2004年5月の読書感想


書名 ソロモンの指環
著者 コンラート・ローレンツ
訳者 日高敏隆
出版 ハヤカワ文庫NF(1998/03/)
分野 ノンフィクション


生まれたばかりの鳥が最初に見たものを親と思い込む現象を発見した人の書いた本です。
この人が研究のため飼った色々な動物について書いてあるのですが。
飼い方が破天荒というか、基本的に放し飼いを旨とするところが半端じゃありません。
医者じゃないにせよ、ドリトル先生みたいな人が本当に居たとは。
それにしても面白い、前述の刷り込みを発見した顛末も本人に親をする意思なぞなく(他の鳥に親をやらせるつもりだった)、
生まれたばかりの雛が親とみなして必死で呼びかけついてくるので、仕方なく親の代わりをする羽目になっているし。
それにしても、出てくる動物達のかわいさよ。

+2

書名 第二次世界大戦
著者 リデル・ハート
訳者 上村達雄
出版 中央公論新社(1998/08/)
分野 軍事

上下巻で1200ページにも及ぶ第2次世界大戦の通史。
戦史に的が絞られているので、戦争に至った政治的要因や、戦時中の戦争指導については最小限の記述に留まっている。
第2次世界大戦という巨大な事件をわずかなページ数にバランス良く収められています。
イギリス人の著者ですが、記述は客観的で、枢軸国側に対する記述も冷笑的でないのは良いと思いました。
戦闘を中心とした第2次世界大戦の通史としては、最良の一冊のうちの一つではないのかと思いました。
価格がかなりするのが難ですが。


書名 自由軌道
原題 Falling Free(1988)
著者 ロイス・マクマスター・ビジョルド
訳者 小木曽絢子
出版 創元推理文庫(1991/08/30)
分野 SF

「人類のバイオテクノロジーの発達は、新たな生命を創造するに至った。
辺境の惑星に浮かぶ巨大企業の研究衛星では、無重力環境下の労働に適した子供たちか生み出されていた。
だかある日、このプロジェクトに即時停止命令が下される。
子供たちを破棄せよというのだ……。
この無慈悲な企業決定に、赴任してきたばかりの教育担当官は敢然と反旗を翻した!
ネビュラ賞に輝く宇宙SF。」

裏表紙作品紹介より

ヴォルコシガンシリーズと同じ設定で200年ぐらい前の時代の物語だそうです。
読む上でヴォルコシガンシリーズを読んでいる必要はありません。
これ単体で楽しめます。
途中まではビジョルドの最高傑作ではないかと思っていたのだが。
やっぱりビジョルドはビジョルドだった、最後の 畳み方が、うまく物事が運びすぎて、えっ?もう終わりなの?という印象を持った。

+1.5


書名 裸のランチ
著者 ウィリアム・バロウズ
出版 (//)
分野 小説

クスリを打って書いた小説らしいが、なんかよくわからん。
『ヴァート』や『暗闇のスキャナー』の方が話の筋が分かりやすい分面白く感じた。



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