2004年1月の読書感想


書名 都市国家ハリウッド
原題 Sneak Preview(1971)
著者 ロバート・ブロック
訳者 遠藤笙郎
出版 ハヤカワ文庫SF(1981/09/15)
分野 SF

「原水爆大戦による放射能汚染と疫病が、地球を荒廃に導いた。
その恐慌と危機の中でアメリカ合衆国もまた崩壊し、かろうじて
生き残った人々は、死の灰や疫病から身を守るためドームを建設した。
いまやアメリカに残された安息の地は、ドームに包まれた
ハリウッドだけとなったのである。
やがて人々は心理学者たちの指導のもと、戦争も暴力も苦悩も
存在しないユートピアをつくりあげた。
は怖るべき陰謀がはぐくまれていたのだ!
奇才ロバート・ブロックが、奔放な想像力と辛辣な筆致で描きだした戦慄の未来!」
裏表紙作品紹介より


世界は放射能に汚染され人々はドーム都市の中、管理社会に生きている。
デストビアとそこからの解放を扱った小説です。
デストビアの描写もさることながら、嬉々として人を切り裂く者達の描写が悪趣味だ。
まあ、スプラッタ小説的にはたいしたことはないかもしれませんが、苦手なんだよ、
人の腹を裂くところは。


書名 ふるさとは水の星
著者 森下 一仁
出版 集英社コバルト文庫(1981/04/15)
分野 SF

「映像記録家のわたしは、養子のイサムと惑星
アクエランヘ取材に赴いた。大部分が海とい
う水の星である。訪れた資源採取工場には管
理人のチャン老人が住んでいるだけだった。
しかし、わたしたちは滞在中に、そこに魅力
的な美少女レニがいるのを知った。老人の孫
娘だという。やがて、わたしはレニを地廊に
連れて来なければならなくなった。そして地
球でレニは一躍スターになったのだが…。」

裏表紙作品紹介より

”水の星”とは地球のことではなくもっと大洋面積の多い星のこと、
資源採取の工業プラントの運用要員だけがそこに暮らしている。
やっぱり水の惑星が舞台となるなら、そこに生きる生き物達を見せて欲しいものだが、
巨大な空母魚の描写が凄かったので合格点です。

+1


書名 世界の空戦
著者 ディアスコチーニ編
出版 講談社(2003/12/20)
分野 軍事

古今東西の空戦を一冊の文庫本で紹介している。
ただし第二次世界大戦より前と湾岸戦争より後の時期の空戦は扱っていない。
丸々一冊空戦の本なのでいざ手にとって読むまでは心が躍ったのだが、
読んでみたら、物足りないこと甚だしい。
扱う範囲が広いので仕方ないのだが。
なお紙質が悪いながらも写真がかなり多数掲載されているが、
私はあまり写真を見ない性分なので。わからなかったのですが。
写真好きな人は喜ぶかも(保証はできませんが)


書名 魔法の玩具店
原題 The Magic Toyshop(1967) 著者 アンジェラ・カーター
訳者 植松みどり
出版 河出書房新社(1988/01/30)
分野 小説

魔法の玩具店・・・なんか面白そう
きっとあんな”おもちゃ”やこんな”おもちゃ”が出てくる楽しいユーモアファンタジーなんだ。
という期待はカバー折り返しのあらすじであっさりと覆えされる
なんだ、性に目覚めた女の子と変態おやじの話かよおー。
というのは、やはり勘違いで我慢して最後まで読んだ結果、妻に浮気され怒り狂うおじさんの話だった。

両親が死んだのにあまり喜怒哀楽を表に出さないんだねえ、この子達。
-2.5


書名 タキオン網突破
原題 The Tachyon Web(1986)
著者 クリストファー・パイク
訳者 小野田和子
出版 創元SF文庫(1988/07/29)
分野 SF

「エリックたち一行は、貿易船エクスカリバー
を拝惜し、連邦領タウ・セチヘの違法ジャン
プを計画する。だが、彼らが実際にジャンプ
した先は、あろうことか連邦統治領警戒網の
外側一深宇宙に燃えさかるノヴァの真正面
であった!この劫火を前に、エクスカリバ
ーには重大な欠損が生じる。さらに、漂流す
る彼らの眼前に、大宇宙船団が現れたのだ!」

裏表紙作品紹介より

著者名が宇宙大作戦のカーク船長の前任の船長と同じ名前だが、本名なのか、ペンネームなのか?。

休み中にある計画を悪友が持ち込んでくる。
宇宙間運送会社をやっている友人のおじさんが訴訟で動けないので、
代わりに自分たちでおじさんの船を動かして配達しようというのだ。
もちろん利益からいくらかの分け前はもらえる
で計画に参加したはいいものの、宇宙船がジャンプした先はノヴァのすぐ近く、
で宇宙船は故障してしまう、悪友が白状したところによると、最初からノヴァ見物がしたかったとのこと。
すこし逆上気味です。
で出会ったのがノヴァ化した恒星系から脱出してきた、未知の種族の宇宙船団。
さあ、この地点からの脱出に必要な物資調達のため、異星人の宇宙船に乗り込むぞ。

クラークの「地球最後の日」とアニメの「バイファム」を混ぜたような小説でした。
やっぱり宇宙船に乗って仲間同士で宇宙に乗り出すという設定がいい、
読んでいて燃える、だから、いともあっさりと、宇宙人の宇宙船に乗り込んだり。
コミュニケーションがとれたりしても、我慢するよ。

+1.5


書名 偵察機入門
著者 飯山幸伸
出版 光人社NF文庫(2004/01/15)
分野 軍事

光人社NF文庫から各種のXX入門と題する本が出ているが。
書き下ろされたものについては、ほとんどが入門というには詳しすぎる本となっている。
航空戦史以外のものは私の手には負いかねるものが多いですが、
現在の読者を満足させるにはこれぐらい詳しい本でないといけないのでしょう。
この本も例に漏れず相当詳しい本になっているので知らない飛行機が満載で面白かった。
アメリカで第二次世界大戦末期に量産された水上偵察機に
水上戦闘機に極めて類似した機体があったことを知る。
単座の単フロート機、で最高速度が500Km/h、で12.7mm機銃2丁装備。
偵察機なのに単座なのはレーダー装備しているからだそうで。
最高速度において二式水戦を遥かに凌駕しているが。
この機を制空任務に使う意思がなかった点においてあくまでもこの機は水上偵察機なのだろう。


書名 35分の1の迷宮物語
著者 モリナガ ヨウ
出版 大日本絵画(2004/01/)
分野 エッセイ

水玉という方がSFマガジンなどにイラストエッセイを書いていますね。
それに良く似たタイプのイラストエッセイです。
対象はタミヤ模型から発売されている1/35スケールの戦車を代表とするプラスチックモデル。
のシリーズであるMM(ミリタリーミニチュア)シリーズです。
著者の書くところは私が経験してきたところと共通する所も多い。
パクトラタミヤカラーとレベルカラーを混ぜたら固まった。
おー、固まった、固まった。
レペは泡立った。(泡立った、泡立った)
88ミリ砲は完成したら案外小さかった。
(そう思った、そう思ったよ)
ハノマークに入っていた歩兵は白かった。(白かった、白かった)
II号戦車は金銭的に唯一手が出せる戦車だった。(そうだったよなー88は毎月毎月小遣い貯めて買ったもんなー)
部品は爪切りで切り離していた(おー、おうそうそう)。
といった具合でやたらと懐かしかったのでした。



書名 おしまいの日
著者 新井素子
出版 新潮文庫(1995/05/01)
分野 小説

帰宅が遅い旦那を待ちつづける主婦の不安定な精神が、彼女の日記を中心に描写されてゆく。
彼女の受けているストレスなんて別にたいしたことじゃないと思う私は人でなしだな。
もっとリラックスして好きなことをやっていればよかったのに、と思うが。
それができないから、そうなってしまったのだろう。
自分の性格を変えることはたやすいことじゃないし、私自身安きに流れて生きてしまっている。
文章自体は平易で流れるように読めて良い。

-1

書名 わが友なる敵
著者 バリー・B・ロングイヤー
出版 講談社文庫(//)
分野 SF

4編からなる連作短編集です。
表題作は「第5惑星」という邦題で映画になっているが、小説の舞台は第4惑星じゃないか。
宇宙に進出して勢力を広げてゆく人類と他種族との接触によって生起する戦争、そして弱小勢力は衰退してゆく。
そのような背景の中、個人レベルでならお互い理解できるのではないか、そう思わせる、異種族同士の交流が描かれるのだが、
種族間の軋轢は個人の思惑など飲み込んでいってしまう。
本の解説者が書いているとおりこの短編集のバックボーンは西部の開拓時代やベトナム戦争など
アメリカの歩んできた争いの歴史にある。
それじゃあ歴史の本を読んだ方がいいじゃないかと思い勝ちだが、やっぱりそうではなく。
異種族の風習などSFを読む喜びはこの連作短編集の中には詰まっている。

+1.5


書名 マラソンランナー
著者 後藤正治
出版 文春新書(2003/12/20)
分野 スポーツ・ノンフィクション

連綿と続く日本のマラソンランナー達の歴史を
何人かのランナー達を中心に紹介してゆく。
彼らが走った当時の世情によって彼らの考え方にも違いが出てきている(個人差もあろうが)
国のために走るから、自分のために走るへの変化。
これから日本のマラソン史にどんな出来事が刻み付けられてゆくのか。
もう円谷選手のことについてのような悲しい出来事は起きませんように。

マラソンについての本は初めて読んだので新鮮でよかったと思う。

0


書名 ゴールド
原題 Gold(1995)
著者 アイザック・アジモフ
訳者 飯田洋一 他
出版 ハヤカワ文庫SF(2001/02/15)
分野 SF

前半はアジモフの晩年の短編集後半ややはり晩年のエッセイ集となっている。
小説のなかで特に印象に残ったのが「谷の中で」ただし、
これを話のアイデアだけで何の工夫もなく放り出してあるだけだと、笑う方も多いだろう。
でも僕はたった4ページでもちゃんと小説は書けるのだと思う人なんです。
後半のエッセイ集はアジモフのSFへの自らの仕事への愛情に溢れていて、よかったと思う。
この一連のエッセイを読んでから、アジモフの作品を読むとまた違った読後感が得られるのではないだろうか?。

+1

書名 パイド・パイパー
原題 Pied Piper(1942)
著者 ネビル・シュート
訳者 池 央耿
出版 創元推理文庫(2002/02/22)
分野 小説

「フランスの田舎道でパンクのため立ち往生したバスは、
ドイツ軍の編隊の機銃掃射を受けて動けなくなった。こ
れから先は歩いてもらわにゃあ。老イギリス人は、
やむなくむずかる子供たちの手を引いた。故国を目差し
て……!戦火広がるフランスを、機知と人間の善意を
頼りに、徒手空拳の身でひたすらイギリス目差して進む
老人と子供たち。英国冒険小説界の雄が贈る感動の一編。」

裏表紙作品紹介より

時は1940年、第二次世界大戦の真っ只中、70歳になるおじいさんは
息子さんが戦死してしまった心の痛みを癒すためフランスに渡ったのでした。
ドイツがフランスに攻めこむ直前のことでした。
のんきなおじいさんは、フランスにドイツが侵攻が始まってしばらくして
2人の子供を託されます、イギリスに連れていってくださいと。
成り行き上仕方ないですわね、知らぬ振りもできないし、
でも電車に乗ったとたん子供ははしゃぐし、熱を出すし。
また一人増えるし、バスに乗ったら、酔って吐くし。
泣くし、機銃掃射を受けるし、また子供が増えるし。
子供がドイツ軍の戦車を見にゆくし、英語を喋るし、またまた子供が増えるし。
言葉が通じないし。
でも、おじいさんはいらいらしたり怒ったりせず。
マイペースでイギリスへの旅路を歩むのでした。

こんだけの話なんです、なんですが、
ユーモアもあるし(人が大変な所を読んで笑っているだけという言い方もできるが)、
ほろりとさせられるところもあるし。
よかったなー、
+1.9


書名 大赤斑追撃
著者 林 譲治
出版 徳間デュアル文庫(//)
分野 SF

木星の大赤斑の中を航行する探査船に宇宙巡洋艦が襲いかかる、通信機が故障したためにコミュニケーションが取れなくなった探査船を巡洋艦の艦長は宇宙海賊だと判断したのだ。
かくして木星内でのスペースシップチェイスが展開される。
こんだけの話なんですが、話をこれだけに絞っただけあって、余分な贅肉がなくとても良いと思いました。
巡洋艦の艦長は半ばキ印で、そんなんが巡洋艦の艦長になれるかい?と思いますが、シチュエイションを成立させるためには仕方ないでしょう。

木星内での追跡戦が読める小説なんてほとんど無いでしょうし、読んでみて欲しいと思います。
面白い小説を書く作家だな、林 譲治って。

+1.5


書名 ワームウッドの幻獣
著者 高千穂 遙
出版 ソノラマ文庫(2003/10/30)
分野 SF

前半”おやじ”の書いた小説という感想を持った部分があって、
おやじになったな高千穂遙と思ったりしたが。
後半は長いブランクを感じさせることもなく読めた。
かつてのファンは臆せず読むと良いでしょう。
ドミヌスみたいな怪獣が良い。

-0.5


書名 第2次世界大戦 ヒトラーの戦い4、5
著者 児島襄
出版 文春文庫(//)
分野 軍事

この著者は近代の日本が関わったほとんどの戦争についての著作を残している。
凄いなと思う、私が読んだことがあるのは、数冊に過ぎないので著者の戦史を
一通り読むにはまだまだ長い道のりです。
今回は『ヒトラーの戦い』の4、5巻を読んでみた。
4巻は1941年の5月の戦艦ビスマルク追撃戦に始まり、6月の独ソ開戦から12月の
ソ連軍の反抗から翌年春まで。そして1942年7月の北アフリカ エルアラメインにおける独軍の進撃停止までを扱っています。
5巻は1842年の東部戦線のブラウ作戦開始からスターリングラード戦、
翌年のハリコフ戦からクルスク戦を中心に、ディエップの戦いや北アフリカでの枢軸軍の敗北、連合軍のシシリー上陸までを扱っています。

文庫本だから安価ですし、欧州における第2次世界大戦の推移を知るには良い本なのではないでしょうか。
でも詳しい方からみれば物足りないかも知れない。

確か『東部戦線の独空軍』だったと記憶していますが、Ju88を酷評していた本がありました。
ずいぶん変わった評価だなとその時は思いましたが、この本にもそれに類するような事に触れていました、製造過程も含めて兵器として熟成していなかったんですね。


書名 現代の航空戦 湾岸戦争
著者 リチャード・P・ハリオン
出版 東洋書林(2000/02/28)
分野 軍事

湾岸戦争の航空戦についての本です。
米国海空軍がどうしてあのような装備を備え、あのような戦い方をしたのか、
米国海空軍が過去に経験してきた戦いに遡って解説しています。
巡航ミサイルと航空機による攻撃を比較し精度と費用対効果の点において
まだまだ、巡航ミサイルが航空機による攻撃に及ばないことを示していることが興味深かった。
現代航空戦について知りたい方は読むと良いでしょう。

書名 真珠湾攻撃 その予言者と実行者
著者 和田頴太
出版 文芸春秋(1986/08/15)
分野 軍事

ミッチェルと山本五十六についての本ですが。
太平洋戦争開戦までの日米の軍事航空についても触れられているので、
案外面白かったです。


書名 ホムンクルス
原題 Homunculus(1986)
著者 ジェイムズ・P・ブレイロック
訳者 友枝康子
出版 ハヤカワ文庫FT(1989/04/30)
分野 ファンタジー

「市丼の哲学者、科学者、芸術家を自負す
る一風変わったメンバーからなるトリス
メギストス・クラブに、ある日、盗賊が
侵入した。どうやら、エントロピーを逆
転する力を持つホムンクルスを狙っての
ことらしい。だが、その伝説の小人がど
こにいるのやら、当のクラブのメンバー
さえ知らないしまつ。あまつさえ、この
小人をめぐって暗黒街の黒幕、マッド・
サイエンティスト、狂信的な伝道師、は
てはゾンビまで現われて、事件は混乱の
一途をたどるが一・・。ヴィクトリア朝の
ロンドンを舞台に奇人・変人・狂人が暴
れまわる、話題のスチームパンク登場!」

裏表紙作品紹介より

異星人の宇宙船が出てくるですよ、永久に飛び続ける飛行船も出てくるですよ。
フランケンシュタインの怪物みたいな奴も出てくるし、マッドサイエンティストや
もちろんホムンクルスも出てくる。
百花繚乱でおもしろーい。
やっぱり宇宙船がツボですよツボ。
でもどこが『ホムンクルス』なんだろう?

+2


書名 記憶汚染
著者 林 譲治
出版 ハヤカワ文庫JA(2003/10/31)
分野 SF

記憶の汚染ちゅうのは一体どうやって汚染するのか?。
興味を引き立てずにはいないタイトルで読み進めても、どう汚染されてゆくのか
予想もつかず、好奇心が途切れることなく読むことができた。
面白い。
だが、しかし、記憶の汚染のされ方が、拍子抜けするようなネタなんでその面で期待はずれだった。(好奇心が途切れることなく読むことができたと書いたのと矛盾しているようだがそうではない、読んだ結果驚くようなネタではなかったということだけです)。
ストーリー自体も読んでいて引き込まれるようなものがなかったし、今回は今ひとつな印象を持ちましたが、この著者ならいずれ満足できるような小説を書いてくれるような気がする。

-1

書名 トライアッド
著者 マイクル・P・キュービー=マクダウエル
出版 創元SF文庫(//)
分野 SF

『アースライズ』『エニグマ』『トライアッド』と続く3部作の最終巻です。
今回は人類が宇宙進出を目指すうえで障害となる謎の宇宙種族「ミザリー」の本拠を叩くべく、
人類の英知を結集した、最新鋭宇宙艦トライアッドが建造され、発進してゆくのです。
燃えますねー、冒頭は・・・。
でも、前2作が何か風変わりだっただけに、これもやっぱり変だったのです。
”政治家どもが延々とトライアッド計画の是非をめぐって駆け引きしているだけで、ちっともトライアッドが発進しねえ"

でも、読み終わっての感想はやっぱり良かったなと思いました。

オレが間違っていた、理解できないものを力でねじ伏せようという考えはいかんかった。
理解できないもの同士でも共存は可能なんだ、暴力反対というわけで、非常に良い心持で読み終えることができました。

でも、人類がプチッと捻り潰されてもそれはそれで面白かったかも。


+1

書名 タラワ、マキンの戦い
著者 谷浦英男
出版 草思社(//)
分野 軍事

著者は米軍がマキンに偵察上陸した直後にマキンに派遣されたり、米軍がタラワに上陸してくる直前まで、タラワにて陸戦隊の中隊長をしていたり、この方面に非常に強く関わりがある方なので、タラワ、マキンの戦いについて書くのに適任、と言うより、書かずにはいられなかった方なのでしょう。

現地の経験者でないと書けない戦史だと思いました。
この戦いについて興味のある方必須の本だと思います。

在タラワ、マキンの航空関係者の人数について知ることもできました。

著者の方はタラワを去った後潜水艦学校に入港し潜水艦長になっておられるのですが、
それまで、陸戦隊主体の経歴の方が、いきなり他分野に適応できるのは凄いなと思いました。

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