴァン・ヴォクト著
「宇宙船ビーグル号」The Voyage of the Space Beagle
御投稿 ssb様

解説
学術調査目的で宇宙を旅する「ビーグル号」に襲いかかるエイリアンたちと 科学者たちの死闘を描いた古典的名作の本書。
カリタは考古学者で、主人公のグローヴナー博士の良き理解者でもある。
第二章では、彼の持論である「周期学説」による分析が 問題解決に重要な役割を果たすという、けっこう「いい役まわり」を もらっていました。
ストーリー的には、やはりエイリアンの描写が印象に残ってます。 “化け猫”クアールや“赤い悪魔”イクストルとか。

NALのコメント
ssb様と好古真之様によると早川書房版ではカリタ、東京創元社版では 苅田と表記されているそうです。
NALはこの本が一番最初に読んだSFの本なので、懐かしいです。


高橋恵子

登場作品
マイクル・ビショップ&イアン・ワトスン著
「デクストロII接触」Under Heaven's Bridge

解説
この本は日本人の高橋恵子が主人公という(このコンテンツにとっては)たいへん貴重な作品です。作者の一人イアン・ワトスンが日本で大学の講師として住んでいたこともあるのが大きいのでしょう。
原題を直訳すると「天の浮橋」で、惑星オノゴロ(イザナギとイザナミがはじめに創造した島おのころ島にちなんで恵子が命名)での異星人とのファーストコンタクトが主題のSFです。
物語の最後は京都の三十三間堂で終わるぐらい、日本に縁の深いSFなので、異星人カイバーも日本に関係あるのでは、と思うのですが、どうなんでしょう。
SFマガジンのSFスキャナーでは高橋圭子と訳されていました。


グウェニー・モリ

登場作品
ジョン・バーンズ著
「軌道通信」ORBITAL RESONANCE(1991)

解説
ヒロインのメルポメネーが住むのは、太陽をめぐる軌道上にある小惑星を改造した宇宙線”さまよえるオランダ船”、この巨大船はニホンアメリカ社(NAC)の所有なので、日本人もかなり多いとおもいきや、おりません、全然・・・、いや、日本人らしい名前がいなかった記憶はあったので、さぞかし珍妙な名前が沢山出て来るだろうと期待していたんですが。
日本語コンペを三人の日本人を含めた全員と行うといった記述が出て来るので、同級生(13歳の学生さんです)には三人の日本人がいるようです、クラスの中で日本人らしい名前を無理矢理探すと、グウェニー・モリがいるのですが、本当に日本人かどうかは???。
あとニワラという先生が出てきますが、このひとはどうか、無理矢理漢字を当てはめることはできそうですが。
日本人という記述が出て来るので、まだ国籍は有効な様ですが、”さまよえるオランダ船”にて国籍が意味をなさなくなるのは、近い将来すぐにやってきそうです。


巌魑庵

登場作品
ハワード・ウォルドロップ著
「不動の人間山岳巌魑庵」Man-Mountain Gentian

解説
今世紀(21世紀)が幕をあけるとすぐ、関取の中に指一本ふれずに相手を投げ飛ばしていることがわかった結果、成立したのが「禅相撲」
巌魑庵はその横綱です。身長一九七・六センチ、体重二百キロ、相撲取りになって六年、横綱になって二年、年齢二十三歳にして、既に引退を考えている、夜寝る時は建築用ブロックを枕とする。
妻の名はメリッサ、甥の覇理は冬季リトルリーグの三菱ゼロズの選手

著者のハワード・ウォルドロップは「みっともないニワトリ」の作者として記憶している人も多いでしょう。「みっともないニワトリ」同様この「不動の人間山岳巌魑庵」も作品の基礎を著者の深い知識がうまく支えています。
そのぶん現実の相撲(この作品内では伝統相撲と呼ばれています)と大差ないともいえますが、菜食主義の相撲取りの目の前でハンバーガーを食べてみせたり、ユーモアもかいまみえます。
覇理がホームランを打つ所が好きだな、どうやって打つかは、実際に読んで確かめてくださいね。
2001/02/01追記、ホームラン打つ所はそもそも何のためにスポーツやるかわからなくなる方法で打つので、読んだ人は反感を持つかもしれないのであしからず、私が良いと感じただけなので。


"あいどる"の世界の東京市民

登場作品ウィリアム・ギブスン著「アイドル」
解説
人気バンドロー・レズの片割れがヴァーチャル・アイドルと結婚すると言い出したため事の真偽を質すべくファンの一人チアが東京に向かった、あと一人主人公がいるんですが・・・、まあ要するに舞台は近未来の東京です。
この東京は大地震で一回壊滅しているらしく、そのあとに新たに建設された都市らしいんですが、その建築物はナノマシン(要するにナノメーターサイズのロボットです)によって作られたらしく、なおも海を埋め立て拡張中、というか現在の中心はその海に向かって拡張されていった部分らしい。
皇居はそのまま残っているみたいなんですが、みな興味はないらしく、天皇家はどうなっちゃってるんでしょうか。
多くの人は風景として現れるだけですが。まあ違和感なしです、現在から近未来にかけての日本人を描いたSFの中でもっとも違和感のないものなのではないでしょうか。
出てくるのはホテル、タクシー、飲み屋などなど。「アイドル」を読んで近未来の東京観光をお楽しみください。
途中で食べるラーメンはとても不味そうだったです まる
ギブスン来日時に美味しいラーメン食べさせてもらえなかったんじゃないかなあ。

カナシマ博士

登場作品 ピエール・ブール「カナシマ博士の月の庭園」
解説 これは読んでないので以下「SF万国博覧会」北原尚彦著より抜粋

「ナチス・ドイツのもとでロケットの研究をしていたシュテルン博士。彼の夢は月への人類到達だった。彼がアメリカへ移住してからも研究は続けられる。そして米ソのあいだで激しい競争がおこなわれた。だが彼らの思いもつかなかった方法で月面一番乗りを果たしたのは、日本人カナシマ博士だった!ネタを明かしちゃうと、帰りを考えない「カミカゼ」だったんですね。」

おーそうか、すごいなあ。1965年の二見書房刊ということなので、読めないだろうなあ。「カミカゼ」って言葉が、文中に実際に出て来るのか、北原氏が解説にこの言葉を使ったのか、とても気になりますね。 なお、「SF万国博覧会」によるとピエール・ブールの「E=mc2」にも日本人が登場するそうです。こちらも持ってないので読めません。

なお「SF万国博覧会」の見出しには「ピエール・ブール」は日本がお好き?とあるんですが、多分そんな事はないんですね。
この件については、いずれ、「猿の惑星」の猿の項で書きます。

岡部健二

登場作品 フィリップ・ホセ・ファーマー「リバーワールドシリーズ」
解説 旧日本海軍の戦闘機搭乗員

岡部健二さんの登場するリバーワールドシリーズは「果てしなき河よ我を誘え」「わが夢のリバーボート」 「飛翔せよ、遙かなる空へ」「魔法の迷宮」の4巻が翻訳されており、「魔法の迷宮」に登場します。 4巻目の訳者の解説を引用すると、「時代は未来、どことも知れぬ惑星の話。北極海から流れ出して惑星の表面全体をジグザクに蛇行して、また北極海 に還流する一つの大河があり、その河岸に、地球の旧石器時代の原人から ホモサピエンスの最後の一人まで(地球人類はすでに絶滅している)、 全人類が一人残らず復活して暮らしているという、途方もない物語 −−これがリバーワールドシリーズです。作中人物(つまり歴史上の 実在の人物)の何人かが、人間の本能ともいえる探求心と闘争心を発揮して 、いったい、だれが、何のためにこんなことをしたのか、という疑問を 解くべく、北極海の真中にあるという<大聖盃>つまり<暗い塔>を 目指して、しゃにむに溯っていきます。」 と書いてあります。
2巻において、サミュエル・クレメンス(「トムソーヤの冒険」の作者の 本名)は、やはり<暗い塔>を目指すため仲間と一緒に外輪船を建造しますが、その仲間の一人ジョン王(1200年頃のイギリス国王)の一派に 完成した外輪船を奪われてしまします。3巻以降でサミュエル・クレメンス はもう一隻の外輪船を建造し、ジョン王を追いかけはじめますが。 この時点でサミュエル・クレメンスの目的は河の探索でなく、ジョン王への 復讐が主目的となっています(河の探索を行っている登場人物も他にいる) 4巻において、ジョン王とサミュエル・クレメンスはそれぞれ2機の飛行機を 完成させており、空戦がおこなわれます。サミュエル・クレメンス側の 搭乗員はジョルジュ・ギヌメールとウィリアム・ジョージ・バーカー 、ジョン王側の搭乗員はケンジ・オカベとヴェルナー・フォスです。 結果は四者の相打ちとなって終わります。

ケンジ・オカベについては 「第二次世界大戦中は帝国海軍の上飛曹で、日本の最も偉大な戦闘機乗り の一人であった。かれはビスマルク諸島のラバウル上空で、一日に米軍機 七機撃墜という海軍の最高記録を樹立した。だが、ソロモン群島の ブーゲンビル上空で敵の爆撃機を攻撃しているときに、高々度から急降下してくる米軍機の不意打ちを受けた。米軍機はかれの零戦の片翼を吹っ飛ばし、 炎上させた。オカベは火達磨になって落ちていった。」 と紹介されています。

手元にある「日本海軍戦闘機隊 秦氏、伊沢氏、共著」のエース列伝に 掲載されている、岡部健二氏の項の記述とは、相違がありますが。 (特に戦争を生き延びていない所) このケンジ・オカベが岡部健二さんの事なのは、間違いないと思います。 どこで作者のファーマーが名前と経歴を見つけ出したのか、気になって います 以下「日本海軍戦闘機隊からの抜粋」 1回の空戦で8機(うち不確実3)の公式記録を持つエースである。 大正4年福岡市に生まれ,修猶館中学を卒業して海軍に入団,昭和12年11月 38期操練を卒業し,佐伯,大村空を経て13年7月12空に転属して支那戦線に 出動したが,空戦の機をえなかった。太乎洋戦争開戦直前に翔鶴乗組となり, ハワイ攻撃では母艦直衛に当たった。17年4月9日トリンコマリ上空の空戦が 初陣で,ハリケーン2機を撃墜した。5月8日の珊瑚海海戦では上空直衛の 任に当たり,急降下点で米艦爆群を待ちうけて次々と8機を撃墜したが, 母艦の被爆で着艦できず,着水して救助された。18年7月再び翔鶴乗組となり, 11月1日ラバウルに進出,2日の大空襲迎撃をふくみ数回の迎撃戦に参加した。 その後大村空に,19年7月新設の634空に転Lたが,もはや乗るべき空母はなく, 10月捷号作戦の発動により,陸路沖縄,台湾を経て比島に進出,レイテ作戦に 参加したのち,年末に本土へ引きあげ,601空で終戦を迎えた。理論家肌で, 特攻反対を公言していた激しい性格の名手であった。撃墜機数15機。

長いですね、岡部健二さんの親戚の人から問い合わせが来たので、 その返事をそのまま流用したんです。


クモ型異星人

出現地 ロバート・A・ハインライン「宇宙の戦士」早川文庫SF

日本人ではないのですが、特別に登場してもらいました。 クモ型異星人の文明と接触した人類はこの異星人と 戦争するわけですが。 遂に最後まで理解しあう事はありませんでした。 さて、このクモ型異星人、多分日本兵をモデルにしています、 地中から突然湧き出して来て攻撃してくるクモ型異星人は ジャングルから湧いて出てきて、バンザイ突撃してくる日本兵や 洞窟陣地に篭もって戦う、硫黄島やペリュリューの日本兵の姿が だぶってみえます。(あくまで米兵から見た日本兵ですが) 民間人を盾にして攻撃してくるクモ型異星人を見ていると、 複雑な気持ちになるのですが。
それと、このモデルが日本兵というのは、私の頭から出てきた ものではなく、どこかの本に書かれていたのですが、どこに書いてあったのかわかりません。

2000/1/12追記
SFマガジン2001年2月号の人間廃業宣言 友成純一著の文章中に以下のような記述がありました。映画スターシップ・トゥルーパーズについての解説です「原作はハインラインの五九年の小説。SFファンにはお馴染み「宇宙の戦士」だ。ベトナム戦争が始まったばかりだった当時、本作はベトナム戦争のプロパガンダ小説と呼ばれていたと聞く。トンネルの中から姿を見せ、数にまかせて群がってくる昆虫宇宙人たちは、すなわちベトコンだ。頭脳に相当する昆虫が一匹いて、それに他の昆虫が煽られているなんて、資本主義における共産主義観が滲み出ている」
そうだったのか???と一瞬焦りましたが。トンキン湾事件が発生してベトナム戦争が発生したのが1964年だったのを考えると、いくらなんでも、この解釈には無理があります。
やはり、モデルは日本兵だと考えるのが無理がないのではないかと思います。

ミスター・カトー

出現地 テレビドラマ 「宇宙大作戦」
コメント
ミスター・カトーが日本での放映時でのみの名前で本当はスールー という名前の東洋人だという事はわかっているのですが、 子供の頃からずっとカトーという名の日本人だと思い込んでいた もので、今更その先入観を消し去る事はできません、 小説版宇宙大作戦を読むときにも、わざわざスールーを ミスター・カトーと置き換えて読んでいる位で。 レギュラーではあるのですが、活躍シーンがあまりない のは残念ですね。 ---------------------------------------------------------------------
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