2004年10月の読書感想


書名 トリプル・スパイ
著者 草上仁
出版 朝日ソノラマ(2004/08/31)
分野 SF

面白い、面白いけど、何か物足りないな。
そうだ、きっとあんまりSFしていないからだ。
(なんか、この書き方だと揶揄しているようで、我ながらとても嫌だ)。

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書名 地球光
原題 Earthlight(1955)
著者 アーサー・C・クラーク
訳者 中桐雅夫
出版 ハヤカワ文庫SF(1978/09/15)
分野 SF

実際に人類が月に行く15年程も前に発表された月を舞台にした小説ながら。
なんと清々しい表現だろうか。
育った地の朝の空気を吸った時のような気分だ。
(今住んでいる所は公害都市で勇名だからな、そんな気分にはならんが)

反面後半というか話の主題の謀略小説部分は物足りないというか、自分にはどうでもよかった。
月のそして、虚空に浮かぶ地球の描写で十分ですよ。
+1.5


書名 軌道傭兵 1、2
著者 谷甲州
出版 中央公論新社(1990/06/25[1巻])
分野 SF

覇者の戦塵のとんでもない方、蓮見さんの子孫が主人公なんで、戦々恐々としていたのだが。
まだまだ大人しかった、続刊になると、本来のパワーを発揮してゆくんだろうか。
お話は、こんなに派手でいいの?というくらい派手なので面白いよ。

+1


書名 大暴風
原題 Mother of Storms(1994)
著者 ジョン・バーンズ
訳者 中原尚哉
出版 ハヤカワ文庫SF(1996/11/30)
分野 SF

「2028年、6月。いまや国際政治において絶大な権カを誇る国連は、北極海に核兵器を隠匿するシベリア連邦への制裁のため、基地の空爆を行なった。
ところが北極の海底には、温室効果をもたらすメタンガスが大量に閉じこめられていたのだ!
爆発のエネルギーで大気中に放出されたメタンは、徐々に気温と水温を上昇させてゆく。
やがて夏が訪れ、暑さが最高潮に達したとき、北太平洋にかつてない激烈な風が吹きはじめた……」

裏表紙作品紹介より
バーンズ・・・最近翻訳出ないな、『軌道通信』が翻訳された時は良い作家がいるんだなと思ったのだが。
『大暴風』は発生している状況や過程はとても面白いし、日本も壊滅していてなおよろしだが。
登場人物が皆普通の人ばかりで話にメリハリが足りないように感じた。

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書名 宇宙大作戦 惑星ペリーの謎
原題 Perry's Planet(1980)
著者 ジャック・C・ホールドマン二世
訳者 斎藤伯好
出版 ハヤカワ文庫SF(//)
分野 SF

もう感染したんかい、わずか数秒で全員に感染し症状を発生させるとは、恐ろしいウィルスじゃ。
いやいや、そんなのもあるかもしれん、大宇宙にはそんなのもあるかもしれん。

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書名 南方進攻航空戦 −1941−1942−
著者 クリストファー・ショアーズ、ブライアン・カル、伊澤保穂
訳者 伊沢保穂
出版 大日本絵画(2002/01/)
分野 軍事

「1941年12月8日の真珠湾攻撃と時を同じくして行われた日本の南方進攻作戦を連合軍側の視点で時系列式に追る。太平洋戦争劈頭の日本の快進撃を、連合軍記録に見る日本陸海軍航空隊勝利の軌跡。」

ああ、素晴らしい、こーゆー本がこーゆー本が欲しいのよ。
読んでいない者は必読、というか、翻訳されて2年も読まずに放っておいた私が例外か。
続刊もあるので訳してくださいませ、翻訳者様。

書名 西瓜糖の日々
著者 リチャード・ブローティガン
出版 河出文庫(2003/07/20)
分野 ファンタジー

何故か突然読みたくなったので本屋に行き、河出文庫の棚を見つけられなかったので。
店員さんに「河出文庫」はどこにありますでしょうか?。などと尋ねたあげく。
表紙カバーに皺がよっていたので、買わなかったという醜態をさらした本である。
だって、いやだよ皺のよった新刊なんて、客もさ、もっと丁寧に扱えよな。

多くの物が西瓜糖でできている世界での人々の日々の暮らし。
邦題そのままなので文句をつける筋合いもないのだが。
別に珍しい風物があるわけでなく、人々の感情も淡々としすぎていて、首をかしげながら読んだ。
良さそうな匂いがしたんだけどなあ、読む前は。
両親が虎に喰い殺される辺りからその違和感が炸裂しはじめて。
普通じゃないよ、おかしいよ、人間じゃないよと暫し憤りさえ感じたが。
そうだ、これは何かの実験なんだ、例えば『断絶への航海』みたいなSFなんだと妄想が膨らんでいってやっと落ち着いたのだった。

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書名 妖魔の宴 -フランケンシュタイン編1ー
出版 竹書房(1992/11/03)
分野 ファンタジー、SF

人造人間物アンソロジーです。
キャストは、ファーマー、ビショップ、レズニックと、この手のアンソロジーでは他に例が無いくらいの豪華メンバーです。

肝心の『フランケンシュタイン』は読んだことが無いのだが、『フランケンシュタインの子供達』とこの『妖魔の宴』を続けて読んだおかげでなんとなくどんな話がわかってきたような気がする。
でも教養として一度読んでおくべきだろうなあ。
『吸血鬼ドラキュラ』が凄まじく退屈な本だっただけにちょっと憂鬱だが。

それから、解説者に言いたいのだが、映画の話なんかしとらずにちゃんと作品解説せんかい、ちゃんと著者の経歴やどんな著作をものにしているかぐらい知りたいよ。

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書名 クモの宮殿
原題 The Spider's Palace and Other Stories
著者 リチャード・ヒューズ
出版 ハヤカワ文庫FT(1979/03/)
分野 ファンタジー

初期のハヤカワ文庫FTは単発作品が多くて有難いがハズレも多いなあ。
いや、この本に関しては想定読者年齢から私が大きく外れているせいなんですけども。

-1


書名 飛行隊長が語る勝者の条件
著者 雨倉孝之
出版 光人社NF文庫(1999/11/15)
分野 軍事

日本海軍の飛行隊長に就いていた方へのインタビュー集。
それぞれ良く生き残られたと思うほどの窮地を潜り抜けておられるので驚く。



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