2001年5月の読書感想


書名 20世紀SF4 1970年代 接続された女
編者 中村融
   山岸真
出版 河出文庫(2001/05/20)
分野 SF


まだ感想書いてないです、というか書いたのが消えてしまいました。 しばしお待ちを文句なしに面白かったですよ。

書名 急降下爆撃
原題 TROTZDEM(1952)
著者 ハンス・U・ルーデル
出版 朝日ソノラマ 航空戦史シリーズ(1982/04/20)
分野 軍事

有名なスツーカ搭乗員ルーデルの手記
再読、前回読んだ時は何か漠然とした印象を抱いたのだが、今回読んでみて、多分日付がほとんど出てこないせいだろうなと推測がついた、それに地図も欲しい。
結局東部戦線についてある程度の知識がないと、ルーデルがどのような状況に置かれているのか判りづらいのだ。
だからといって、回想記としての本書の価値を貶めるものではない。
(日付けの無い理由は戦後愚かな米兵が航空日誌を盗んでいったためのようだ)
まず強く印象に残ったのが、季節と場所によっては、霧中飛行が珍しいものではなかったということで、普通霧中飛行なぞ怖くてできません。
唯視界が無い中低空を計器飛行するのには腑に落ちません、なぜ高度をあげない?。
この場合計器を見るというのは、機体の姿勢を確認するためで、航法はあくまで地文航法に頼っていたのかもしれません。
出撃の際に戦闘機の援護を受けている様子もあまりありません。
これは不思議で仕方ないのですが、
損害のほとんどは対空砲火によるもののようで、案外ソ連の戦闘機隊は怖い相手ではなかったのかも知れません。
戦闘機に捕捉されても無事逃げ仰せる記述は何度も出てきました。
東部戦線においては、Ju87(ルーデルの搭乗する機種名)の固定脚が幸いすることも多かったようです。
僚機が被弾被弾して不時着しても列機がその場で着陸して救出することは珍しいことではなかったらしく、ルーデルもこの両方の立場を経験しています。


書名 連合軍の小失敗の研究
著者 三野正洋
出版 光人社NF文庫(2001/02/15)
分野 軍事

軽い読み物として読める。感想がこれだけなのも何だから、見出しを列挙しておく。
第一部イギリス軍の失敗
 対潜作戦
 失敗続きの戦闘車両の開発
 単発複座戦闘機の悲劇
 弱体だった艦隊航空
 後継機開発の失敗、そしてイギリスの戦闘機設計技術の退潮
 戦争への道、イギリス政府の譲歩
 ドイツ艦隊の英仏海峡突破”チャンネルダッシュ”
 日本海軍の実力を軽視した代償
 石壁にぶつけられた卵、ディエップ上陸作戦の失敗
 最大の失敗に終わった空挺作戦
第二部ソ連軍の失敗
 ソ連指導部の見通しの誤り
 情報を信じなかったスターリンと緒戦の大敗

すいませんやっぱり面倒なのでやめます。他にフランスとアメリカの失敗有り。


書名 ザ・ベスト・フロム・オービット<上>
編者 デーモン・ナイト
出版 NWーSF社(1984/08/31)
分野 SF

「秘密の遊び場」リチャード・マッケナ
「戦争中に男らしさと妻を見つけたのはわかっている。その方法と理由を完全に理解することは、わたしにはできないと思うし、またそう思いたい。」
ちょっとどう書いて良いかわかりませんが、なかなか良い短編です。

「ここにルーリーが」アリスン・ライス
ルーリーが何かわかりません、うーむ。

「ドクター」テッド・トーマス
「タイムマシンの実験で過去へ飛び戻れなくなった医者が、言葉を持たぬ原始人たちの中無理やり治療行為を続ける。」
職人さんといった感じのドクターに好感が持てます。

「ベイビイ、きみはすばらしかった」ケイト・ウィルヘルム
読まず。

「町角の穴」R・A・ラファティ
読まず。

「<黒鬚>の女」ジョアナ・ラス
「横暴な亭主と世間の常識に不信感をいだいた女性が亭主を殺害して旅立つ」
女コナンとしてみるには、豪快さが足らぬ、なにより世界のおどろおどろしさがない、ヒロイックファンタジーの皮をかぶったフェミニズムSFなんだから仕方ないのだけど。

「世界の母」リチャード・ウィルスン
「科学兵器で全ての霊長類が消滅した世界でただ2人生き残った男と女の話」
編者いわく「ビューティフルで完璧で。思わず大声で喚きたくなる」ラストっていうのはキリスト教徒じゃなければ何が良いのかわかりにくい類のものなのだろうか?。わからん

「ダイヤモンドは洗うべからず」フィリップ・ホセ・ファーマー
ファーマーだ!、ファーマーだ。「脳腫瘍の手術をしたら、きちんとカットされているダイヤモンドが出てきた」
こんな妙なアイディアを思いついて実際にコメディSFにしてしまうから、ファーマーはいいんだな。
まあたかだかダイヤモンドごときにつられて女性が結婚したいと考えるとは思えませんが。

「計画する人」ケイト・ウィルヘルム
知能の低いものを高いもの並に上昇させようとする実験を描く。
ケイト・ウィルムヘルムらしい小説だなと思った。

「取り換え子」ジーン・ウルフ
「ひさびさに故郷を訪れ、懐かしい日々を回想する、かつての友人の家族を訪ねるが、その家族の一人が少年のままだった」
気がつくと取換え子になっているが(誰がそうなるかは秘密)、いつそうなったのか不明面白かったので、時間があったら、ここに気をつけてもう一度読んでみよう。

「憑きもの」ロバート・シルヴァーバーグ
「憑きものに突然乗っ取られ、体を自由にされるのが日常茶飯事となった世界、乗っ取られた間の記憶はほとんどないはずだが、今回男が気付いたときはその間に憑きものが一緒に過ごした憑きもの付きの女のことを覚えていた。」
「ラブストーリーで、かつ読者を傷つける」などと編者の文章に書いてあればどんなストーリーになるのかばればれです。
突飛な展開が売りの短編ではないので、それでも面白かったです。
フレデリック・ポールの「我ら被購入者」と読み比べるのもいいかもしれない。

「ガラスの小鬼が砕けるように」ハーラン・エリスン
ヤク中の話、ラストシーンがカッコいい。
もっとヤク(訳)をくれー

「時間機械」ラングドン・ジョーンズ
どんな話かよくわかりませんでした、囚人がいて写真を見ていて、最後に釈放されるんだけど。

「わが家の異星問題」キャロル・カー
読まず。

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