SF大会初参加記


2004年8月21、22に行われた第43回SF大会 G−CONに行ってきました。 以下記憶によもので、発言内容など正確さには欠きます。
初心者の部屋
初参加なので顔を出してみましたが、数が多くて驚きました。
終わった後、出口付近で、いつも掲示板で遊ばせていただいているサイトの運営者の
司書の駄弁者さんを探してうろうろしていたら、向こうから見つけていただく。
一緒に居られたワンダーティールームの店長さんを紹介していただきました。


オープニング
星雲賞の発表があり、副賞の大きい提灯2つ、には受賞者の方々も少し困惑気味だった。
のか主催者のいたずらにつきあってあげていただけなのか。


竹内正実テルミンコンサート
演奏者の腕に装着したセンサーに同期したサーボモーターで動作するネコの人形で
演奏するものが面白かった。
この演奏が終わってから、満員の前田建設ファンタジー営業部を眺めつつ。
王立科学博物館の部屋へ。

王立科学博物館の部屋
出荷数が200万個を超えるのは「王立科学博物館」と「ワールドタンクミュージアム」と
「タイムスリップグリコ」だけだそうで、この規模になると冒険ができなくなってくる、
20万個の出荷数の製品で2万個売れ残るのは何とかなるが、200万個の出荷数の
製品で20万個売れ残ると担当者の首が飛ぶくらいぎりぎりの所で商売やっているそうで。
火星人にも怒る人がいるぐらいで、なかなか難しいところがあるなど、聞かせていただきました。
個人的にはディスカバリー号とオリオン号が欲しいなあ。架空のメカだけど。

昼食をとった後で。

「SF者本棚」ライブ史上最高のバカSFを探せ!
山本氏と笹本氏によるSF談義を聞かせていただきました。
笹本氏がいるだけにメカの話が多かったと思います。
イーリイの「タイムアウト」が話題に出てきた時は読んだ直後だっただけに、
出たと思いました。

ライブ版SFスキャナー
一番楽しみにしていたのがこの企画でした。
司会の向井氏と講師の東氏によって色々な海外SFの紹介がされました。
ソウヤーの3部作は1作目の出版が決まっているそうで、楽しみです。
東氏はレイプされて心に傷を負った主人公が男らしさ全開のネアンデルタール人に心魅かれていくのが納得いかなかったそうで。
なげやり気味に「面白かったですよ」と言っておられました。
Richard K.Morganの『Altered Carbon』はサスペンス小説として面白い。
ホールドマンの『Camofulage』は雑誌イラストが気に入らなかった(寄生獣みたいなイラストでした)そうで、これがかわいい女の子に変身して恋愛されても気持ち悪いとのことで。
でも「面白かったですよ」とのことです。
アンソロジーの『lrresistible foeces』は「私はビジョルドの小説が読めたから満足しています」、とやはり投げやり気味でした。
つまり同じく収録されているアサロはさほどでもなかったということでしょうか?。
そのアサロは娘が小説を読む年頃になってきたそうで、ラブロマンスを書くのが気恥ずかしくなってきたと言っていたそうです。
で「アサロからラブロマンスをとってどうするんでしょうか?」と言っておられました。
Chris Moriartyの『Spin State』は小説全体の出来は『lrresistible foeces』にはかなわないけれども、化けるればアサロ クラスになれる可能性がありそう、とのことです。
私自身はこれが一番読んでみたいなと思いました。
色々な海外SFの話が聞けてたいへん面白い企画でした。

帰り道
最初現場に到着して帰りのバスの時間を確かめて驚いたのが20時を過ぎるとバスの便が無いということで。
昼食時に比較的現地に詳しそうな司書の駄弁者さんに、「少し歩けば便はあるのか?」
などと相談していたらワンダーティルームの店長さんが車で岐阜駅まで送ってくださると
申し出てくださって、(翌日の行き帰りも含めて)遠慮なくご好意に甘えさせていただきました。
小松左京は面白いなどと話ながら岐阜の駅ビルで夕食をとりました。
小松左京は短編の場合ホラー系の話が多いなと思っていたのですが。
ハルキ文庫の場合比較的ホラー系が多くなっていることでした。
私はハルキ文庫で何冊か読んだのでそう勘違いしていたようです。

2日目


空想科学寄席
3名の落語家の方による空想科学寄席ですが、正直に感想を書いてしまうと、
私には合わなかったと感じたので最初の方の落語が終わった時点で部屋を出ました。
でも本題はとこかくそこへの導入部は面白かったですよ、
いつもはおばあさん900人相手に落語しているなどとおっしゃっていましたし。
大変SFに詳しい方でした。
ラルフなんたらCなんて咄嗟には私は言えません。

クイズ!SFヘキサゴン
この企画は人が大勢いました。
面白かったです。
暗黒星雲賞も獲得していました。
勝者当てで当選された観客の方、おめでとうございます。

海底牧場707番地”豊穣の海”
疲れていたためか不覚にも途中寝てしまったりしていました。
そんなためか、なかなか理解できなかったりしましたが。
色々面白い話が聞けてよかったです。
南アフリカにばかり原人の化石が集中しているのはなぜかとか。
日本列島が沈没するにはどんな条件が必要かとか。

1人おいた隣の方が講演の途中で所々であいずちを打っておられましたが。
最後の質疑応答の時に小松左京ですがと名乗り、主に”日本を沈没させるには”について
質問を始められたのには、驚きました。
オレ小松氏の近くで寝入ってしまってたんか。
ちなみに質問とその返事の内容は理解しきれませんでした。(汗)。


翻訳家パネル
翻訳してみたい作品はというお題ですが。
趣味ではなく仕事となると「特に無い」もしくは「ハリー・ポッター」という意見で。
収入優先ということでした。
発言されたコメントをいくつか羅列してみます。
発言された方の名前は記しませんが、その方の意見であり他の方の意見ではないことを記しておきます。
「ノンフィクションを翻訳するのは調べ事が多くて大変である」
「下訳を頼むことはその方に気を使うのでやりづらい」
「下訳を使うことはない、ポカミスの防止用に参照するだけだ。しかしうまく訳すなと思うことも当然ある」
「下訳を頼むと、何だバカな翻訳をやってるなという感じで、楽しいので翻訳が捗る」
「元々SFは売れなかったが、最近は全体の売り上げが落ちているので、ある程度の売り上げが望めるSFはかえって調子が良い、だからもっと色々なSF本を出して欲しければ購入して買い支えてくれ」。
「最近早川書房、東京創元社以外の出版社からSFが出ているのは、隠れSFファンの編集者の仕業である。(ただしその編集者が他ジャンルの本で実績を上げて発言力がある場合のみ)」
「やはり長編を訳すよりも短編集を訳すほうが大変である」
(上記に関連して)「『火星夜想曲』は実は続編が出ているが、訳す気にならない、読む気にもならない」
「最近は文庫本の部数が減ってきて大変である」
「部数が減っているのに加え印税のパーセンテージまで減ってきていて大変つらい職業になってきている、児童書の場合印税のパーセンテージはもっとひどいが文章量を考えるとあれはあれでいいのでは」
「昔と違って現在は要求される翻訳レベルが高くなったうえ、最近の本は皆分厚いから大変だ」
「最近古いSFが翻訳されるのも、古いSFはそんなに分厚くないという事情もある」
「執筆者の名前は覚えていても案外翻訳者の名前は覚えてもらえない」
出版予定としては。
マイケル・マーシャル・スミスの短編集、これは嬉しい、俄かマイケル・マーシャル・スミス ファンなので。
ホーガンのノンフィクション短編集、これも嬉しいです。

帰途
帰りは岐阜駅近くのBOOK OFFに寄りました。
「ゼノサイド」のペーパーバックを見つけて買いました。
本当はあと2件ほど回りたかったのですが、BOOK OFFの袋をぶら下げて入るのも気がひけたで。
そのまま帰りました。
帰ってかばんの中身を検めてびっくり、谷甲州ファンクラブの月報が約3年分も。
「オマエやったんか、かばんが重かった犯人はオマエやったのか」
谷甲州同人誌を6冊ほど購入したのですが、代金をおまけしてくださったうえに。
付録まで付けてくださっていたようです、ありがとうございました。
(現場で気づけよ)。

最後に
一緒に会場を回ってくださり、自動車に便乗させていただいた司書の駄弁者さんとワンダーティールームの店長さんに感謝です。

それに、大会を運営されたスタッフの方々にも、大会を楽しめたのも彼らのおかげです。
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