2003年8月の読書感想


書名 魂の駆動体
著者 神林長平
出版 ハヤカワ文庫JA(2000/3/15)[単行本1995]
分野 SF


くるま好きにはたまらない小説かもしれない。
自動車にほとんど思い入れがない私でも、血が踊る思いをしたから。
でも、その道の濃い人は鼻であざわらうかもしれないなあ。
その道を知らないのでわかりませんが

僕の前の愛車今頃どうしているのか?(←スクラップだってば、今まで忘れていたくせに)。
+1

書名 ギャラクティックの攻防
原題 Patriarch's Hope(1999)
著者 デイヴィッド・ファインタック
訳者 野田昌宏
出版 ハヤカワ文庫SF(2000/09/30)
分野 SF

シーフォート、あんた60過ぎても罰点1とか腕立て伏せ100回とかやってんだねえ。
偉い人の関わることじゃないってば。

なんかやっぱり1巻が一番面白かったなあ。
-1.5

書名 低く飛ぶ鳩
著者 谷甲州
出版 徳間文庫(1990/6/15)
分野 ミステリ

なんだヤクザ小説かと落胆したのだが、さすがは谷甲州、地味な題材を面白く読ませる力量が発揮されていて、思わず引きこまれてしまった。

-1


書名 第二次世界大戦のSBDドーントレス部隊と戦歴
原題 SBD Dauntless Units of World War2(1998)
著者 バレット・ティルマン
出版 大日本絵画(2003/8/9)
分野 軍事

題名通りの本、読めば色々得るところもあるでしょう。


書名 バルバロッサのプレリュード
著者 マクシム・コロミーエツ、ミハイル・マカーロフ
出版 大日本絵画(2003/9/5)
分野 軍事

独ソ開戦時の独ソ両軍の戦力状況を豊富な写真と共に紹介している。
その道の人が泣いて喜びそうな情報が満載っぽいのだが、
私は何が書かれていたかもう忘れている。


書名 赤道南下
著者 海野十三
出版 中公文庫(2003/7/25)
分野 軍事

海野十三です、あの日本の古典SFの著者として有名な方です。
しかしこれはSFじゃなくて、重巡青葉に従軍記者として乗り組んでいた際の模様を書いたものです。
作り話的な部分はほとんどなさそうなので、昭和17年2月前後の青葉の艦内の様子を知りたい方は、読まれるといいでしょう。

書名 中国科学幻想文学館
著者 武田雅哉、林久之
出版 大修館書店(2001/12/1)
分野 SF評論

中国のSF史、何しろ中国4000年の歴史であるからファンタジー系の
ものまで含めると大変な量を扱わなければならなかったでしょうが。
あくまでSFをメインに扱っている。
しかしこれを読むと中国SFを読んでみたくなるのが欠点だなあ。
大変楽しく読ませていただきました。

書名 SFバカ本、天然パラダイス篇
編者 大原まり子、岬兄悟
出版 メディアファクトリー(2001/11/16)
分野 SF

「家庭内暴力」岬兄悟
「地獄八景獣人戯」田中啓文
「ハッピーエッグ」島村洋子
「或る芸人の記録」牧野修
「動かぬ証拠」松本侑子
「呪殺者の肖像」森岡浩之
「超限探偵Σ」小林泰三

SF短編が一杯です、ああ嬉や
「家庭内暴力」と「或る芸人の記録」にはくすりとさせていただきました。
「ハッピーエッグ」はSFとは縁遠そうですが、好きなたぐいの小説です。
「動かぬ証拠」は平易な内容で判りやすいのはいいのだが、取るに足りぬ。
「呪殺者の肖像」は笑えぬが面白かった。

全体として-1

書名 スティンガー
原題 Stinger(1988)
著者 ロバート・R・マキャモン
訳者 白石朗
出版 扶桑社ミステリー(1991/02/28)
分野 ホラー

ホラーというより古き良きSFというべき小説。
『73光年の妖怪』や『20億の針』と比べて3倍はあろうかという、
長さはちょっと勘弁して欲しいがスリルあり泣かせるところもあり。
マキャモンは上手いなあ。

-1

書名 海の都の物語
著者 塩野七生
出版 中公文庫(1989/08/10)
分野 歴史

海洋交易国家ヴェネチアの物語。
ずっと読んでみたかった本だが、期待に背くことはなかった。
以下余談。
しかしこれを読んでもシミュレーションゲームの「マキャベリ」はやりたいとは思わなかった。

書名 激闘マリアナ沖海戦
著者 江戸雄介
出版 光人社NF文庫(2000/03/15)
分野 軍事

これを読んでも相変わらずマリアナ沖海戦は謎の戦いのままだった、この本が悪いのではないのだが。


書名 放浪惑星
原題 The Wanderer(1964)
著者 フリッツ・ライバー
訳者 永井淳
出版 創元推理文庫(1973/11/18)
分野 SF

「空飛ぶ円盤の観測に好都合な月食の最中突如として月の近くに出現した未知の惑星。刻々移り変わる不気味な相貌を持つその星は、極めて巨大な重力によって月を補足し粉砕し、さらには地球にも影響を及ぼして地震や津波や高潮をひき起こす。人々は宇宙のいずこからともなく現れたこの惑星を《放浪者》と名付けた。やがて《放浪者》の宇宙船に拉致された地球人の目に明らかになったのは…宇宙の体制に抵抗して警察星の追跡を受けながら、さまよえるオランダ人のごとく、超空間の海を永遠にさまよい続ける《放浪者》の悲劇的な運命だった。《放浪者》と警察星のレーザー・ビームによる凄絶な戦い。」
裏表紙作品紹介より

うわっ、月が燃料にされてしまったぞ、中々豪快だな。

0

書名 神鯨
原題 The Godwhale(1974)
著者 T・J・バス
訳者 日夏響
出版 ハヤカワ文庫SF(1978/10/15)
分野 SF

「砂洲に閉じこめられたロークアル・マルのやるせない絶叫を、磯波のとどろきがかき消した。
シロナガス鯨の有機体と高度の機械装置がたくみに結合された、全長600フィートに及ぶ巨大なサイポーグ漁船−−ロークァル。
だが、海洋汚染によって海が死に絶えた時、地球社会は彼女を見棄てたのだ。
死にかけた彼女から最後のエネルギーを送りこまれた小型探査機<三葉虫>は、七つの大洋をめぐる果しない旅にでた。
もう一度人間を捜しだし、ロークァルを甦らせるために……。
まったく異質な未来社会と文化を、奔放な想像力と詩的な筆致をもちいて見事に描きあげた海洋冒険ロマン!」

裏表紙作品紹介より
牧歌的な話かと思いきや、あにはからん、ひどくグロテスクな話だった。
その未来社会のグロテスクさもこの本の魅力なんだろう。
弱者に手厳しい社会だってありえない話ではないだろうから。

0

書名 凍樹の森
著者  谷甲州
出版 徳間文庫(//)
分野 冒険小説

寒い寒い酷寒の小説を読んでいても、うだるような熱さからは逃れられぬ、自分の体自体が熱源だよ、あぢー。(素直にエアコンつけれ俺)

0


書名 アンドリューNDR114
原題 The Positronic Man(1992)
著者 アイザック・アジモフ
訳者 中村融
出版 創元推理文庫(2000/04/21)
分野 SF

そんなにしてまで人間になりたがるアンドリューの気持ちが最後の最後の部分では理解できなかった。
死を迎える老人の気持ちが明かされる場面もあるにせよ、
死を恐れる気持ちを持ち合わせなかったアンドリューはやはり人間には
なれなかったんだろうと書くのはアンドリューに対して酷だろうか、それとも私が何も判っていないのか。
大体人間なんてそんなに立派なもんじゃないと思えてくる。
いいやん、ロボットのままで、アンドリュー

アンドリューとその家族の交流を通じて人の命の儚さを感じさせられる。

いい家族に囲まれていい人生だったね、アンドリュー。

+1



書名 ブルー・ワールド
原題 BLUE WORLD(1990)
著者 ロバート・R・マキャモン
訳者 小尾芙佐
出版 文春文庫(1994/09/10)
分野 ホラー

「妻と寝たはずなのに目覚めると隣に骸骨が横たわっているのを発見した男。
往年の怪奇俳優の化粧箱に隠されていた秘密。新興別荘地のハロウィーンの
命がけの仮装ごっこ。内も外も真っ赤な家に住む不思議な一家。ポルノ・スターに
魅入られた若き神父。乗る人を待つばかりのスポーツカーのように
軽快なストーリーテリングが絶妙。」

裏表紙解説より
私は短編好きなのです、でこれは、『少年時代』(私の感想)で大好きになったマキャモンの短編集なのです、いわば秘蔵っ子中の秘蔵っ子というやつなんですが。
読んでみたら、いまいち、ピンと来なかったんです。(がっくり)
もしかすると、ホラー自体、短編という形式とは相性が良くないのかもなあ???。
ただ、「なにかが通りすぎていった」だけは別格、これは大変良い。

-1.5


書名 メタリック
著者 別唐晶司
出版 新潮社(1994/02/10)
分野 SF

癌によって余命3ヶ月となった人物の脳だけを取り出して培養する実験が行われる。
””
これは凄そうというか、読んでみたら凄かったです。
題材こそ違えどこれは『人喰い病』(私の感想)に読み心地は酷似しています。

脳だけになったら、どうなるんだろう?。
”脳と肉体合わせて初めて人格となるのか”それとも”脳だけで一つの人格と言えるんだろうか"?。
わくわく。

あっ、お前何をするっ!、そこでXXを切ったらいかーん、あっ、貴重なXXXXがー”。(俺の楽しみ奪わないでくれー)

上述のような理由で、かなり欲求不満になりましたが。
素晴らしかったです。

+1.9


書名 シヴァ神降臨
原題 Shiva Descending(1980)
著者 グレゴリイ・ベンフォード、ウィリアム・ロツラー
訳者 山高昭
出版 ハヤカワ文庫SF(//)
分野 SF

「天文学者が驚くべき観測を報告した─それは巨大な流星体群が地球に接近しているというものだった。軌道計算によれば、衝突は避けようがない。インド神話の破壊神からシヴァと名付けられたこの天体には、さらにやっかいな性質が発見された。流星群の核をなす巨大隕石は多量の鉄を含んだ硬質の球だったのだ。科学者たちはミサイル攻撃によるシヴァの破壊を検討したが、不可能と判明。ならば、せめて核弾頭で軌道を変えることはできないか?高度な技術を要する作戦遂行のため、選りすぐりの宇宙飛行士によるプロジェクト・チームが編成された…」
裏表紙作品紹介より

シヴァの衝突をいかに回避するか、技術的な問題より政治的な問題に焦点があてられているようで、私自身はあまり面白いとは感じなかった。
SFというより冒険小説的な手触りな本。

-1.5


書名 ジェニーの肖像
原題 Portrait of Jennie()
著者 ロバート・ネイサン
訳者 井上一夫
出版 ハヤカワ文庫NV(1975/03/)
分野 ファンタジー

ホラーもしくは幽霊譚だと思っていたら、ラブロマンスだったのでびっくり。
でもいい感じの小説だった。

0


書名 凍てついた七月
原題 Cold in July(1989)
著者 ジョー・ランズデール
訳者 鎌田三平
出版 角川文庫(1999/09/25 )
分野 ミステリ

ランズデールの良い所の一つが、やたらと長いだけの小説を書かないところがある。
これもコンパクトに1冊で独立した話になっていてとても良い。
おじさんに付け狙われてヒーという小説かと思ったらそうではない展開になっていった。仲間になってる。

エンディング、おじさんかわいそう。

-1


書名 激闘艦爆隊
著者 小瀬本国雄
出版 朝日ソノラマ(//)
分野 軍事

真珠湾攻撃から終戦の日まで戦い続けた歴戦の艦爆搭乗員の手記です。
今頃になって読んだ。
『命令一下出で発つは』を読んで名前を覚えた人の名前が昭和20年の内地に現れる。
ああ、生き残っていたんですねと思い、安心したが。
巻末に収められた特攻隊の名簿の中にその名前を見つけてショックを受けた。


書名 イエスのビデオ
原題 Das Jwsus Video(1998)
著者 アンドレア・エシュバッハ
訳者 平井吉夫
出版 ハヤカワ文庫NV(2003/02/28)
分野 冒険小説

「イスラエルの遺跡発掘に参加した学生スティーブンは、一体の人骨 と副葬品の布袋を発見した。袋の中にはビデオカメラの説明書が… ・人骨はたしかに2000年前のものだったが、現代医学の治療跡があ った。この人物は過去へ片道の時間旅行をしたのか?ではカメラ 見つければ、驚異の映像がそこに。メディア王エは映像を独占す べく私兵を投入し、一方バチカンの秘密部隊が現われ、発見者ステ ィーブンとの壮絶な三つ巴戦に!」
裏表紙作品紹介より

えっ!、イエスの映像を収録したのであろうビデオカメラのマニュアルと撮影者の現代人の人骨が発掘されたんだって?。
しかもそのカメラは未だ開発中で存在しないものなんだって。
じゃあ、あれだね、タイムトラベルが実現して過去に行ったんだね。
そんでこれから、過去に飛んで冒険が始まるんだと思ったら。

カメラとビデオテープを求めて何かやってるよ、この人達。
面白いので、別にいいんだけど。
過去に行けば良いってもんじゃないし。

エピローグも良い感じだったし。

だけどさ、どうやって、過去に移動したんだよっ!!。

-1


書名 歌うクジラ
原題 Whalesong (1981)
書名 白いクジラ
原題 White Whale(1991)
著者 ロバート・シーゲル
訳者 中村 融
出版 創元推理文庫(1995/03/31)
分野 ファンタジー

子供の頃に読んだマッコウクジラのマンガを思い出した、たぶん小学x年生に掲載されていたんだろうと思う、あれはお母さんクジラがシャチに殺されて、子供のイルカが大きくなってシャチをやっつける話だった、でっかいイカも出てきた。
今思うとしょぼい話だ。だけど、あの頃はクジラという生き物の存在自体が驚異に思えていたのだ。

で、この小説だが、良い感じの動物ファンタジーだった。
作中のクジラは人間のことを不思議な生き物だと考えるが。
作中のクジラがクジラがニシンを食べるように、人間もクジラを食べ、クジラがアホウドウを助けるように人間もアホウドリを助けるのだ、とは思わないらしい。

0


書名 コーポレイト・ウォーズ
原題 The Company Man(1988)
著者 ジョー・クリフォード・ファウスト
訳者 関口幸男
出版 ハヤカワ文庫SF(1990/10/31)
分野 SF

「アンドルー・バーチは、アストラダイン社でも一、二を争うスゴ腕カンパニーマン。
ライバル企業を出し抜くためには、盗聴、謀略、誘拐と手段を選ばない。
だが、今夜の任務は単純な尾行だ。
バーチは相棒ネロとともにプルトニウム駆動機を駆り、単座機に乗るターゲットを空中で追跡していく。
ところが突然、ターゲットが思いがけない行動をとり、追跡は不可能になってしまった。
何者かが、バーチを危地におとしいれるべく、間違いだらけの命令書を渡していたのだ…!」

裏表紙作品紹介より
まさかこんな本が面白いとは思わなかったので、意外だった。
エンジェルス・ラックといいファウストは自分と相性が良いのかもしれない。
しかし、そもそも翻訳が少ない作家なので未読の本はもうないのだった。

基本的には唯のコミカルな産業スパイ小説にすぎない。
背景が近未来っぽいところがSFなだけなのだが。

この背景が面白かったりする、環境は放射能で汚染されていて、外で一晩眠るのなんて思いも寄らない(ゴミ箱で一晩明かして一瞬真っ青になった奴はおったが)、外から戻ったら汚染された埃を洗い流す習慣が身についている。
じゃあ何で汚染されてしまっているかというと、核融合エンジンを機関とした自動車などの撒き散らす放射能によるものらしい、どうも石油が枯渇した後の、代替エネルギーを核融合に求めた結果こうなってしまったようだが。
彼ら、普段着で生活しているんだね、放射能を発する物が身に付着したら、前述したように洗い流して事足れリとしている、おいおい。
なんか、平均寿命も長くなさそうだ。

ストーリー自体は都合良過ぎるよと思うんだが、その都合の良い展開に苦い笑いしつつも、ほっと胸をなでおろしたりしている自分がいたりする。

幸せにな、寿命は長くなさそうだが(←おい)。

+1


書名 東京サッカパンチ
原題 Tokyu Suckerpunch
著者 アイザックアダムスン
訳者 本間有
出版 扶桑社ミステリー(2003/04/30)
分野 ミステリ


「来日中の雑誌記者ビリー・チャカは、渋谷の飲み屋に飛びこんできた美しい芸者に、 すっかりイカれてしまった。彼女は謎の男たちに追われて姿を消してしまう。そこに 大事件が発生。旧知の映画監督・佐藤が謎の焼死を遂げたのだ。ふたつの事件はから みあい、不思議な国ニッポンの裏世界への扉がひら<。ヤクザ、大企業、宗教結社が 入りみだれ、驚天動地の結末へ……新ヒーロー、ガイジン素人探偵が竹下通りを走る! チャンドラー×ジャッキー・チェンと激賞、熱狂的ファンを生んだ斬新ハードボイルド。」
裏表紙作品紹介より

色眼鏡で見た日本……、いや、あの、自分には普通に思えるんですけど。
えーっと、これが普通に見えるぐらい自分が世間知らずってことでしょうね、本でみた東京しか知らないってことで。

彼女がSFしてる、でも、彼女って何物なのー、舞台の幕を降ろす前にそれを教えて欲しかったなあ。彼女の素性が明かされ始めた時点では、おっSFっ?と途中凄く期待したんだけど

でも軽快な感じで読みやすく、読んで損をすることはないでしょう。変な小説好きな人にも。

+0.5

書名 宇宙のランデヴー 2
原題 Rama II(1989)
書名 宇宙のランデヴー 3
原題 The Garden of Rama(1991)
書名 宇宙のランデヴー 4
原題 Rama Revealed(1993)
著者 アーサー・C・クラーク、ジェントリー・リー
訳者 山高昭
出版 ハヤカワ文庫SF(//)
分野 SF

『宇宙のランデヴー』の続編、面白いことは認めよう、読んで楽しむのも一つの手だ。
しかし最良の手は『宇宙のランデヴー』は読んで、『2、3、4』は読まずにおくことだ。
私は読んでしまったので、『2、3.4』は無かった事にしようと思う、でないと、『宇宙のランデヴー』のストイックな感触が台無しだ。

-2

書名 白鳥異伝
著者 荻原規子
出版 徳間書店(1996/07/31)
分野 ファンタジー

ヤマトタケルの尊伝説を下敷きにした異伝。
心配りよく書かれた非常によく出来た物語で、面白い。
難を言えば、全体的に甘口すぎて、登場人物の悲痛な心情が読取りにくいと思う。
これは著者後書きを先に読んでしまったために、どうせxxだからと思ってしまったせいもあるかもしれない。
これをしらない状態で読めたらとしたら、私も平穏な気持ちで読めなかったろう。
惜しいことをした。

しかしあれやね、こうして読むと元になったヤマトタケル伝説の出来の良さが際立ちますね。

+0.5

書名 ダスト
原題 Dust(1998)
著者 チャールズ・ペレグリーノ
訳者 白石朗
出版 ソニー・マガジンズ(1998/11/30)
分野 SF

著者があれもこれも詰めこめるだけのアイデアを詰めこんだ感じで、しかもそのアイデア一つ一つが話の本筋から浮いていて、無くても全く関係無い。
ひでー小説だ。

しかし、それでもこれは私が読みたいSF小説になっている。
とても面白かった。

+1.9

書名 第40号海防艦
著者 花井文一
出版 元就出版社(//)
分野 軍事

伊号三八潜水艦(私の感想)に乗り組んでいた著者は退艦後海防艦40号に乗り組んで終戦を迎えた。
著者と海防艦40号は終戦後も掃海作業に従事することになる。

就役したのが昭和20年になってからのため、行動したのは日本近海に限られるが、米潜水艦に翻弄される輸送船団の様子や、パラベーンを使用しての掃海作業の様子を読むことができる。

書名 ムーンフラッシュ
原題 Moon-Flash (1984)
著者 パトリシア・A・マキリップ
訳者 佐藤高子
出版 ハヤカワ文庫FT(1987/08/31)
分野 ファンタジー

ファンタジーだと思っていた中にSFが少しだけ顔を出し、
それから段々SFになってゆく様は、予期していなかっただけに驚きだったし。 主人公にとっては、その驚きはなおさらだたろう。

そして何より途中河を下るシーンの美しときたら…。
2部作で『ムーンドリーム』に続くようだが、持っていないので、久々に図書館に行くかな。
(と思ったのだが、地元の図書館にも、名古屋市図書館にもないのであった。)
+1.9


書名 青い瞳のダミア
原題 Damia(1992)
著者 アン・マキャフリイ
訳者 公手成幸
出版 ハヤカワ文庫SF(1995/10/31)
分野 SF

200ページ弱で見事な小説を書いてみせた『ムーンフラッシュ』の直後に読むと、長すぎる感は否めない。
ページを費やさなくとも中身の濃い小説を書くことはできるのだということを見習って欲しい。
とはいっても、マキャフリイが書く小説がつまらないわけがなく、長さに辟易しつつも、読めば楽しめてしまうところが、さすがだ。

-1


書名 銀河おさわがせマネー
原題 A PHULE AND HIS MONEY(1999)
著者 ロバート・アスプリン、ピーター・J・ヘック
訳者 斉藤伯好
出版 ハヤカワ文庫SF(2000/05/31)
分野 SF

「銀河で十指に入る大富豪、ウィラード・フール大尉率いるオメガ中隊。
宇宙軍きってのチームワークと型破りを誇る中隊が、今回迎えた新入隊員はなんと、
ネコ型星人とトカゲ型星人!?みなで向かうは次なる任地、遊園地だらけの惑星
ランドール。この量とフールの間には、実は深い因縁が…
おなじみ個性派メンバーに、新たなメンツもしたがえて、フール中隊長の知力と
財カがますます冴える!
爆笑のユーモア・ミリタリーSF」

裏表紙解説より
シリーズ3作目、あいかわらず出くわす障壁が低過ぎてぬるいとは思うのだが、今回は特に気にならなかった。
後は特に感想が出てこない。

0


書名 アストロパイロット
原題 Astropilots(1987)
著者 ローラ・J・ミクスン
訳者 野田昌宏
出版 ハヤカワ文庫SF(1989/03/15)
分野 SF

「暗黒の宇宙を翔け、遥かな星々に人類の版図を広げるスペースシップ。
そのパイロットこそ、星空に夢を追う若者の憧れのまとだ。
だが栄光のパイロットになるためには、養成学寮の狭き門をくぐったうえに、
苛酷な訓練に耐えねばならない。そして今、ジェイスンという新入生が、
エリダニII星系からやってきた。上級生のアンドレア伊藤は、
体力も知性も平均を遥かにうわまわる彼に心をひかれてゆく。
だが、さしものアンドレアも、ジェイスンが太陽系全域の平和を賭けた壮大な
野望を胸に秘めていることなど、知るよしもなかったのだ!
痛快スペース・アドベンチャー」

裏表紙作品紹介より
パイロットの養成学校のシステムがとても変だ、卒業前の上級生が下級生をテストして、基準に満たない者を放追してしまうのだ。まだ青い人物にこのような役割を割り当てないでしょう普通。

シーフォートほどでないにせよ、変わっている。
全体的なイメージもシーフォートに似てるかもしれない。
ページ数が1/3以下なので、こちらの方が読む負担は少ない。

-1


書名 銀河おさわがせアンドロイド
原題 PHULE ME TWICE(2001)
著者 ロバート・アスプリン、ピーター・J・ヘック
訳者 斎藤伯好
出版 ハヤカワ文庫SF(2002/01/31)
分野 SF

「億万長者の宇宙軍大尉ウィラード・フール率いるオメガ中隊は、
宇宙軍きってのチームワークと型やぶりな作戦で鳴らす、
はみだし者部隊。姿の見えない敵に侵略され対策がとれずに困惑する
ゼノビア星が、そんな彼らを軍事顧問として招きたいといってきた。
勇躍、ゼノビアに乗りこんだオメガ中隊だったが、そこにフール
そっくりのアンドロイドがまぎれこみ、隊員たちは大混乱に……
おなじみメンバー大活躍の痛快ユーモアSF」

裏表紙作品紹介より
シリーズ4作目、だんだんと面白くなってきている。
そもそもこういったユーモア小説は嫌いじゃないのだ。
登場人物達も全巻までの書き込みで段々個性が出てきているし。

+1

書名 アッシャー家の弔鐘
原題 Usher's Passing(1984)
著者 ロバート・R・マキャモン
訳者 大瀧啓裕
出版 扶桑社ミステリー(1991/07/29)
分野 ホラー

ポウの小説を読んでおかなければいかなかったのだろうか?。
結局人が死んでるだけとしか思えないんだが。
屁理屈言わずに本音を吐いてしまえば。
つまらなかった。

-2



書名 第六大陸 2
著者 小川一水
出版 ハヤカワ文庫JA(2003/08/31)
分野 SF

血沸き肉踊るというが、読んでいる最中、特に中盤は血が沸騰する思いでしたね。
(本当に沸騰したら死ぬけど)

素晴らしい夢をみさせていただき、ありがとうございました。


+2


書名 風よ、龍に届いているか。
著者 ベニー松山
出版 宝島社(//)
分野 小説

ウィザードリイのノベライズ。
主人公が熱いので燃える、理屈っぽくない島本キャラ調か。
最近再刊しているので、御入手はお早めに。
ウィザードリイがやりたくなった。
実は実質ファミコン版の2しかやったことがない。
(3は最初から攻略本見ながらやったので無茶苦茶つまらなかった)。

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