2003年11月の読書感想


書名 かぼちゃの馬車
著者 星新一
出版 新潮文庫(1983/10/)
分野 SF

昔々星新一の本を1冊20円で買って来て3冊ばかり読んだが、それ以来の星新一の本となる。
とても上手だ、本当に。
こんなのが1000編以上あるのか。

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書名 流血の魔術最強の演技 すべてのプロレスはショーである
著者 ミスター高橋
出版 講談社(2001/12/)
分野 芸能裏話

新日本プロレスのレフリーだった著者による暴露本だが。
本当らしさのバランス取りに失敗しているように思える。
第1回のIWGP決勝戦のアクシデントまでシナリオによるものと書いてしまっては、
この本に書いてあること自体が嘘くさくなってしまう。
やりすぎはよくない。

書名 アルジャーノン、チャーリイ、そして私
著者 ダニエル・キイス
出版 早川書房(2000/12/)
分野 SF評論

『アルジャーノンに花束を』が執筆される経過を著者自身が語っている。
アジモフとキイスとの間の有名なエピソード。
”「どうやったら、アルジャーノンに花束をのような傑作が書けるのか」問うアジモフ
に対し、キイスがもう一度あのような傑作を書きたいので私もそれを知りたいと答えたエピソード”
も紹介されているが、このエピソードから連想できるような、たまたま生まれた傑作ではないことがわかる。

作家の著作を勝手に改変してしまうことで有名な編集者ゴールドも登場する。
運の良いことに、『アルジャーノンに花束を』に関してはゴールドの企みは阻止されている。

書名 日本潜水艦戦史
著者 坂本金美
出版 図書出版社(1979/08/20)
分野 軍事

太平洋戦争中に行われた潜水艦よりの飛行偵察回数は
中、東太平洋 7回
南太平洋 33回
北太平洋 6回
インド洋 10回
計56回だそうだ、凄い数だ。
潜水艦発進の飛行偵察といえば、稲葉氏の手記に書いてあった、
帰投しなかった偵察機のことが今でも印象深い。

書名 一海軍特務士官の証言
著者 二藤忠
出版 徳間書店(1978/07/10)
分野 軍事

著者は14空(802空)及び902空の水戦隊の整備関係のリーダーだった方です。
この本の中には生前の五十嵐中尉や後藤大尉、南飛曹長などの姿がある。
彼らが生きていた痕跡と書いたらおおげさだろうか。

書名 重巡愛宕戦記
著者 小板橋孝策
出版 図書出版社(1988/06/)
分野 軍事

著者が愛宕乗り組みと入れ替わるようにして退艦した見張り員の証言により書かれたものです。
恐らく日記など書かれていたのではないでしょうか。
戦後の出てきた記録と照らし合わせた形跡はあまりないのですが、日付など詳細に書かれています。
高雄と協同で巡洋艦を撃沈したとあるところでは、小学生の頃読んだ
『零戦と戦艦大和』の中の高雄乗り組みの方のインタビュー記事を思い出して
懐かしかった。

この本の中では南東方面の水戦隊の前進基地でもあるレカタをレガタと記述してある。
これは一つ上の本『一海軍特務士官の証言』でも同様だが、
何しろ『一海軍特務士官の証言』の著者は当事者であるし、当時レガタと発音していたのでしょうね。

書名 マルドゥック・スクランブル
著者 冲方丁
出版 ハヤカワ文庫JA(2003/5〜7/)
分野 SF

この本は京フェスというイベントに行く電車の中で
(著者のインタビューがあったので)読んだのだが、
かなり面白かった、乗り換えの大垣駅に着いたことに気付くのが遅れたぐらいだった。
結局インタビューが始まるまでに読み終えることができなかったが。
ありがたいことにネタがばれるようなこともなかったので、予習の必要はなかった。
丁寧に書かれた作品だとわかって好感も持てた。

一つだけどうしても気になっていることがある、銃社会の愚かさ
を訴えたいそうだが、これを感じ取ることができなかった、
これが気になって仕方がない。

読んでいる間は至福の一時が送れるからおすすめです。

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書名 ドイツ海軍の熱い夏
著者 三宅立
出版 山川出版社(2001/05/20)
分野 軍事



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