2003年2月の読書感想



書名 覇者の戦塵 「ニューギニア攻防戦 下」
著者 谷 甲州
出版 中央公論新社(2003/01/25)
分野 仮想戦記

VT信管の存在を察知した日本軍がこれからどう動くかだな。
今回ばかりはちょっと都合が良過ぎないかい?と思ってしまった。
これだけのページ数を費やしても局面のほんの一部分を描写するに留まるところに太平洋戦争の規模の大きさを感じる。
そういやこれは先月読んだ本になるんだな、まあいいや。


書名 鉤爪プレイバック
著者 エリック・ガルシア
訳者 酒井昭伸
出版 ヴィレッジ・ブックス(2003/01/20)
分野 ミステリ

前作(私の感想)は古書店で見つけるまで我慢していたのだが、今回は本屋でみかけると即座に購入し即日読み始めたのだからよほど気に入っていたらしいな。
最近ユーモアSFが少なくてねえ、補給量の豊富なミステリファンが羨ましいよ。
今回は前作より前の時間なので、前作では死んでいた相棒が元気な姿を見せてくれる。
それだけに最後のセリフは読む私には複雑に響く。


書名 新化
著者 石黒達昌
出版 ハルキ文庫(2000/10/18)
分野 SF

希少種ハネネズミ(もちろん架空の存在です)の研究記録という体裁をとったSFです。
『人喰い病』(私の感想)収録の短編と研究の対象が消え研究者も消え、人々の日常には全く影響を及ぼさないという点において同じような作りとなっています。
『新化』においてはハネネズミが既に絶滅したと思われると読者に示されます。
正直なところ私はこう思いました、この著者は世界が変貌するような話として書くことに怯えているんだなと。
こんな感想を抱くのは『人喰い病』を読んだからかもしれません、SFの場合『人喰い病』のようなネタがある場合、世界が変貌してゆくような展開になるのが普通です。しかし著者は局地的な現象にとどめ最終的には痕跡だけ残して世界から消し去ってしまいます、その痕跡をするレポートの形をとっているのが、『新化』や『人喰い病』収録の短編に共通しています。
この著者は怯えている、ですが、そう感じるのは読者である私の驕りでしょう。
新種の生物が発見されたからといって世界は変貌するのか、普通そんなことになるはずはないのですから、それに、この著者の書く重厚な小説においてそんな展開にすることは、結果として軽薄な印象を読者に与えかねないかもしれません。
きっとこの本に収録されている形がベストなんだ。
SFマガジン収録の「希望ホヤ」も含めてちょっとワンパターンかなと思うけれど、、傑作であると言うのにやぶさかではない。
ぜひ読んで見て欲しい。



書名 星虫
著者 岩本隆雄
出版 新潮文庫(1990/07/25)
分野 SF

ソノラマ文庫でリメイクされたのが出版されているので、こちらを読むのはためらっていたのですが、いつまで経っても入手できないので古いバージョンで読みました。

気持ちのいい話を読ませてもらったなあ、爽やかな青春小説。
反面安直なハッピーエンドといった感想は拭い切れず、惜しいなあ、ラスト50ページをもっと上手く処理できていればもっと良い作品になっていたろうに。
ハッピーエンドになってはいけないとは言わないけれど、やはり手続きは必要と思う、唐突に助かりましたじゃなあ。


書名 タイム・リーパー
著者 大原まり子
出版 ハヤカワ文庫JA(1998/02/15)
分野 SF

「平凡な銀行員の森坂徹は仕事で疲れた夏の日の帰り道、恋人の目の前で
交通事故に遭った。瀕死の重傷を負った彼を収容したのは、なんと2018年の
救急病院。しかも、その怪我のために首から下は機械の身体に換えられていた。
彼は30年の時を超え、未来へとタイム・スリップしていたのだ。
やがて時間跳躍能力を持つ森坂をめぐり、未来のタイム・パトロールと警察の
特殊能力開発部隊との間で、凄絶な戦いが繰り広げられてゆく!!。」

裏表紙作品紹介より
まあ、裏表紙の作品紹介どおりの本なんですが、そんなに悪くはない。
アンダースンの『タイムパトロール』みたいな小説が好きな人は読むといいかもしれないが、歴史小説的要素はないので太鼓判を押す勇気はない。
もうちょっとダイエットして短く仕上げてあればもっと良かったけど…。


書名 続 ベトナム航空戦
編者 ワールド・フォトプレス
出版 光文社文庫(1985/02/20)
分野 軍事

ベトナムにおける米空軍の航空戦について扱った本。
文章量は少ないだけにファントムIIについての記述に偏っている。
その代り写真は多い。


書名 空母「飛鷹」海戦記
著者 志柿謙吉
出版 光人社(2002/03/06)
分野 軍事

空母の副長だった方の手記、副長の視点から見た空母の様子が興味深い。
前半部は「飛鷹」に着任する前の話だが、その中に徳倉正志さんの名前が出てくる、水上機搭乗員のことはなかなか市販の本には出てこないので有りがたかった、ただそれから203空に姿を現すまでの足跡はミッシングリンクのままなんだけど。
「飛鷹」に乗り組んでいた搭乗員の名前に朝枝国臣さんの名前が出てくd 、マリアナ沖海戦において機動部隊攻撃に出撃していったと記述してありますが、すくなくともマリアナ沖海戦で飛び立っていったのは朝枝大尉ではないのだが誰のことなんだろう?。
朝枝大尉といえば丸エキストラ戦史と旅に掲載されていた、同期生同士で撮影しあったであろう朝枝大尉と中村大尉の写真が忘れられない。
作家豊田穣は朝枝大尉は泣き上戸だったと書いている。
又富樫春造氏の書いた回想記に出て来る朝枝大尉は良い兄貴分のようだ。
しかし朝枝大尉も中村大尉も1944年6月相前後して戦死してしまう、写真は遺影となってしまった。哀しい現実。

書名 ホーキング、宇宙を語る
原題 A Brief History of Time
著者 スティーヴン・W・ホーキング
訳者 林一
出版 ハヤカワ文庫NF(1995/04/15)
分野 ノンフィクション

著者が数式など使わず一般の読者向けに読み物として書いている。
解りやすい、けど図解雑学 重力と一般相対性理論の方がもっと解りやすかった、すまんホーキング僕はあなたが想定した以上にバカなようだ。

書名 ドラゴンになった青年
原題 The Dragon and the George(1976)
著者 ゴードン・ディクスン
訳者 山田順子
出版 ハヤカワ文庫FT(1979/08/15)
分野 ファンタジー

異世界に送りこまれてしまった恋人を追って異世界に行った青年の精神はドラゴンの体に入っていた。
肩の凝らないユーモアタッチのファンタジー、ドラゴンになった青年が仲間を集め彼女を救出に向う道中が楽しい。
仲間も皆個性があって良いのだが、中でも狼がねー、気に入ったよ。
青年のその後がとても気になるのですが、嬉しいことに続編があるんだね。

書名 精霊がいっぱい!
原題 The Case of The Toxic Spell Dump(1993)
著者 ハリイ・タートルダヴ
訳者 佐田千織
出版 ハヤカワ文庫FT(1999/04/30)
分野 ファンタジー

ポール・アンダースンの大魔王作戦(私の感想)と同じく機械ではなく魔法が発達した世界の物語です、ただ魔法の普及度は大魔王作戦よりも大きい。
この世界では魔法を使えば使うほどその反作用が生じる、その反作用を産業廃棄物として廃棄する場所があるのだが、その産業廃棄物が不法廃棄されているのではとの疑いに主人公が調査に乗り出したのが事件の発端となる。
全篇を通じてユーモアたっぷりで楽しめる。
おすすめ。

書名 闇がつむぐあまたの影 −ケイン・サーガ I−
原題 Darkness Weaves(1978)
著者 カール・エドワード・ワグナー
訳者 中村融
出版 創元推理文庫(1991/10/30)
分野 ファンタジー

ハワードのコナンの後継的作品だそうです、まあそんな感じもしないではない。
主人公自身は没個性というか、あまり目立たないというか、登場場面は当然多いのだが、行動に信念が感じれないから影が薄く感じられるのだろうか?。
その代り脇役が殺伐と活躍していてとても面白い、活躍しすぎて皆死ぬんだけどね。
艦隊戦とか??がつく場面もあるけれど(だって投石器の命中率があんなにいいわけないじゃないか)。
全般的に血湧き肉踊る物語だった、1巻だけで翻訳がストップしたのは残念だけど、これ一巻だけでも読んでみて欲しい。

書名 ロケット・ファイター
原題 Rocket Fighter(?)
著者 M・ツイーグラー
訳者 大門一男
出版 朝日ソノラマ(1984/12/10)
分野 軍事

ドイツのロケット戦闘機Me163の搭乗員だった方の手記です。
なんか中途半端なところで終わっているのが残念です、以前出版されていた単行本(アンソロジー)よりの再録なので元々スペースの関係で全部は翻訳されていなかったのでしょう。
事故が多発したことが有名で、変った形をした無尾翼機であるMe163ですが、機体自体の飛行特性は悪くなかったようです、事故多発の原因はやはりロケットエンジンの不安定さと着陸時の高速及びグライダーとして着陸するがゆえの着陸復航の困難さだったようです。
初期においては与圧装備の無さとその高上昇率が高空への飛行への大きな壁になっていたようです。
著者が完成機のテスト任務についていた際に実戦部隊の搭乗員に聞いた内容より、Me163でB−17編隊に対して後上方攻撃をかけることに際しては、かなり強いプレッシャーをB−17の防御砲火より受けていたことが伺えます。
かといって前方よりの攻撃は問題外だそうで、実戦においては持て余し気味だった気配があります。
その後戦法を確立できたがどうかは前述したように中途半端な所で終了しているので解りません。
覚えた用語がふたつ、Me163で地上より発進する事を”シャープ発進”、Me163 Bのことは”パワードエッグ”と言うのだそうです。
ドイツ語でどう言うかは知らないけど。

書名 或る陸軍特別幹部候補生の一年間 −ロケット戦闘機<秋水>実験隊員−
著者 福田禮吉
出版 文芸社(2002/10/15)
分野 軍事

陸軍航空審査部の秋水部隊の隊員だった方の手記。
著者は秋水に関わったことを誇りに思っていらっしゃいます。
その気持ちはわかります、軍隊での仕事に貴賎はないとはいえ、私も秋水部隊の方の手記でなかったら読まなかったであろうから。
記憶にない事については記憶にないと記述されていることには好感を持ったが、後書きを読んでみるとそのようなことには気を使って執筆されたそうです。
表紙写真に使われている、重滑空機の写真には少し感動を覚えた、生きている機の写真はいいなあ。

書名 モンスター・ドライヴイン
原題 The Drive-In(1988)
著者 ジョー・ランズデール
訳者 尾之上浩司
出版 創元SF文庫(2003/02/14)
分野 SF

閉鎖空間におかれ食料不足に見舞われた人達はどんな行動をとるか。
ランズデールはそんな状態をどことなくコミカルかつグロテスクに描写する。
怪作と宣伝されていたが、まさしく怪作としか言いようがない。

伝え聞く餓島における日本兵の様子は本書と違って規律を保っているように思える。
人間としての誇りも尊厳も持ち続けたがゆえに飢えて犠牲となっていったガダルカナルの兵士達、本書のような自らの生存のために他者を犠牲にする本書の登場人物と比べどちらが良かったのかと考えてしまったが、考えるまでもない、戦争を起さないのが一番良いに決まっている。

書名 踊る黄金像
原題 Dancing Aztecs(1976)
著者 ドナルド・E・ウエストレイク
訳者 木村仁良
出版 ハヤカワ ミステリアスプレス文庫(1994/05/31)
分野 ミステリ

あまり面白くなかった、キャラクター性が薄いからか?。


書名 北アフリカと地中海戦域のJu87シュトゥーカ部隊と戦歴
原題 Junkers Ju87 Stakageschwader of North Africa and the Mediterranenn(1998)
著者 ジョン・ウィール
訳者 手塚尚
出版 大日本絵画(2003/03/10)
分野 軍事

表題通りの本です、Ju87で戦ったイタリア軍部隊についても言及されている。
偶然とはいえ、空母のエレベーターに計3発も命中させたドイツの急降下爆撃隊員の技量には驚嘆する。

書名 勇者にふられた姫君
原題 The Undesired Princess and The Enchanted Bunny
著者 L・スプレイグ・ディ・キャンプ、ディヴィッド・ドレイク
訳者 関口幸男
出版 ハヤカワ文庫FT(1996/03/31)
分野 ファンタジー

姫君を助けお姫様と結ばれました、メデタシメデタシではなくて勇者は姫君には興味がなかったのであった。
ユーモアファンタジーとは言ってもあまり笑えなかった、つまりあまり面白くなかったのだが、ラストシーンは”やってくれるね”と思いかけた、かけたんだけど、結局ガックリきた、そうか、そう結んじゃうかね。
ちょっと残念かな。
ディヴィッド・ドレイクは共著者というわけでなく、収録された短編「兎にされた姫君」の著者

書名 我輩はカモである
原題 God Save the Mark(1967)
著者 ドナルド・E・ウエストレイク
訳者 池央耿
出版 ハヤカワ ミステリアスプレス文庫(1995/04/30)
分野 ミステリ

表題を見ただけで笑える、その名の通り簡単に人を信じてしまうために詐欺に合い続ける主人公が叔父の遺産を受け継いだせいでトラブルに見舞われる。
面白いんだけどねー、あまりに人を信じ過ぎるので、読んでいるこちらはストレスが溜まったことも事実です。
だって、読んでいる途中は、やっぱり主人公のことを心配しちゃうじゃないか。

書名 天から降ってきた泥棒
原題 God Behavior(1983)
著者 ドナルド・E・ウエストレイク
訳者 木村仁良
出版 ハヤカワ ミステリアスプレス文庫(1997/06/20)
分野 ミステリ

天才的な犯罪プランナーであるにもかかわらず、ついてないので、ことごとく災難に見舞われるドートマンダーのシリーズ。
著者が別名義で書いたパーカーシリーズというのがあってそちらで使えなかったネタをドートマンダーシリーズとして発表しているんだそうだ。
そうか、知らんかったよ、今度古書店で買ってこよう。

書名 人にはススメられない仕事
原題 Rumble Tumble(1998)
著者 ジョー・R・ランズデール
訳者 鎌田三平
出版 角川文庫(2002/07/25)
分野 ミステリ

ランズデールか、色々な小説が書ける人だな。
ハップ&レナードシリーズは苦手かもしれない?、例えそれがランズデールの作でも。

書名 なぜ都市が爆撃されたのか
著者 永沢道雄
出版 光人社(2003/01/20)
分野 軍事

初期の都市爆撃から原爆投下までを概観している。
扱っている範囲が広いので食い足らなさがあるかと思いきや、案外そんな感じもなく、忘れていたものや知らなかった事も色々あった。
しかしもっと扱う範囲を狭めて詳しいものを読みたい気持ちがあるのも確かです。

書名 私はラバウルの撃墜王だった
著者 本田稔 他
出版 光人社NF文庫(1995/07/15)
分野 軍事

雑誌丸の巻末に掲載されている手記のうち、海軍戦闘機隊についての記事を集めた本。
全て丸誌上で読んでいたのだが今回中沢氏の手記を読むために手にとってみた。
収録された6篇とも航空戦史を知る上で欠かせぬ資料であることは間違いない。

本田稔氏の手記は。
253空に所属して南東方面で戦っていた頃の手記です、記憶違いではないかと思われる部分も散見されるが、前述したように貴重な資料であることは確かです。
南東方面における搭乗員の恐るべき消耗率には戦慄する。

梅村武士氏の手記は。
南東方面に向う直前の大庭中尉の姿があることに今になって気付く、これを読んだ昔は海兵68期の人以外には興味がなかったんだなあと思いました。

安部正治氏の手記は
戦闘303に所属して北東方面、比島方面、本土方面で戦った方の手記です。
比島における203空所属搭乗員の手記はおそらく、この方のもののみです。
私は僚隊の戦闘304に興味があるので、かつては貪るように読んだものでした。

加藤茂氏の手記は。
南東方面における204空の整備員だった方の手記。
整備員の方の苦労が垣間見える。

中沢政一氏の手記は。
204空に所属して南東方面で戦った方の日記。
1943年6月16日のルンカ沖航空線の途中で日記は終わっている、そして1月後の7月16日中沢氏もまたその命を散らすことになる。

大野竹好の手記は
251空に所属して南東方面で戦った方の手記。
この手記に関しては次のような思いでがある。
この方は1943年6月30日に戦没されていますが、雑誌丸のバックナンバー紹介の記事の中に大野竹好の名を見つけた時は、なぜ???。
と不思議に思いました。
戦没された方の手記がなぜ存在し得るんだろう?。
運良く程なくして掲載号は古書店で見つけることが出来、読んでみて納得しました、生前に執筆されて従軍記者に渡されたものだったのです。
251空の昼戦隊搭乗員の手記はこの他には磯崎千利氏の短いものがあるだけで、非常に価値があります。

書名 未踏の時代
著者 福島正実
出版 早川書房(1977/04/30)
分野 SF関係

日本の商業SFの創世記において、その強引と言えるほどのリーダーシップにおいて牽引し、日本に商業SFを根付かせた、SFマガジンの初代編集長の手記。
自らの理想とする日本SFを守るため攻撃してくるものものには受けてたち、噛み付き、自らも傷ついてゆく。
彼は商業SFを守り育てるためその生命力の全を使い果たしたのかもしれない。
この本が発表される前年彼は亡くなっており、本は未完となっている。
毀誉褒貶はあろうが、日本SF界の大いなる功労者の一人であることは間違いない、日本のSF史を知る上では読んでおかねばならぬ一冊。


書名 友なる船
原題 Partner Ship(1992)
著者 アン・マキャフリー、マーガレット・ポール
訳者 浅羽莢子
出版 創元推理文庫(1995/05/26)
分野 SF

読んでいる間は、まあ、それなりに面白いといえば面白いと言えるんだが。
このシリーズ、もう飽きたと言っていいですか?、そう言うのは贅沢ですか?。

書名 嘘じゃないんだ!
原題 Trust me on this(1988)
著者 ドナルド・E・ウエストレイク
訳者 木村仁良
出版 ハヤカワ ミステリアスプレス文庫(1991/02/15)
分野 ミステリ

就職した新聞社に初出勤する途上射殺死体をみつけた、しかしその新聞社はゴシップ新聞社、射殺死体なぞには興味も示されずいいつけられたのはポテトチップダイエット法の取材だった。

ウエストレイクもこんだけ集中して読むと飽きてくるというか、どいつもこいつも平々凡々たる日常のお話ばかりなのは何とかならないのだろうか?。
例えば恐竜が出てくるとかさ(←それは鉤爪が好きと言いたいのか?)

書名 泥棒は詩を口ずさむ
原題 The Burglar Whs Lired to Quote Kipling(1979)
著者 ローレンス・ブロック
訳者 田口俊樹
出版 ハヤカワ ミステリアスプレス文庫(1994/03/31)
分野 ミステリ

古本の話は好きみたいで、面白いミステリだったとかそうゆうのとは別の判断基準で楽しめた。
そうか、ブロック面白いな。

書名 ブックハンターの冒険 古本めぐり 
著者 牧眞司
出版 学陽書房(2000/04/17)
分野 エッセイ

前半部SFマガジン収録のエッセイだったんで、お買い得感は少なかった、後半はSFマガジンに掲載されていたのか、されていなかったのかは解らないが、掲載されていたとしても読んでいなかった。
この前神田の古書店街に行ったんだけど首都圏の人間は古本に関しては恵まれてるよ、地方にいるとそこが品揃えが良い悪いにかかわらず定点観測しかできないからね。

書名 英独航空戦
著者 飯山幸伸
出版 光人社NF文庫(2003/03/18)
分野 軍事

バトル・オブ・ブリテンに関する本は文庫本だけとってみても、早川文庫から2種類、新潮文庫から1種類と出ているように比較的紹介が進んでいる戦いなんだけど、光人社としても一冊欲しいところだっただろうから、よかったですね。
現在ハヤカワ文庫の『戦闘機』が入手可能なんだけど、どちらを勧めてよいかは迷うところで、両方読んで見て欲しいが、どちらか一冊だけというならお好きな方をどうぞといったところです。
しかし5年も後に行われた日本本土防空戦においてバトル・オブ・ブリテンと同程度の防空態勢を整えるどころか全然手も届いていなかったんだからどうしようもないですね。

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