2001年3月の読書感想


書名 二十世紀 日本の戦争
著者 秦郁彦、阿川弘之、猪瀬直樹、中西輝政、福田和也
出版 文春新書
分野 軍事

対談、秦氏が対談メンバーに混じっているので読んだ。不勉強にも猪瀬、中西、福田氏がどのような研究をしている人かは知りませんです。
それにしても、秦氏の何と博識なことよ、本をじっくり書くのでなく、こういった対談ですらすら発言できるんだから。




書名 滄海の尖兵3、4
著者 横山信義
出版 中央公論新社
分野 仮想戦記

独及び独支配下の傀儡政権となった英連邦と、日及び米軍がインド及びインド洋方面で戦闘している、何も考えてはいけない、ただ読めばいい、読書スランプ時でも2冊連続で短時間で読めるのだから、読みやすさはたいしたもの。


書名 機関銃の社会史
著者 ジョン・エリス
出版 平凡社
分野 軍事

表題作どおりの本、初期の機関銃がアメリカで発達したのが、アメリカの産業的背景から必然だったこと、その機関銃がアメリカにおいては暴動を起こそうとする労働者を押さえ込むために、経営者側の必需品だったこと、戦場においては、米南北戦争、日露戦争、においてその威力が発揮されまた植民地拡張における原住民との戦いにおいて決定的な威力を発揮しながらも、主にイギリスにおいては、中央部の軍人の硬直性ゆえに、最終的に威力を発揮するのは、騎兵および歩兵の突撃であるとして装備及び運用法が遅れたこと、フランスにおいては部門間の縄張り争いの結果砲兵に機関銃が配備され、有効な運用ができにくかったこと、その結果、第一次世界大戦において膨大な人的損害が出たこと。
第一次大戦後サブマシンガンが開発されそれが、マフィアたちが活用したこと、が書かれている。
あくまで、機関銃の社会史なので視点が多少偏向している、例えば機関銃の威力が突出した結果の塹壕戦の打開策として使用された戦車のことについては、第一次世界大戦についての記述が終了した後に、戦車を例にとって機関銃が決定的威力を発揮した時代は終わったと言及しているのみな所など)が、それについては他の本を読んで補完してゆけばいいだろう。

書名 10月1日では遅すぎる
原題 OCTOBER THE FIRST IS TOO LATE(1966)
著者 フレッド・ホイル
訳者 伊藤典夫 出版 ハヤカワ文庫SF(1976/5/31)
分野 SF

相当古いSFの本だと思っていたのですが、出版年は1966年と案外新しい。
量子論を使った時間SFの草分けらしい。
音楽家の主人公の私からみて、あらゆる時代、過去も未来も同じに一つの時代に存在しはじめる。
古代ギリシャの神殿における、音楽勝負の場面が面白かったです。
現代の音楽知識をもってすれば、古代ギリシャの音楽などに負けるはずはなかったのに・・・。


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