2003年09月の読書感想


書名 W.W.II エースパイロット
出版 光栄(1996/04/10)
分野 軍事

情報量が少ないので特に読むことはおすすめしない。
価格は高いし費用対効果は最悪の部類に入る。

書名 非情の裁き
原題 No Good From a Corpse(1944)
著者 リイ・ブラケット
訳者 浅倉久志
出版 扶桑社ミステリー(2003/08/30)
分野 ミステリ

犯人は予測できなかった、が、これは元々当てようとしていたわけでない、というかどうでもよかった。
何か感動的な人間ドラマでも読めればと思ったのだが。

人間描写に深みがあるわけでなく、何かとてつもない事件がおこるわけでなく…。
かといって、読んでいて退屈はしないのだが…。

あー、なんか乾いた話もいいのだが、もっとウェットな話のほうが好きなのかも しれない。

-2


書名 フライデイ
原題 Friday(1982)
著者 ロバート・A・ハインライン
訳者 矢野徹
出版 ハヤカワ文庫SF(1994/09/30)
分野 SF

フライデイという主人公がなにか不気味だと思った。
人のことは言えないのだが。
しかし、フライデイという人物の生い立ちを考えると。
そう思える記述になっているのは正解なのかもしれない。
(と思うのは、差別になるんだろうな)。

-2

書名 ミノタウロスの森
原題 Day of the Minotaur(1966)
著者 トマス・バーネット・スワン
訳者 風見潤
出版 ハヤカワ文庫FT(1992/09/30)
分野 ファンタジー

著作順では『ミノタウロスの森』、『幻獣の森』(私の感想)の順に執筆されているが。
時間順では『幻獣の森』が先にくる。
両方読んでみて、『幻獣の森』を先に読む方がよさそうだと思いました。
『ミノタウロスの森』では『幻獣の森』の出来事がかつて発生した出来事として言及されているので、結果としてあらすじが紹介されているに等しいことになっています。

この小説自体は今ひとつな感じはあった。
騒がしすぎる。
+1


書名 西の反逆者
原題 The Broken Lands()
書名 黒の山脈
原題 The Black Mountains(1979)
書名 アードネーの世界
原題 Changeling Earth(1973)
著者 フレッド・セイバーヘーゲン
訳者 関口幸男
出版 ハヤカワ文庫SF(//)
分野 SF

「進かな未来,最終戦争後の地球は,邪悪な魔法の力をふるう<東の帝国>の支配下にあった。
だが,その圧制に対して敢然と叛旗を翻す者たちがいた。
かれら<自由の民>こそ,<東方>に蹂躪されたかに見えた<西方>の人々の最後の希望だった。
しかし,圧倒的多数をほこる<東方>勢力は,容赦なくかれらを追いつめてゆく。
かれらの指導者<老翁>も,<東方>の太守エイクマンに拷問の末に処刑された!
自由をめざしての闘争は、ここについえるかと思われたが……
“ファンタジイとサイエンス・フィクションを見事に融合させて新境地を開く一大シリーズ,遂に登場」

扉作品紹介より

旧世界の遺物は、新世界の人々にとり魔法にしか見えない、例えば”象”と呼ばれるものの正体は戦車だった。
その他旧世界の人間である私からみても魔法としかみえないものが多々登場するが、魔法使いや悪魔など種明かしがされなかったものまで含めて全て魔法にしかみえなくとも、充分に発達した科学なりなんなりなのだろう。

主人公のロルフはルーク・スカイウォーカー的で良き主人公なれども、脇役の光の前に
霞むタイプなので仇キャラのチャップの方が格好良かったりする。
とはいっても物語の核はやっぱりロルフなのだ。
美しき悪女たるチャーミアンは最後にミソをつけた、最後までプライド高く行動して欲しかったと思う。これではチャップの引きたて役である。

+0


書名 妖女サイベルの呼び声
原題 The Forgotten Beasts of Eld (1974)
著者 パトリシア・A・マキリップ
訳者 佐藤高子
出版 ハヤカワ文庫FT(1979/02/28)
分野 ファンタジー

こんな良いファンタジー作家がいたなんて、ちっとも知らなかった。
情景の美しさは同著者の『ムーン・フラッシュ』よりかなり劣る感はあるが、 (むしろ美しいと感じた情景は皆無であった)。
物語そのものはこちらの方が面白かった。
サイベルの完璧な親ばかになるのでなく適度に子を突き放しているところも良かった。
親ばかに徹していたら、読むこちらがいやになっていたろう。

+1


書名 機動戦士Zガンダム 1〜5
著者 富野由悠季
出版 角川文庫(1987)
分野 小説

アニメ機動戦士Zガンダムのノベライズです。
原作のアニメを見ていないとよくわからないのではないのか、最も原作のアニメ自体が状況把握が難しいものだったので、サブテキストには良いのかもしれません。

原作に忠実なのでアムロもカイもやっぱり活躍しない、嗚呼。

この本の話からは脱線するがかつてこの著者の『ガイア・ギア』という小説のラジオドラマを耳にする機会があった、連続した何回かの番組中のただ一回聴いただけなのでストーリーはさっぱりわからないのだが。
その中で”スペースコロニーの空気は狭い中に多くの人が住んでいるので臭い”という表現があったことが今でも強く印象に残っている。
ああ、そうかと納得する思いがし、それゆえに今でも一回読んでみたいと思っているのだが。(中々ないですね『ガイア・ギア』は)
このZガンダムも所々人間の生活臭らしきものが感じられる描写などが顔を出して、そんなところが良いなと思いました。

-1


書名 霜のなかの顔
原題 The Face in the Frost (1969)
著者 ジョン・ベレアーズ
訳者 浅羽莢子
出版 ハヤカワ文庫FT(1987/10/31)
分野 ファンタジー

読みやすくて、短くて、でも、もうちょっと毒が欲しい。

-1

書名 三つの魔法
原題 The Magic Three of Solatia (1974)
著者 ジェイン・ヨーレン
訳者 宇佐川晶子
出版 ハヤカワ文庫FT(1985/04/15)
分野 ファンタジー

あー、甘い、甘ったるすぎる、子供の頃読むにはちょうど良かったかもしれないが。
今となってはちょっとね。

-1.5

書名 新恐竜
著者 ドゥーガル・ディクソン
出版 太田出版()
分野 SF

恐竜が絶滅せずに現代まで生き残っていたら。
それを想定して図鑑風に書かれている本です。
ティラノサウルスの末裔があんなんになっちゃってるよー、うひゃー。
それと知性化した恐竜が登場するかと思っていたけど、登場しないんですね。
それが登場しない理由も書かれていて、そうなのかーと思いましたが
でもやっぱり残念な気がしないでもない。

司書の駄弁者さんにお借りしました、ありがとうございました。
+2

書名 侵略者の平和 1〜3
著者 林譲治
出版 ハルキ文庫()
分野 SF

ばりばりのSF、この著者の今後が楽しみに思える。
でも、あまりSF読んだ気にならない。
何か謀略小説読んでるみたいだ。

0

書名 ムーンドリーム
原題 The Moon and the Face(1985)
著者 パトリシア・A・マキリップ
訳者 佐藤高子
出版 ハヤカワ文庫FT(1989/09/30)
分野 ファンタジー

「世界の涯てには何がある。そんな思いに駆られて、原始的な〈河世界〉から禁 断の旅に出たカイレオールとタージェ。彼らがたどり着いたのは、<河世界>と はまったく異なる高度な文明を営むドーム・シティだった。それから四年後、二 人はシティで訓練を積み、未開文明を研究する視察員となっていた。タージェは 故郷の<河世界〉の監視、カイレオールは他の惑星の小規模な文明の調査を命じ られた。だが、不安と期待に彩られた初任務を遂行する二人の行手には、それぞ れ思いもしなかった事態が待ち受けていた!待望『ムーンフラッシュ』の続篇」
裏表紙作品紹介より

この巻は、SFだよなー。どっちかと言えば。
『ムーン・フラッシュ』の続刊としては期待以上の出来だった。
これ単体をいきなり読むのは辛いだろうと思う。
お父さん寂しかったろうな、お父さんのために泣いてあげよう。

この本持ってなかったので『ムーン・フラッシュ』読んだ直後に
Yahooのオークションで結構な値で落札したんだが、その直ぐ後
BOOK OFFの100円コーナーで発見してしまったのだった、タイミング悪い、
お金がもったいなかった。

このマキリップという作家、実は埋もれた作家でもなんでもなくて、
知る人ぞ知る作家だそうだ、さもありなん。
いや、でもそれなら何で翻訳が絶えてしまってるんだろう。

+1


書名 公家アトレイデ 1〜3
原題 DUNE Houuse Atreides(1999)
著者 ブライアン・ハーバート、ケヴィン・J・アンダースン
訳者 矢野徹
出版 ハヤカワ文庫SF(2002/04/30)
分野 SF

フランク・ハーバートの書いた『砂の惑星』
その番外編が別の著者によって書かれた。
それがこの本になるのだが、時代は『砂の惑星』より前、
『砂の惑星』の主人公ポウル・アトレイデのお父さんが
今回の主役となる。
別の著者によるものだがそんなに違和感を感じなかった。
でも何より嬉しいのが、訳者の矢野徹さんのご健在ぶりだったりする。

-1

書名 AΩ
著者 小林泰三
出版 角川書店(2001/05/30)
分野 SF

ヘアーとか奇声を発する銀色の巨人が怪獣と戦う。
そうこれは、ウルトラマンのパロディSFなのだ。
うへー、ぐちょぐちょです、どろどろです、人間の血と肉で。>
それも最初から最後まで。
最も、気持ち悪りーとか思っていたのは最初だけで中盤以降は慣れてしまって何も思わなくなった。
やっぱ、ぐちょぐちょどろどろにもメリハリは必要ってことだね。

ウルトラマンのロケットパンチを見れるとは思わんかった。

0

書名 タイム・パトロール/時間線の迷路
原題 The Shield of Time(1990)
著者 ポール・アンダースン
訳者 大西憲
出版 ハヤカワ文庫SF(1995/02/28)
分野 SF

「西暦19352年に開発された時間航行の方法は、人類に多大な危険をもたらした。
この方法を悪用し、過去を都合よく改変しようとする者があらわれたのだ。
こうした時間犯罪を取り締まるためにタイム・パトロールが組織された。
その一員エヴァラードは、大規模な歴史改変をもくろむ<称揚主義者>を捕えよと命じられるが……
時流を縦横無尽に行き来して歴史を管理するタイム・パトロールの活躍を描く、時間テーマSFの傑作!」


原書の出版が1990年と新しめな事もあり、後期のアンダースンは、『百万年の船』といいこの本といい物事の描写が随分上手になっているなあ。
と思いました。
軽い恋愛要素も入っていい感じです。
しかし、この物語を楽しむには私の歴史の知識が少な過ぎたようで、後半ちょっとつらかった。
歴史のどこをどう変えたからどう変わったのかさっぱりでした。
無知な私が悪いんですが。

0

書名 W.W.II 戦車戦エース
著者 斎木伸生
出版 光栄(//)
分野 軍事

戦車戦エースとはいっても戦車兵そのものに焦点をあてたわけでなく、
いくつかの戦車戦を短編形式で紹介している。
軽く読めかつ、色々知ることができてとても良い。
が地図が一枚も掲載されていないのは大きな失点だと思う。
コテリニコヴオとかスタブローとか書かれても、
私はそこがどこにあるのか直感的にピンと来ない。
(上記2地点はさすがにそんなこともないか、でももっとマイナーな地名はねー。)
余談だが、ドイツの第10装甲師団をチュニジアに送らずにスターリングラード救出に振り向けたら、スターリングラード救出は成ったのだろうか?。


書名 目を擦る女
著者 小林泰三
出版 ハヤカワ文庫JA(2003//)
分野 SF、ホラー

早川書房から出版された2冊目の本?でいいのかな。
Jコレクションから出版された奴と比べてどうなんだろう。
私自身はこの本『目を擦る女』についてはあまり感じるところはなかったんだけれども。

-1


書名 歌の降る惑星
書名 うたかたの楽園
著者 菅浩江
出版 角川スニーカー文庫(1991//)
分野 SF

2冊でセンチメンタル・センシティブシリーズを構成しています。
一言で言ってしまえば菅版ダーティペアですね。
(怒られるかな?)。
相棒がかなりバカで読んでいて疲れる、これがいいのだと言う方もおられるでしょうが、
私はなんとかして欲しいと思いました(うんざり)。

「歌の降る惑星』の方のラストは泣ける良いエンディングを迎える。
このために読む価値はあると思う。
が私は泣けなかった、この程度じゃ泣けなくなった、摺れてしまった自分が情けない。

0


書名 不屈の女神
著者 菅浩江
出版 角川スニーカー文庫(1995/10/01)
分野 ファンタジー

ゲームのノベライズだそうです、だからといって悪いとは言いたくはないが。
酷い出来なのは酷い出来だ。
出来事があまりにも唐突かつ、ちぐはぐに思える。

-2.5


書名 アルタイルから来たイルカ
原題 The Dolphins of Altair(1967)
著者 マーガレット・セント・クレア
訳者 矢野徹
出版 ハヤカワ文庫SF(1983/03/31)
分野 SF

「遥かな昔、すでに地球上にはアルタイルから植民してきた知的文明を有する
水陸両棲種族が住んでいた。時の流れとともに彼らは二つの種族に
分かれ、一方は乾いた陸地を、他方は水中の生活を選び、
〈聖約〉を作って互いの領土を尊重し、兄弟として愛し合うことを誓って別れた……
それから何万年もの間、イルカ族は陸地に住む兄弟族とはなんの交渉も
もたなかった。
だがいまその兄弟族人類は、海水を汚染し、軍事目的のため何百頭もの
同胞を捕え、実験と称し殺している。〈聖約〉は破られたのだ!
ついにイルカ族は、全人類に対し宣戦を布告したが……
女流作家が描く傑作海洋SF」

裏表紙作品紹介より
アイデアを生かせぬまま、終わっているように思える。
終盤の展開が唐突で説得力がなさすぎる。

-2


書名 トリガー
原題 The Trigger(1999)
著者 アーサー・C・クラーク、M・P・キュービー=マクダウエル
訳者 冬川亘
出版 ハヤカワ文庫SF(2001/12/31)
分野 SF

「量子力学を研究するアメリカの科学者ホートンは自ら開発した粒子放射機が驚くべき効果をもつことを偶然に発見した。
装置の作動とともに周囲数百メートル以内のすべての火薬が発火するのだ。
しかも既知の手段ではそれを防げない。
トリガーと命名したこの装置ならば銃を持ちこめない安全地帯を作りだせる。
だがこれは世界の軍事力の均衡を崩す危険をはらんでいた。
先端技術が招く世界秩序の危機をスリリングに描く長篇SF。」

裏表紙作品紹介より
こんなのクラークじゃないやい、例えば『グランドバンクスの幻影』この小説の最後の 2ページ、このとってつけたようなラストシーンが読めるだけでも私は満足する人なんだ。
それまでがいくら退屈でもだ、宇宙の視点からみた人類の儚さのようなもの、それが書けるのもクラークの長所だと思う。

だけど、この小説にはそんな所が何もないじゃないか。
(未だ1作しか読んでないのにこういうのも何だが)マクダウエルだって単独で書いた方がよかったんじゃないかと思う。
マクダウエル一人だったら、もっと一風変わった未来を垣間見せてくれたんじゃないだろうか。もしくはトリガーのラストの続きからがマクダウエルの本領発揮かもしれない。
そういえば、この『トリガー』、マクダウエルの『アースライズ』に似通ったところjがある。
当然といえば当然か。

-2


書名 タンタロスの輪
原題 The Expendables, The Rings of Tantalus(1975)
著者 リチャード・エイヴァリー
訳者 宮脇孝雄
出版 創元推理文庫(1980/07/04)
書名 ゼロスの戦争ゲーム
原題 The Expendables, The War Games of Zelos(1975)
著者 リチャード・エイヴァリー
訳者 石田善彦
出版 創元推理文庫(1980/10/24)
分野 SF

植民惑星開拓のための先遣部隊の活躍を描くスペース・オペラ”コンラッド・消耗部隊”シリーズの第2,3弾です。
重力の小さい火星で超人となるジョン・カーターの活躍を読むのが痛快なのと同じように、鋼鉄の義手でもって殴り合うコンラッドの活躍を読むのも痛快なのかもしれない。
レギュラーキャラクターに再会できる、続編なりの楽しみもあるし。
堅いことをいわずに読むがよろし。

-1


書名 瞬きよりも速く
原題 Quicker than the Eye(1996)
著者 レイ・ブラッドベリ
訳者 伊藤典夫、村上博基、風間賢二
出版 早川書房(1999/10/15)
分野 SF

「ある夜、マジック・ショーの舞台でわたしは見た。自分にそっくりの男が、女手品師 に手玉に取られるさえない姿を一一不条理な感覚をシニカルに描いた表題作「瞬 きよりも速く」をはじめ、精神科医とその患者のやりとりの奇怪さをきわだたせた「U ボート・ドクター」、夜こと庭に現われる美しい女幽霊への恋慕を描いた「芝生で泣 いてる女」、むかし見たコメディの記憶がノスタルジックによみがえる「またこのさ まだ」、□サンジェルス大地震の恐るべき秘密を暴いた「ザハロフ/リヒタースケー ルV」、そして、この世に生を受けた愛すべきすべての作家たちに捧げるレクイエ ム「最後の秘跡」など、幻想と暗喩に満ちた全21篇を収録。 グロテスクな怪奇幻想をロマンチックに描き、幅広い層に根強い人気を持つブラッ ドベリ。イメージの魔術師が、目にも止まらぬすばやさで繰りだす、色あさやかなシ ルクのような21の夢想をお楽しみあれ。」
カバー作品紹介より

感想かー、うーん、うーん。
私がもう少し老いてから読んだら、何か感想が出てくるかもしれないなー。
(←素直に面白くなかったと言え、オレ、…それではSFファンとしての体面がー。)

-1


書名 悪鬼の種族
原題 THE DEMON BREED(1968)
著者 ジェイムズ・シュミッツ
訳者 冬川 亘
出版 ハヤカワ文庫SF(1980/03/31)
分野 SF

「人類の築いた一大帝国ハブ連邦の外縁近くにほとんどすべてが海におおわれた
惑星ナンディ=クラインがあった。
大小無数の森林がその海上に浮び,潮流のまにまに漂っている。
いま、奇妙な生態系を有するこの辺境の惑星に.人類の恐るべき敵
パラファン族がひそかに侵攻しつつあった。かつて人類との星間大戦に完敗し,
みずからの星雲へと逃げかえったかれらは,ふたたびその勢力をたてなおし
一斉攻撃の機をうかがっていたのだ!
ふとしたことからこの事実に気づいた美人野外生物学者ナイルは,
ただ一人この怖るべき敵に戦いを挑んだが!?
痛決無比の傑作冒険SF」

扉解説より
『ライオン・ルース』収録の「トラブル・タイド」と同じ主人公同じ舞台での話です。
殺人ビーバーとか色々な生物が出てきて面白かった。
もっとこの作家の作品を読んでみたい。
シュミッツって生態系SFが得意とされているけど、その割りに描かれる世界がチープな印象があって、その分損しているのかもと思う、堅苦しくなくていいと私は思うのだが。

イラストレーターは佐藤道明氏だがかなり初期のイラストらしくて絵柄が現在と随分異なる、クレジットが記してなかったら判らなかったろう。

+1


書名 竜の夜明け
原題 Dragonsdawn(1988)
著者 アン・マキャフリイ
訳者 浅羽莢子
出版 ハヤカワ文庫SF(1990/03/31)
分野 SF

射手座区にある恒星ルクバトの第三惑星パーン─緑ゆたかなこの星に、いま、地球から三隻の植民船が飛来した。FSP(生命既存惑星連邦)の法にのっとりこの地に理想の植民地を建設するのが目的だ。ヨコハマ号の船長ポール・ベンデンの指揮の下、処女地パーンにふさわしい、科学技術にたよらない共同社会を築くための政策がつぎつぎと実行にうつされた。地球から冷凍輸送してきた植物や家畜もパーンの自然環境に適応し、人びとは広大な土地を自由に開拓していく。植民地として、パーンはなにひとつ欠点がないように思われたのだが…?!」
裏表紙作品紹介より
パーンの竜騎士シリーズの外伝です、パーンに人々がやってきて、定着するまでの物語です。
正編でおなじみとなった地名の元となった人々がどんな人々だったか。
竜騎士のシステムがどのように形成されたか。
また、パーンの竜騎士の世界もまた、”歌う船”や”ローワン”のシリーズ(正式名称を知らず)と同じ背景のなかの一つだったころがわかる。

相変わらず小蜥蜴がかわいい、それに、竜がいなくても彼らだけで糸胞に対抗できるような気がしなくもない。

+1


書名 復讐の女艦長
原題 Field of Dishonor(1994)
著者 デイヴィッド・ウェーバー
訳者 矢口悟
出版 ハヤカワ文庫SF(2001/07/31)
分野 SF

「ハンコックでの激戦のさなか、負傷した司令官サーナウ提督に
代わり、戦隊の指揮をとったオナー・ハリントンは、劣勢な味方を
見事に勝利へと導いた。だがこの時、ただひとり彼女の命令に従わず、
敵前逃亡をはかった艦長がいた。その名はパヴェル・ヤング――
士官学校時代以来、優秀なオナーに反感を抱き、彼女を敵視し
つづけてきた名門貴族の嫡男である。戦闘後、航宙軍はヤングを
裁くべく軍事法廷の開廷を決定したが……」

裏表紙作品紹介より

書名 航宙軍提督ハリントン
原題 FLAG IN EXILE(1995)
著者 デイヴィッド・ウェーバー
訳者 矢口悟
出版 ハヤカワ文庫SF(2002/08/31)
分野 SF

「マンティコア航宙軍に半給休職を申し渡された
オナー・ハリントンは友邦グレイソンで領主として暮らしていた。
男尊女卑の傾向が強いこの国の保守勢力と対立しながらも彼女は
領地経営に手腕を発揮している。そんな折、戦力充実を急ぐ
グレイソン航宙軍からオナーを提督として迎えたいとの要請が。
これを引き受けた彼女は、ついに艦隊を率いることになる。
だがその頃、宿敵テイヴン人民航宙軍が不穏な動きを見せはじめていた!」

裏表紙作品紹介より
”オナー・ハリントンシリーズ”と言えば艦隊戦である、艦隊戦だったら、
”シーフォート・シリーズ”や”ヴォルコシガン・シリーズ”といった他のミリタリーSFを10馬身ぐらい引き離してゴールするぐらいの力があるのである。
だけどこの『復讐の女艦長』も『航宙軍提督ハリントン』も艦隊戦がほんのちょっとしか出てこないのだ、これでは騎手が落馬しているのと同じで良くないのである。
おまけにそのほんのちょっとの艦隊戦も"でかい艦"で"ちっこい艦"を踏み潰しているだけなので、ちっとも美しくないのである。

追記
『巡洋戦艦<ナイキ>出撃!』の感想で”相変わらず、戦争ばかりだ。”と文句をたれているのに気付いた、なんて自分勝手なんだろう。(汗)
でも艦隊戦のないハリントンは艦隊戦ばっかのハリントンよりもっといけないことに気付いたので前言は撤回しないのだ。

-2.0


書名 非情の灼熱惑星
原題 The Rim-World Legacy(1967)
著者 F・A・ジェイヴァー
訳者 野口幸夫
出版 ハヤカワ文庫SF(1987/06/30)
分野 SF

「物好きな観光客さえ立ちよらない、銀河辺境の灼熱惑星ポルドロギ。
そこの安宿で、元宇宙海軍写真兵曹のパイクは、仕事もなく惰眠をむさぼっていた。
そのかれをわざわざ訪ねてきた絶世の美女――
彼女の依頼は、つまらないスナップ撮影の仕事だった。
だが、それがパイクを思いもよらぬ陰謀にまきこんだのだ!
突然マッシャー・ビームで狙撃されたのを手はじめに、
わけもわからぬうちに殺人事件の容疑者にされ、
警察とギャングの両方に追いまわされる。
真相を究明すべく、ついに立ち上がったパイクが知った事実、
それは銀河を震撼させる恐るべき秘密だった……!」

裏表紙作品紹介より
中々頭の中に入ってこなくて読むのが辛かった。

-2

書名 階層宇宙の創造者
原題 THE MAKER OF UNIVERSES(1973)
著者 フィリップ・ホセ・ファーマー
訳者 浅倉久志
出版 ハヤカワ文庫SF(1973/12/15)
分野 SF

「空っぽの地下室の押入れの中から,ロバート・ウルフはふと,
かすかなラッパの音を聞いた。戸を開けた彼の眼前に広がる別世界
鮮緑色の空の下,異様な草木生い茂り,妖精怪獣,伝説の動物が気ままに暮す
怪しくも美しいその世界が,年老い疲れ果てた彼の心を激しく魅了した。
ギリシャ神話の世界,アメリカ・インディアンの世界,中世騎士の世界……。
上帝と呼ばれる謎の種族が各界階段状に積み上げ創造した≪階層宇宙≫に
飛び込んだウルフは,再び若さを取り戻すや,異次元からの侵入者にさらわれた
猫目の美女クリュセイスを救おうと,最上層の世界めざして絢爛華麗なる冒険の
旅に立つ!新シリーズ!」

扉解説より

書名 異世界の門
原題 The Gate of Creation(1966)
著者 フィリップ・ホセ・ファーマー
訳者 浅倉久志
出版 ハヤカワ文庫SF(1974/10/31)
分野 SF

書名 階層宇宙の危機
原題 A Private Cosmos(1968)
著者 フィリップ・ホセ・ファーマー
訳者 浅倉久志
出版 ハヤカワ文庫SF(1975/03/31)
分野 SF

書名 地球の壁の裏に
原題 Behind the Walls of Terra(1970)
著者 フィリップ・ホセ・ファーマー
訳者 浅倉久志
出版 ハヤカワ文庫SF(1975/05/31)
分野 SF

≪階層宇宙≫シリーズはこの4冊以降も続くのだが、日本での刊行当時まだ4冊しか出版されておらず、翻訳は頓挫してしまったままになってしまっている。
エンターテイナーとしてのファーマーの力が存分に発揮されていると思うので、
翻訳の頓挫はとても残念だ。

”階層宇宙”というぐらいだから、各巻毎に冒険する階層を変えるだけかと、
思っていたら、そうではなかった、もっと大きく冒険する場所は変わり、各巻毎に趣向を変えて楽しませてくれる。

+1

書名 鵺姫真話
著者 岩本隆雄
出版 ソノラマ文庫(2000/08/31)
分野 SF

『星虫』と同じ世界を背景とするが、ストーリー自体の関連はほとんど無いので、
これ単体で読める。
うまく纏まったタイムトラベル物、その纏め方には感心する、が驚かなかった。
昔話になるが、昔の私は最も単純なタイムトラベル物にもっと大きな驚きを感じていた、
読み始めた頃のSFが一番面白いものなのだろう。


書名 ゼロ戦
著者 碇義朗
出版 光人社(2001/10/)
分野 軍事

零式艦上戦闘機の生涯を、開発状況、戦闘状況、両面から追って紹介している。
少ない文章量で良く纏められている。
ある方のこんな回顧が紹介されていた。
要約するとこうなる「訓練では7.7ミリ機銃でしか射撃したことがなかった、Gがかかった状態で射撃すると7.7ミリ機銃と20ミリ機銃の弾道は大きく異なってるので、
20ミリ機銃を初めて実戦で射った時には驚いた。
7.7ミリで狙いをつけてから20ミリを射つことが推奨されていたが、
私はそんな面倒なことはできないので、同時に射っていた。」



書名 ネメシス
原題 Nemesis(1989)
著者 アイザック・アジモフ
訳者 田中一江
出版 ハヤカワ文庫SF(1997/02/15)
分野 SF

「時は2220年。植民衛星ローターの天文学者ユージニアは、
太陽からわずか2光年のところに未知の恒星を発見した。
おりしも地球からの独立を望んでいたローターの指導者ピットは、
秘密裡に太陽系脱出を計画。独自に開発したハイパー・アシスト
駆動を利用して、衛星の住民ごと新世界へ旅立った。
だが、人類の新たな故郷になるはずのこの星――ネメシスは、
やがて太陽系におそるべき打撃をもたらすことになる
災厄の星だった!」

裏表紙作品紹介より
わずか2光年の場所に新たに恒星が発見されたり色々設定に無理がある。
読むのに、なんか気乗りがしない。
ところが案外面白く読めてしまったから、驚いた。
危機が5000年後だというのに、わすか一世代の間にすべて解決してしまうのも意外な展開だった。
ところで恒星ネメシスの接近によって地球に人が住めなくなるのはいいとして。
ネメシスの回りを回る衛星だって同じような変動が起こるんではないのだろうか?。
まあ、最後に全て解決するからいいんだけど。

0


書名 プラネットハザード -惑星探査員帰還せず
原題 Expendable(1997)
著者 ジェイムズ・アラン・ガードナー
訳者 関口幸男
出版 ハヤカワ文庫SF(1999/02/28)
分野 SF

身体が醜い人間が死んでも、軍隊の士気低下は少ないから、身体が醜い人間を危険な任務につけてしまえ。
そんな面は実際にあるかもしれない(し無いかもしれない)けれどそれを小説で読まされるのは、とてもいやだし、最初のうちは凄くえぐかった。
しかし終盤そんな消耗部隊的なところから、話の焦点がちょっとずれていって、(完全にすれてしまったわけではないが)助かった。し面白くなっていった。

-1

書名 奇妙劇場2 ロングバケーション
出版 太田出版(1991/07/23)
分野 SFなど

"ロングバケーション"に題材を置いた短編ばかり収録されたアンソロジー。
中井紀夫の短編はこの人の良い面が発揮されていて、良かった、さすがだ。
岡崎博明の短編のオチには、ナルホドーとあいづちを打った、うまい。

中井紀夫、岡崎弘明著の両短編に+1.5,その他は0前後


書名 ナイト・ボート
著者 ロバート・R・マキャモン
出版 角川ホラー文庫(//)
分野 ホラー

素直に戦争小説にしてしまった方が良かったのではないだろうか?。
面白いんですか?これ。

-3


書名 インド洋航空戦 上
著者 谷甲州
出版 中央公論新社(2003/09/)
分野 仮想戦記

「昭和一九年一月、インド洋では英印連合軍が護衛艦群の配備
を強化、帝国海軍は水上艦挺の動きを制約され始めていた。こ
の状況をみた艦隊司令部は、開戦当初は戦果を上げた特設巡洋
艦による交通破壊戦の打ち切りを決めた。オーストラリア孤立
化を図りインド洋の期監隊を磯滅するという目標は、戦力不足
により頓挫したのだ。だが、アンダマン海の制空権を断念した
帝国軍の前に「セイロン島南方海面に敵空母発見」の報が。
果たしてインド戦線は持ちこたえられるのか? 」

裏表紙作品紹介より

覇者の戦塵シリーズ今回は1944年のインド洋方面に舞台が移る。
仮装巡洋艦と零観、零式小型水偵大活躍の巻。
こちら方面は史実とかなり様相が異なってきている。

+2


書名 帝国海軍ガルダ島狩竜隊
著者 林譲治
出版 学研(2003/01/20)
分野 SF

「昭和19年1月、ビスマルク諸島北方に位置する小島、ガルダ島に航空基地建設の
目的で上陸した、日本軍部隊があった。第369海軍設営隊一トラック島防衛という
よりは、トラック島に対する被害極限のために、島に送りこまれた男たちである。だが、
米軍の攻撃でトラック島は陥落。設営隊は敵の勢力圏内に取り残された。救出どこ
ろか、補給すら届かない状況の中、設営隊の面々は自活を始めたが、食糧事情は劣
悪だった。そんなある日、数人の兵士が穴の中に消えた。後を追った兵士たちは、そ
の穴の先にある奇妙な世界にたどりついた。島の植生とは明らかに違う植物群。そ
して、そこにいたのは、想像の産物でしかなかった太古の絶滅動物一恐竜だった!!」

裏表紙作品紹介より
時空の歪み(みたいなもの)を通り日本兵達が恐竜達(とはいっても、ある理由によってティラノサウルスとトリケラトプスだけだ)の住む世界に入りこむ、
補給の途絶えた孤島に展開している彼らは食料源として恐竜狩りと始める。
トリケラトプスは不味くて食えたものじゃないけど、ティラノサウルスは美味いそうだ。
林版ロストワールド、軽く読めて面白いからおすすめ。
でも、SFで軍事の薀蓄たれるのはページの無駄だからやめて欲しい。
いや、これは仮想戦記ファンをSFに引きこむ罠か?。
それならOKだ。

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