2003年4月の読書感想


書名 指揮官と参謀 −コンビの研究−
著者 半藤一利
出版 文春文庫(1992/12/10)
分野 軍事

何故戦争が発生するのか?、複雑で私には理解できないのですが。
結局、そこに戦争を望む人間が居ればこそ、歯止めがかからぬことになるのだね???。

書名 海軍航空隊、発進
著者 源田實
出版 文春文庫(1991/08/10)
分野 軍事

古賀清登,間瀬平一郎,望月勇といった初期の名だたる戦闘機搭乗員が登場する、文庫本だから値段も安いし一度は目を通しておくと良いと思う。
とか今頃何を言っとるのかね、私は。

二座水偵に掩護されることについては、掩護される艦爆の方でも何故?の声があったそうだ、爆弾さえ捨ててしまえばフロートの無い分身軽ですから当然そういった声も出てくるでしょう、直掩の艦戦の数さえ足りていれば不用だったでしょうけれど・・・。(中国戦線での話です)

書名 未知の剣
著者 渡辺洋二
出版 文春文庫
分野 軍事

単行本で買っておきながら、読む前にあっさりと文庫本になってしまった。
陸軍の航空審査部の戦闘機隊についての本、残念ながら他機種についてはほとんど触れられていない、扱う対象から外れているのだから仕方ないのですけれども。
内容面ではおおいに満足しましたですよ。
姉妹編として横空のことも書いて欲しいなあ。
特に初期における、水戦部隊の編成に関する部分なんか書かれていたら喜んで読むのになあ(少数派か?)。


書名 復讐の序章
原題 Star King(1964)
著者 ジャック・ヴァンス
訳者 浅倉久志
出版 ハヤカワ文庫SF(1985/09/30)
分野 SF

「平和な町マウント・プレザントは、一瞬にして阿鼻叫喚の地獄と化した。
極悪非道の限りを尽くし、宇宙を恐怖の淵に叩きこむ五人の悪の貴族<魔王子>たちが、突如襲撃してきたのだ。
町はまたたくまに灰塵に帰した。
酸鼻を極めたこの殺戮劇をただ一人生きのぴたガ一セン少年は、生涯を賭した魔王子への復讐をおのれに誓った!
忍耐と修練の歳月を経て、いまガーセンは立ち上がる。
第一の目標は、冷酷この上なきアトル・マラゲート。
わずかな手掛りを頼リに彼は必死の追跡を開始したが……
SF界屈指のスタイリストが、不撓不屈の男の復警行を華麗に描く五部作、堂々の開幕!」

裏表紙作品紹介より
というわけで1人目の抹殺完了です。1巻で一人倒してゆくのであと4冊続きます。
1巻だけでも充分に面白いので、5冊そろってないからと躊躇している方は待たずに読んでしまうが吉です。
うむ、復讐する相手が少し弱い気がするんだが、やはり1作目だからだろうな、これからどんどん強いのが出てきて5巻に出てくるのがボスキャラなんだろう(確証なし)。


書名 地獄に堕した者ディルヴィシュ
原題 DILVIDSH、THE DAMNED(1981)
著者 ロジャー・ゼラズニイ
訳者 黒丸 尚
出版 創元推理文庫(1988/09/02)
分野 ヒロイック・ファンタジー

「一度は〈闇の者〉ジェレラクの手により地獄に堕とされた伝説の騎士、ディルヴィシュ。
いま、彼はこの世のものならぬ漆黒の鋼の馬ブラックを伴い、
ボータロイに甦った。彼を待ち受けるものは<西の将>ライリシュ、そして宿敵
ジェレラクの要塞、氷の塔,……。神話性をたたえた、
異才ゼラズニイの代表的ヒロイック・ファンタジイ、ここに邦訳なる!」

裏表紙解説より
ゼラズニイのヒロイックファンタジー、これは面白かった。
ディルビシュはスタイリッシュでかっこいい、まるで”D”みたいだ。
相棒の馬ならぬ馬のブラックもその秘めたる力がかっこいい。
2人(匹?)がかっこいいぶん、とりまくその世界が目立たないというか、魅力に欠けるように思えてしまう。
これは、続刊を読まずに我慢することはできそうにないな。


書名 海軍主計大尉の太平洋戦争
著者 高戸顕隆
出版 光人社NF文庫(1999/03/10)
分野 軍事

駆逐艦照月に乗り組み乗艦撃沈経験のある著者の手記です。
第3次ソロモン海戦第3夜における米軍の吊光弾下に浮かび上がる日本艦隊の姿は印象的だった、しかし、レーダー射撃を行うのになぜ吊光弾が必要なのか?。
もちろん、ベストを尽くすのは大切でそのために視認できるような状況を作り出すことには異存はないのだが、疑問は吊光弾が無かったらどうなのか?ということです。

一番印象に残ったのが、南太平洋海戦の終わりがけに発生した照月が小破した場面です、戦史にはただ小破としてしか書かれぬであろうとるに足らぬ事件、いやふれられることすらないやもしれぬ小さな事件(私は記憶していませんでした)ではあっても、苦しみ死んでいった者がそこにはいる、このことは戦史を読んで行くうえで常に意識しておかねばならないと自戒する。



書名 防空駆逐艦「秋月」爆沈す
著者 山本平弥
出版 光人社NF文庫(2001/06/17)
分野 軍事

駆逐艦秋月において乗艦撃沈経験のある著者の手記です。
著者は従来流布されている秋月の潜水艦の雷撃による撃沈説に疑問を持ち、調査検証のうえ敵機の爆撃により撃沈されたことを明かにしている。
本書で述べられている敵機の襲撃方法は非常に巧妙なものであった、それは偶然であったのか、意図されたものであったのか?。


書名 遥かなるロリアン −潜水艦イ52主計兵航海日誌−
著者 水嶋雅之
出版 文芸社(2003/01/15)
分野 小説

小説かよー、参った完全に騙された、かなり恥ずかしいぞ。
ドイツへの連絡に出されビスケー湾付近で連絡を絶った伊52潜の主計兵の手記の形をとった本書ですが、ペナンあたりで途中で降りるのかな?と思っていたら、そうではなく航海を続けます、さすがにおかしいと思い後書きを読んだら小説であることが明記されていてやっと気付いたありさまだった。
著者は後書きで小説であると明記しているので問題はないのですが、「潜水艦イ52主計兵航海日誌」と副題をつけたうえで小説であることを明記していない出版社側には問題があると思う。
何しろ騙されたぐらいなので良く出来た小説だとは思います、ただ淡々と今日はどんな食事を用意したとその苦労と共に日々の記述が記述されているだけなので娯楽作を求める方にはどうか?とは思う。
私は航海の最初の頃の食事は美味そうだなとか楽しみながら読んだ。

ただ私は(例外はありますが)戦記小説を読むことに価値を見出していないので・・・。


書名 魔法半分
原題 Half Magic(1954)
著者 エドワード・イーガー
訳者 渡辺南都子
出版 ハヤカワ文庫FT(1979/12/15)
分野 ファンタジー

ファンタジーというより児童書を読む感のある本だった。
4人兄弟が何でも半分の事がかなうお守りを見つけたのだが。
彼らはすぐに対応策をみつけてしまいます、倍にしてお願いすればいいんだ。
”家までの距離の倍だけ家の方向まで移動できますように”とか。
こんな願いをお守りは素直に半分だけかなえてくれるもんだから・・・。
何でも願いがかなう物語を読んで何が面白いんだろう、いや別に人が不幸になる物語が読みたいわけじゃないけど、やっぱり苦難を乗り越えて幸せになりましたというのが物語りの王道ではないのだろうか。


書名 亡国のイージス
著者 福井晴敏
出版 講談社文庫(2002/07/15)
分野 冒険小説

平凡な小説だなと思ったのは感想なのか唯の悪口なのか。
冒険小説ってやつは何か感動させるような英雄的行動をとる人物が出て来るものだと思うのだが(偏見か?)。
退屈な人物ばかりだ。


書名 最後の関東軍
著者 佐藤和正
出版 光人社NF文庫(2001/01/12)
分野 戦記小説

ソ満国境において終戦まで抵抗を続けた勝鬨要塞における戦記小説、戦史叢書においてもわずか数行の記述しかなくあまりの情報の少なさに小説として書かざるを得なかったそうです。
仕方ないことですね。


書名 特型駆逐艦「雷」海戦記
著者 橋本衛
出版 光人社NF文庫(1999/12/14)
分野 軍事

駆逐艦雷に乗艦して開戦時から1943年4月まで戦った著者の手記です。
ちなみに雷は1944年4月に沈没する。
アッツ島沖海戦における日本艦隊の戦い方を後方にいる者が現場も知らずに批判する事に対して、現場で戦った著者は憤りを覚えるともらしているが、それはそうだろうと納得する。
戦後のうのうと生きている私なぞはもうちょっとうまく戦えなかったものかと思ったりすることがあるのは事実ですが。
駆逐艦の戦いとそれに乗艦していた人の日常についてよくわかる本です。


書名 白色の大閃光 −米英軍兵士の太平洋戦争−
編訳者 西村建二
出版 筑波書林(2003/08/15)
分野 軍事

編者は太平洋戦争における交戦相手の戦記を訳して紹介しつづけている方で、以前にもそれらの紹介作を集めて『最前線の戦闘』(私の感想)という本を出版している。
今回掲載されているのは。
「白色の大閃光」(原爆投下)。
「オキナワ」(オキナワ戦)
「神風特別攻撃隊と戦って」(ピケット艦)
「ビルマの北部戦線」(英指揮官スリムの手記)
「捕虜 イギリス軍医の手記」(泰緬鉄道建設)
です()内は私の注釈。
前回は前線における兵士の戦闘の記事ということで戦術的なことを扱った記事が多く、目新しさがあってよかったが、今回は作戦的な経過を紹介している記事が多くて新鮮味に乏しさを感じた。
ただこうして米英側の記事を紹介してくれている編訳者の仕事には感謝したいと思う。
次回の出版にも期待したい。

書名 激闘ラバウル防空隊
著者 齋藤睦馬
出版 元就出版社(2001/08/15)
分野 軍事

ラバウルの防空部隊で戦った著者の手記、機関砲部隊は有効だったが高射砲は高速な敵機に追随するのは大変だったようなことが、少し書いてある。


書名 変幻の地のディルヴィシュ
原題 The Changing Land(1981)
著者 ロジャー・ゼラズニイ
訳者 黒丸尚
出版 創元推理文庫(1990/02/02)
分野 ヒロイック・ファンタジー

「変幻の地。そこは、この世のものならぬ力に支配された場所。
その中央に聳える≪超時間城≫こそは、史上最強の魔術帥ジェレラクの根拠地である。
この城に隠された強大な古の力を手にいれんと、足を踏み入れた者は数知れないが、一人として目的を遂げて帰還した者はなかった……。
伝説の騎士ディルヴィシュと、宿敵ジェレラクとの対決の時が迫る。」

裏表紙作品紹介より
『地獄に堕した者ディルヴィシュ』が短編集だったのに比してこちらは長編かつシリーズの完結編、(ただし海の向こうでは続編が書かれているかもしれません)。
魔術師ジェレラクとの宿縁に決着がつくとなれば読まぬわけにはいかぬが、やっぱり短編の方が良いと感じる。
少しダレタところを感じる。
この本はシリーズのファンに対するボーナストラックと考えるべきか。
”ブラック”の正体もわかるし、前巻が面白かった人は読んだ方が良いと思います。


書名 炎の海
著者 牧島貞一
出版 光人社NF文庫(2001/11/16)
分野 軍事

太平洋戦争時に従軍記者だった著者の手記。
思ったままを書いてくれてあるため、非常に参考になる。
千早大尉や村田少佐 大森兵曹など海軍航空隊の搭乗員が沢山登場し往時の姿を偲ばせてくれる。
読んで見て欲しい。
『続 炎の海』という本も同文庫より出版されている、これは『炎の海』のミッドウェー海戦の部分だけ抜き出し、『炎の海』出版後に寄せられた情報を加筆して出版されたもので、重複する部分が多いので、後回しにしようと思っています。


書名 ゲートキーパー 下
著者 草上仁
出版 ソノラマ文庫(2003/03/)
分野 SF

スターハンドラーシリーズもこの巻で大団円を迎えるらしい。
いつまでも だらだら続けられるよりは この方がいい。
この巻は未だ賞味期限が切れてないから 面白く読める。
著者は次に どんな小説を書いてくれるのか 読んだそばから次作が待ち遠しい。


書名 日米太平洋空戦史
原題 USAAF AT WAR IN THE PACIFIC()
著者 ディヴィッド・マンディ、ルイス・ノールズ
訳者 川口靖
出版 講談社(1983/11/18)
分野 軍事

期待外れ、別に日本軍の損害は日本の本で分かるからいらない。
必要なのは連合軍の損害がどれだけだったかという情報だ。
原書は基本的には写真集なので無茶な注文ではあるのだが。
北東方面の航空戦においてある期間に失われた米機72機のうち戦闘によるものは9機にすぎなかった。
同じく北東方面において密雲上からの通常爆撃はまもなく打ち切られた(つまり低空爆撃に移行したということ)。


書名 ラプソディ −血脈の子−
原題 ()
著者 エリザベス・ヘイドン
訳者 岩原明子
出版 ハヤカワ文庫FT(2001/04/30)
分野 ファンタジー

「にぎわう港町その美しさゆえに 町の有力者に横恋慕、肘鉄を くわせたラプソティは、かれの放 った追っ手から逃げていた。見知 らぬふたり連れの助けで難を逃れ たものの、ふたりは返礼として彼 女に旅の同道を求める。じつはラ プソディは、歌声によって事物の 性質をも変える<歌い手>として の訓練を終えたばかりだった。そ の能力に気づかれたのか?美し き<歌い子>の波瀾万丈の冒険を 描くファンタジイ巨編堂々開幕!」
裏表紙作品紹介より

長かった、終わり方も一区切りついたって所ではっきり決着はついていない。
続刊も翻訳されているが、更に続きがあるらしい。
読んでいる間はそれなりに楽しめるが時間対効果悪しですね。
この点についてはロバート・ジョーダンの長大なやつとかもっと酷そうなものがありそうだから、『ラプソディ』に関しても悪し様に罵れないのですけれども。
おばあさん役やお姉さん役を務める主人公は格好いいぞと思ったが、別に彼女は格好つけのためにそんな行動をとっているわけじゃないのが偉いね。


書名 フィリピン決戦 −日本の戦歴−
著者 村尾国士
出版 学研M文庫(2001/09/20)
分野 軍事

フィリピンの地では49万8600人の日本兵が命を落としているそうです、これは中国戦線の戦死者数を上回り最大の犠牲者数だとのことです。
いきなり詳細な1944年におけるフィリピン戦の本を読むのはつらいのでそれの予習用に良いのではないかと思います。


書名 山本五十六の誤算
著者 宮野成二
出版 読売新聞社(1992/08/15)
分野 軍事

開戦時からミッドウェー海戦までの日本機動部隊の戦いについて書いてある。
巻末に伊23潜の乗り組み員だった方の日記が収録されている、これが有りがたい、開戦当初米本土西岸で活動した記録です。


書名 陸軍カ号観測機
著者 玉手榮冶
出版 光人社(2002/07/15)
分野 軍事

日本陸軍のオートジャイロ、カ号観測機についての本です。
オートジャイロの歴史と仕組みから初めて、カ号観測機の開発から生産そして配備まで網羅し、かつ判り易く書いてある。
とても良い本で興味のある方はぜひ読んでみて欲しいと思います。
おそらく満足されることでしょう。
当然なことながらこの機体に興味の無い方には面白くも何ともないでしょう。


書名 サボ島沖海戦
原題 Savo(1961)
著者 R・F・ニューカム
出版 光人社(1998/04/11)
分野 軍事

第1次ソロモン海戦についての本です。
8月8日の米機動部隊の戦闘機の損害は9機だそうです。
『ガダルカナルの戦い』(私の感想)にはこの日のエンタープライズ搭載機の米戦闘機搭乗員の戦死者数が6名と書いてあるところからみても、やはりこの日はそれだけの損害が出ているのだろう。
8月7日、8日両日の米戦闘機の損害が21機と伝えられていますが、この前日の損害が戦闘機11機、艦爆1機なので、戦闘機が両日で21機失われたのではなく艦載機が両日で21機失われたというのが正しそうですね。
疑問はこの日行われた空戦がどのようなものであったのだろう?というもので、日本側の記録を見る限りではこの日、米軍機にこれほど大きな損害が出ているような気配が無いような印象がある。
やっぱり米軍側からみたある程度詳細な空戦史の翻訳本が欲しいと思う。
他に、この夜吊光弾投下任務のため日本の重巡より射出された偵察機が帰投しなかったと記述されており、又解説者の一人も(自分には)近辺の島にも帰投したとは確認できていないと記述しているが、果たして実際にはどうだったのか?。
どこかで近辺の島に帰投したとの記述を見た覚えがあるのだが、はっきりしない、今後の課題として注意していようと思う。

余談であるが、『ガダルカナルの戦い』の訳者はその後どんな本を訳されているのであろうと思い調べてみたらその後の翻訳はなかった、あろうことか『ガダルカナルの戦い』も品切れになっていた、何てことだ、良い本なのになあ。


書名 火星の戦士1 野獣の都
原題 The City of the Beast(1965)
著者 マイクル・ムアコック
訳者 矢野徹
出版 ハヤカワ文庫SF(1972/06/30)
分野 SF

「物質移送機の開発に腐心する若き物理学者マイクル・ケインは,
その究極の目的――人間移送の実験に着手した。
送り出される人間はだれあろう彼自身。
失敗の可能性は万に一つもあり得ぬはずだったが――スイッチが入った次の瞬間,
彼は,なんと真紅の植物生い茂る奇妙な異境の平原に立っていた!
そして驚く彼の目に飛び込んできたのは,
かぐわしい大気の中をひた走る巨大な怪獣と全裸の美女……。
神秘に満ち,野蛮で,しかも美しい太古の火星世界に放り込まれた地球人ケイン
を待つ,剣と恋と波瀾万丈の冒険!
俊英ムアコックが創造した“新”火星叙事詩第一弾ここに登場!」

扉作品紹介より

書名 火星の戦士2 蜘蛛の王
原題 The Lord of the Spiders(1965)
著者 マイクル・ムアコック
訳者 矢野徹
出版 ハヤカワ文庫SF(1972/10/31)
分野 SF

「運命の気まぐれから,カーナラの美女シザーラとの結婚前夜にひとり地球へもどる破目となったマイクル・ケイン。
火星での恋と冒険の日々が忘られぬ彼は物質移送機を独力で完成.再び火星に出発したのだが−−
愛する人ともめぐりあえぬまま,彼は巨人族メンディシャーの内乱に巻きこまれ,はては人跡未踏の大森林深く,巨大な蜘蛛の支配する蜘蛛人間の巣窟へとさまよいゆく……。
一方,カーナラは同盟国との対立により滅亡の危機に瀕し.しかもその陰には妖女ポルグールの魔手がひそかに蠢いていた!
パロウズの伝統の延長上に,新たな叙事詩を創造して好評を呼ぶ“新”火星シリーズ第二弾ここに登場!」

扉作品紹介より

書名 火星の戦士3 鳥人の森
原題 The Masters of the Pit(1965)
著者 マイクル・ムアコック
訳者 矢野徹
出版 ハヤカワ文庫SF(1972/12/31)
分野 SF

「高度の科学文明を持ちながら、そのゆえに太古の火星に滅び去った種族“ヤクシャ”。
その遺跡を調査すべく,マイクル・ケインは飛行船の旅に出発する。
だが突然の故障からセンド・アムリドと呼ぱれる町へ着陸する破目となったケインは.そこに恐るぺき光景を見る。
感情を失い,ロボットのようなぎごちない動作をするぱかりの住民たち,しかも,彼らは防ぐすぺとてない死の病に犯されているのだ!
火星そのものさえ滅しかねない事態の重大さに気づいたケインは,唯一の希望を“ヤクシャ”の遣跡に託し,勇躍,探索行を開始するが……。
人気沸騰の“新”火星叙事詩,ここに完結!」

扉作品紹介より

一言でいってくだらない、バロウズタイプの冒険ファンタジーというものはそういうものだ。
だけどバロウズタイプの冒険ファンタジーというものは面白い、素直にその世界を受け入れて読めば良いのだ。

現在でこそ品切れかもしれぬが判を10回前後も重ねていることには驚いた、エルリックシリーズの人気から来る余波なのだろうか?。

書名 地球最後の砦
原題 Earth's Last Fortress(1942)
著者 A・E・ヴァン・ヴォクト
訳者 伊藤典夫、浅倉久志
出版 ハヤカワ文庫SF(1971/06/30)
分野 SF

「その事務所は募兵センターで,海外某国に起った市民戦争支接のため,大々的に義勇兵を募集していた。
若く理想に燃えた志願者達を迎えるのは.受付の娘の魅力的な微笑と熱心な案内……。
だがすべては罠だった!
一種の洗脳を受けた彼ら若著達が送られる戦場とは,まさしくこの世の外、かつて生きて帰った者のない時空遙かな謎の世界。
そしてその娘ノーマは,逃亡かなわぬ巨大な未来機械の奴隷とされながらも,今や絶望的な抵抗を試みようとしていた−−
宇宙の輪廻に導かれ,やがておのれ自身の内に恐るべき力の宿ろうとしていることをも知らず!」

扉作品紹介より
ヴォークト無茶苦茶です、いやしかし、この無茶苦茶なバイタリティこそヴォークトの持ち味であり長所なのですね。
読む機会があれば読んでみるのも良いでしょう。
併録の短編は既読のため読まず。

書名 メジャーリーグ スーパスター名鑑
著者 藤澤文洋
出版 研究社(2003/03/20)
分野 スポーツノンフィクション

大リーグの現在までに至る名選手達を1名2ページ(一部4ページ)程を割いて100名程紹介している。
100名に絞ってしまうと流石に名選手ばかりで、例えば通算最多盗塁記録を持つリッキー・ヘンダーソンが名簿から漏れていたりする。
シーバーの項で紹介されていた一つのエピソードが特に印象に残る。
奇蹟の優勝をとげミラクルメッツと呼ばれた時のこと、こう報道されたそうです「ニューヨーク地方晴れ、所により紙吹雪」と


書名 クレイトスの巨大生物
原題 The Expendables, The Deathworms of Kratos(1974)
著者 リチャード・エイヴァリー
訳者 石田善彦
出版 創元推理文庫(1980/03/28)
分野 SF

「地球は死にかけていた。資源は底をつき
大地も疲弊している。人類の生きのびる
みちを太陽系の外に求めて深宇宙の探査
が始まった。が,危険度の高いこの任務
には,きわめて有能であると同時に使い
捨てにできる人間が必要とされた。こう
して高い知能と技術を持った社会的不適応
者や重罪犯の男女七名が集められ.消
耗部隊<エクスペンタブルス>が組織さ
れた。司令官コンラッドに率いられた部
隊の初仕事は,アルタイル第四惑星くク
レイトス〉の調査である……。惑星開発
部隊波瀾万丈の活躍!シリーズ第一弾。」

扉作品紹介より

超光速宇宙船を持ち、物質転送機を持つ人類が惑星クレイトスに対して植民を行うに際しての最大の障壁は”巨大生物”だった。(冷汗)。
今回はメンバー紹介編のようなもので次作以降に期待といったところか。
メンバーは設定上さすがに一癖ある連中で面白いが、そう、その彼らですら『レッドマーズ』の”最初の100人”よりもずっとうまく人間関係を築いて任務を成功に導くのだー。


書名 空母ヨークタウン
原題 Rendezvous at Midway(1968)
著者 P・フランク、J・D・ハリントン
訳者 谷浦 英男
出版 朝日ソノラマ(1984/10/15)
分野 軍事

もう19年も前の文庫での出版になるのか、時間が過ぎるのは早い。
森史朗の『海軍戦闘機隊』の参考文献の一つにもなっているようで、読んだ記憶のあるエピソードもちらほら見うけられた。
二式水戦も出てくる、ただしこれは実際には零観もしくは九五式水偵のことなんですが、機種がどちらか、というか所属部隊さえわからない、いつか調べよう(森史朗の『海軍戦闘機隊』に記述されているだろう)。
味方船団を守るため奮闘した彼らの姿は印象的だ。


書名 末枯れの花守り
著者 菅浩江
出版 角川文庫(2002/03/25)
分野 ファンタジー

「初めて植えた朝顔に、男への思
いを託す今日子。最初の一輪が
咲いた時に知り会った、圭次郎
から連絡が絶えてひと月になる。
彼女の心が限界に近づいた頃、
永世姫、常世姫と名のる艶やか
な和装姿の女たちがやってきた。
「異界の花と化し、永遠の命を与
えよう」という申し出は、今日
子の心を動かす。だが、その時、
姫たちの企みを邪魔するものが
現れた。「鬼」と呼ばれし花守り、
青葉時実だった!異界の者た
ちが争うところ、女心の深奥が
あばかれる。新鋭が描くあやか
しのトウルー,ストーリー。」

扉作品紹介より
私が好きな連作短編集という形式なせいもあるのでしょうが、見事な小説だと思いました。
読んでいて逃げ出したくなるほど描きこまれた人の心の模様。
酷な話を交えながらも最後は辛かった人生を生きてきたであろうおばあさんの、それでもユーモラスで微笑ましいエピソードでまとめている所も良い終わり方をしている。


書名 海軍空技廠
著者 碇義朗
出版 光人社(1985/07/29)
分野 軍事

海軍の航空機開発に携わった空技廠についての本です。
エピソード毎に小さな章を設け読みやすく考慮されている。
そのうち文庫かされるでしょうからその折にはどうぞ。


書名 大本営海軍部
著者 山本親雄
出版 朝日ソノラマ(1982/12/15)
分野 軍事

大本営に居たこともある著者の本ではあるが、太平洋戦争の慨史的な内容で、著者の経験したことについてはあまり触れられていない。
少し残念。


書名 大宇宙の探求者
原題 Subspace Explorers(1960)
著者 E・E・スミス
訳者 榎林哲
出版 創元推理文庫(1981/10/02)
分野 SF

「恒星間連絡船プロシオン号は亜宇宙を驀進中,原因不明の事故を起こし難破してしまう。
運よく救命艇で脱出したカーライル・デストンたちは,必死の努カのあげく一年がかりで亜宇宙を抜け出して救助されたのだが,そのあいだに驚くぺき能力を身につけていた。
通常の次元より高位の.第四次元の世界を知覚し,操作できるようになっていたのだ。
新しく得た能力を生かして大宇宙の探険に出向くデストンたち。
この時を境に地球の運命も大きく変わっていった。
スペース・オペラの第一人者E‐E‐スミスの異色作」

扉作品紹介より
著者は戦前のスペースオペラ作家というイメージを持っているのだが、これは戦後15年計経過して出版された新しめの小説のようです。
とはいってもこれも又毒にも薬にもならない普通のスペースオペラです。
堅いことを言わない人なら、まあまあ楽しめるでしょう。


書名 未来視たち
著者 大原まり子
出版 ハヤカワ文庫JA(1981/11/30)
分野 SF

「辺境星系政府、暴力組織、大企業など抗争にあけくれる組織にとって、
念動、テレパス、未来予測が行なえる超能力者は優秀な工作員として
貴重な存在だった。並ぶものなき強カな超能力者・大シノハラはその需要に応え、
巨大情報管理組織シノハラ・コンツェルンを築きあげた。
超能力者集団は、強力な超能力者のクローンによって維持される。
血で結ばれた一枚岩のような結束を誇るシノハラ・ファミリー。
だが、7人めのクローン・シンクは冷酷な兄たちとなじまず、シノハラ家の宿敵・
コザイ家の少女とともに組織を離れ、時空を超えて逃亡を続ける!」

裏表紙解説より
どうも最後の短編が浮いているというかなぜこんな話になるのか?と思ったのだが、一番最初に執筆されたのがこれだったのか。
個人的にはこの著者の小説全部の中で、出来が良い方に入ると思う。


書名 ウェディング・ウォーズ
著者 草上仁
出版 青樹社文庫(1995/08/10)
分野 SF

女性の出生率が日本でのみ極端に落ちた結果結婚するのが大変になった世代の男が主人公となる。
この作家はユーモアSFはお手のものなので、外国行けばいいじゃないかとか思わずに素直に笑いながら読めば良いだろう。


書名 第二次世界大戦のP−39エアラコブラエース
原題 ()
著者 ジョージ・メリンガー、ジョン・スタナウェイ
訳者 梅本弘
出版 大日本絵画(2003/05/09)
分野 軍事

マイルやフィートなどの単位で記された記述をメートル法と併記する形で訳してあるので、訳者の仕事に好感を持ったが、このシリーズの太平洋戦域におけるP−38やP−51、P−47などを訳している梅本弘氏だったですか、今回は今までと異なり日本側からみた戦果や損失を訳註として掲載されていませんが、『ビルマ航空戦』の出版が終わった直後とあって今回はちょっとお疲れモードだったかな。
吉野俐飛曹長の名前も間違っていたし。

本当に得られる情報が多大なこのシリーズが毎月訳されるのは有難いの一言に尽きるが、今回もまた、もうちょっとページ数が欲しいと思った。
例えば1942年5月に「この間、P−39はポートモレスビー防衛戦で敵の飛行機、約20機を戦果に加えた。12人のパイロットが帰還できなかった。」と記されているが それが何日の何時頃発生した事か一件一件記して欲しいのです、そうすれば日本側の記録と対照できるではないですか。
と要求はますますエスカレートしてゆくのであった。


書名 名誉の殿堂
原題 Alternate Orbits(1971)
著者 A・バートラム・チャンドラー
訳者 関口幸男
出版 ハヤカワ文庫SF(1988/09/30)
分野 SF

「そもそものきっかけは,ソニアがグライムズへのおみやげとして買ってきたパイプだった。
地球のベイカー・ストリ一トの骨董屋で見つけた,シャーロック・ホ一ムズが使っていた正真正銘のパイプだというのである。
グライムズはもちろん一笑に付した。
だが,クラヴィンスキー提督から<キルソルヴィンクの惑星>の再調査を命じられたグライムズが,お気にいりの<ファラウェイ・クエスト>を駆ってキルソルヴィンクに着陸したとき,そこで待ち受けていたのは……!?
辺境星区に多発する異常現象の解明のため東奔西走するグライムズ准将の活躍を描くシリーズ最新刊!」

扉作品紹介より

銀河辺境シリーズ外伝の6巻です、今回は連作短編集の形をとっている、全体で300ページと短いうえに、4つの話が楽しめてとてもお徳感がある。
ところでグライムズとはもうお別れと思っていたら、今回の主人公はグライムズだったうえに、デラメアとラゼンビーまで出てきました。
久々の登場でもデラメアが困ったちゃんなのは従来通りだ。


書名 宇宙の傭兵たち
原題 The Mercenary(1977)
著者 ジェリー・パーネル
訳者 石田善彦
出版 創元推理文庫(1981/09/04)
分野 SF

「二〇〇四年にオルダースン航法が発明されて以来,大陽系外惑星系への植民が積極的に行なわれた。
各植民地は<連合国家>の手で保護されていたが,<連合国家>が遠隔植民地から撤退をはじめると独自の政府が確立していない植民地では内乱の嵐が吹き荒れた。
政治的な理由から<連合国家>軍を免職となったファルケンバーグ大佐は,自ら傭兵部隊を組織し,内乱のただなかへと飛び込んでいった。
ミリタリーSFの第一人者パーネルが『神の目の小さな塵』を含む<未来史>シリーズの一巻として著わした傑作長編」

扉作品紹介より

ミリタリー小説が好きな人はたぶん満足するんじゃないかなあ、と思うんだけど、どうでしょう?。
小説としてもふざけた所もなく、しっかりしているし。
ただそれだけっていうか、SF的楽しみは全くないので私としてはあまり楽しめなかったかな。
"オナー・ハリントン"タイプですね。


書名 天翔けるバカ −−
著者 須賀しのぶ
出版 コバルト文庫(//)
分野 YA

第一次世界大戦を舞台とした空戦小説。
登場人物の造形が読者に媚びを売る態度が見え見えで興を削ぐ。
モデルとなった舞台では死にたくもないのに死んでいった者がいるのだ、ふざけるのも少し控えめにして書いて欲しかった、と私は思う。

と最初に罵倒したが、これは不当な罵倒だと判っている。
そもそもこれはキャラクター小説であり、舞台が単に第一世界大戦だったというだけのことであり、ことさら、その当時の背景を意識して書く必要もないし、読者も求めてはいないのだから。
登場人物をかっこいいとか、アホやーとか言いながら読めばいいのであり、面白い小説になっている。


書名 宇宙大作戦 コロナ
原題 Star Trek: Corona(1984)
著者 グレッグ・ベア
訳者 斎藤伯好
出版 ハヤカワ文庫SF(1988/10/31)
分野 SF

スタートレックのオリジナルノベライズ。
描写される種々の情景が素晴らしい、これで300ページに納めているのだから、唯長いだけの小説を書く作家連中は見習って欲しいものだ。

カーク船長は航海日誌にこう記述します、”この宇宙はなんと不思議に満ちているのだろう”と、私は思う、ゆえにスタートレック宇宙は魅力に満ちているのだと。


書名 次元交錯星域
原題 The Dark Dimensions(1971)
著者 A・バートラム・チャンドラー
訳者 関口幸男
出版 ハヤカワ文庫SF(1989/04/15)
分野 SF

「銀河辺境星区のさらに外側の宇宙空間に,だれもその正体を解明していない謎の建造物があった。
その中には,人類よりはるかに進んだ科学と技術が秘められているはずだ。
そこで銀河連邦,辺境星区連含はもとよりシャアラ帝国やウォルドクレン公国が,それぞれに遠征隊を派遣した。
たが,そのことごとくが悲惨な最期をとげたのた。
ある遠征隊は全員行方不明,またある遠征隊は廃人同様になった一人を残し全員死亡した。
そこにウォルドグレン公国がまた遠征隊を派遣したという情報が入った。
そこて公国に対抗すべく辺境星区連合はグライムズ准将を派遣したが……!?」

扉作品紹介より
外伝とはいってもやはり順番通り読まなければいけないようで、今回は銀河辺境シリーズオールキャストだ。
グライムズさん、もっと節度を持ってくださいよぉー。


書名 痛恨の航跡 −空母冲鷹−
著者 
出版 文芸社(2001/08/)
分野 軍事

空母冲鷹に乗り組んでいた著者の手記です。
著者の艦によせる愛情が伝わってくる。


書名 デイヴィット王の宇宙船
原題 King David's Spaceship(1980)
著者 ジェリイ・パーネル
訳者 山高昭
出版 ハヤカワ文庫SF(1984/05/31)
分野 SF


「たえまない戦乱の時代に終止符を打ち、惑星統一を目前にした、”サミュアル王子の惑星”−−だが夢は打ち砕かれた!圧倒的な軍事力とテクノロジーを持つ銀河帝国が進出、この星は植民地化の危機に瀕したのだ。
惑星自治権を得るためには、宇宙進出を果たさねばならない。
かくして、惑星マカッサーの聖堂の奥深くまつられているという宇宙船の設計書を手に入れるため、歴戦の勇士マッキニー大佐は貿易商人を装うと、選びぬかれた部下とともに帝国軍の宇宙船に便乗、一路マカッサーヘと向ったのだが……
ミリタり一SFの第一人者が、壮大な未来史を背景に描く、傑作冒険SF!」
裏表紙作品紹介より

帝国の支配はまぬがれようもないことだが、宇宙航行が出来る星にはある程度の自治権が認められることが、帝国の法にも明記されている。
基本的には戦争やっとるだけなので、げんなり気味だが。
それでも、宇宙航行技術を入手するという目的に燃える思いがする。
しかも、彼らは技術が入手できたとしても、その技術を実現するには、困難が大き過ぎて、おそらく失敗するだろうと考えている。
それでも彼らは挑戦するのだ、マッキニー達が技術入手の旅に出ている間に出来ることから始めよう、まず潜水艦を建造するのだ、それが実現できたら、その船穀を建造する技術は、宇宙船の船体を作ることにも応用できるに違いない。
この辺がいいね。
戦闘している所でなく、この辺に重点をおいてもらえたら、もっと良かったのですけれども。


書名 一角獣をさがせ!
原題 Stalking the Unicorn!: A Fable of Tonight(1987)
著者 マイク・レズニック
訳者 佐藤ひろみ
出版 ハヤカワ文庫FT(1990/12/31)
分野 ファンタジー

長い小説には、いつも長い長いと文句をつけている私ですが、長さを感じさせない作家が何人かいてその一人が、マイク・レズニックなのです。
ですが、レズニックも『暗殺者の惑星』とか『ソウルイーターを追え』なんかは短いし、『アイヴォリー』や『パラダイス』『キリンヤガ』は連作短編集だし、毎度毎度ただ長いだけの小説を垂れ流すだけの作家じゃないのです、この作家は。
とっても楽しいハードボイルド・ユーモアファンタジー、再版されて今でも入手できるので手にとってみて欲しいな。
ユーモアは私にはわかんない部分もけっこうあったのは、私の勉強不足ですね。


書名 二式大艇空戦記 −海軍八〇一空搭乗員の死闘−
著者 長峯五郎
出版 光人社NF文庫(1998/11/15)
分野 軍事

大艇搭乗員だった方の手記です、 索敵に出ても進出せずに時間稼ぎして帰ってくる機長の話が噂話として紹介されているが、気持ちはわかるから非難しづらいのだが。困ったものだなあ。


書名 明野陸軍飛行学校と飛行200戦隊戦史
著者 明野陸軍飛行学校と飛行200戦隊戦史編集委員会
出版 (1979/10/01)
分野 軍事

東京の図書館で読む。
2個戦隊分の四式戦を保有する決戦兵力の200戦隊であるが、投入された戦場が悪かったようで、逐次戦力を消耗する悪いパターンに陥って持てる力を発揮できなかったっようだ、最もこの戦場に投入された他の部隊にも言えることなんですが。


書名 瑞雲飛翔
著者 梶山瑞雲
出版 個人出版(2002/05/)
分野 軍事

東京の図書館で読む。
これは良い本だ、これほど凄い本とは思わなかった。
それだけにこの本を入手しそこなったことが悔やまれる。
日本海軍の水上機瑞雲の搭乗員であった著者が自らの経験を交え記述した戦史です。


書名 足摺の海と空
著者 高木晃治
出版 ヒューマンドキュメント社(1992/12/08)
分野 軍事

東京の図書館で読む。
足摺岬付近で行われた航空戦についての本です。
実に詳細に調べて書いてある、素晴らしい本です、実は未だ前半2/3しか読んでいません、遠隔地の図書館で借りて読んだものですから開館時間が終わるとどうしようもありませんでした、読み終わってないのになぜ感想を書いているかというと、どこかでこの本を再刊してくださいと書きたかったからです。

以下『秘めたる空戦』という小説に対する批判文ですから、『足摺の海と空』とは関係ありません。
『足摺の海と空』は舌を巻くほど詳細に調べられている戦史ですが、『秘めたる空戦』から引用されているところがあったのが気になりました、こんな部隊もあったと触れられているだけなのでこの本の傷にもならない程の些細なものですが。
小説であることを伏せたまま出版された『秘めたる空戦』の悪影響がこれほど博識な方にまで及んでいるのかと暗澹たる思いでした、
この著者の方は『秘めたる空戦』の著者の方にも取材しているようですが、『秘めたる空戦』の著者の方は小説であることをあくまで隠したのでしょう、このような行為は好ましくはないと思うし、(小説としては面白いとは思うのですが)『秘めたる空戦』は害悪ですね

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