2000年2月の読書感想
書名 燃える惑星 スターガード
著者 アンドレ・ノートン
出版 徳間書店
分野 SF
読んでいる時は、現実逃避小説と言う言葉を実感しながら読んだ。
とにかく読んで楽しめる話だと言う他はない。
書名 プロジェクト・ライフライン
著者 ジャック・ウィリアムスン
出版 ハヤカワ文庫SF
分野 SF
恒星間の膨大な距離に絶望したり、人類の行く末をどうなるか知りたいと自分の短い命に焦燥感を覚えたりする事がかつてあった、導入部はそんな自分のツボを突いたものだった。
外宇宙との交信を試みる計画名が「プロジェクト・ライフライン」予算食いのこの計画が批判されていたりして、やはり予算確保に苦しむ現実の宇宙計画と比べてしまう。
導入部過ぎた頃から、ファースト・コンタクト物になって行くのだが、作者は自分なりにかなり、ファースト・コンタクトについて考えたのだろう作者の真摯な姿勢が伝わってきて、好感がもてる。
書名 流星航路
著者 田中芳樹
出版 徳間文庫
分野 SF
こういった、気軽に読める短編集は、好きなんだけど、すぐに消化してしまうので読む本の確保に苦労している。
この本を読んで、ああ、よい短編が書ける作家をみつけたぞと、喜んだんだけど、どうもこの作家、大長編がほとんどの作家らしい。
残念。
一番印象に残ったのは「いつの日か、ふたたび」、ラストのネタは新井素子のある短編 と同一で、比べてみると、新井素子の話の方が余韻が残る分、私にはよかった。
書名 チェーザレ・ボルジア あるいは華麗なる冷酷
著者 塩野七生
出版 新潮文庫
分野 歴史
チェーザレ・ボルジアと言う人物の人生は、頂点からどん底までの転落具合が激しく、波乱万丈の人生を送っているが、だからといって、好感がもてたかというとそうではない、嫌悪感を抱くほどでもないが、けっこう、しらけた感覚で読んでいった。
本自体はたいへん面白く読めた。
書名 ドリトル先生アフリカ行き
著者 ロフティング
出版 岩波少年文庫
分野 児童書
子供の頃『ドリトル先生航海記』が大好きで、たまに、他の話を読んでみたいと思い起こすことがあった。
今回やっとよんでみたのだが、つまらない、子供の頃こんなつまらない話を好きだったのか、と愕然とする思いだった。
それとも『ドリトル先生航海記』が有名になるだけあって、『ドリトル先生航海記』だけは面白いのか?。
書名 白い峰の男
著者 谷甲州
出版 集英社文庫
分野 山岳小説
山岳物小説、これ以上山岳物小説に深入りするつもりはないが、大変楽しんで読めた。
2時間強ですらすらよめたのは、昔、村上もとかの「クライマー列伝」 を読んでいたせいもあるだろう。
が、やはり谷甲州の文体に自分がかなり慣れて来ているのもあるだろう。
書名 あいつらの悲歌
著者 光瀬龍
出版 光文社
分野 SF
宇宙人のばらまいた酸素を消費するカビ、や宇宙人自身の直接攻撃によって滅んでゆく人類。
だが、不思議と悲壮感がない。その点で光瀬龍作品として異質な話だ。
楽しんでは読めるが、余韻は残らない。
書名 恐竜博画館
著者 ヒサ クニヒコ
出版 新潮文庫
分野 その他
恐竜に関する、作者の考察がイラストと共に展開される。
恐竜入門的な本。
一番印象に残ったのは、軟骨が化石として残りにくい事を例にして、化石より本来の姿を推定するのが困難な事を説明する所。
現在の象の骨格を例に長い鼻のない復元例を絵で見せてもらうと、説得力がある。
タイムトラベル物のSF小説で恐竜が登場する場合に、その恐竜が例えばティラノサウルスだとすぐにわかってしまうのが変な事なんだと思った。
書名 ビッグY 3巻
著者 横山信義
出版 ワニの本
分野 仮想戦記
戦艦大和が沈まず、戦後アメリカに接収されて、使用される話。
今回はベトナム戦争後期から湾岸戦争を経由して日本に返還されるまでが語られる。
悪くはないが、まあ、どうと言う事の無い話。
戦艦大和を接収して、アメリカが自国の軍隊で使用するかどうかと言うとまあ、使わないだろう。
調査した後、ビキニ環礁の核実験で廃棄処分するのがおちだろうとは思うのだが、それをいったらこの話が始まらない。
書名 馬は誰のために走るか
著者 木村幸治
出版 祥伝社NON POSHETTE
オグリキャップ、スピードシンボリなど9頭のサラブレッドに関するノンフィクション。
短い話なのだが、それぞれの馬に関わった人たちに取材した結果を元に記述されているだけに、馬にも感情があるのだという事を実感させてくれる。
書名 駿馬走りやまず
著者 木村幸治
出版 祥伝社NON POSHETTE
サラブレッドに関するノンフィクション。
馬は誰のために走るかの馬を替えた別バージョンのようなもの。
たまにはこんな肩のこらない読み物もいいな。
書名 レッド・マーズ
著者 キム・スタンリー・ロビンスン
出版 創元SF文庫
分野 SF
たった100人で火星に移民したと言うのに、各自己の言い分を通そうとして喧嘩して、挙げ句のはてに自分勝手な行動を取り始める。
少しは己を殺すことはできないのか、とあきれかえってしまう。
こんな状態で火星植民地建設ができるのかと思っていると、少しばかりの障害が発生しただけで、植民地の建設は着々と進行し、話の半ばで軌道エレベーター建設が始まり愕然としてしまう。
あんなに協調性のない状態でなぜこんなにとんとん拍子に移住が進むのか?。
また、登場人物たちが火星の環境に対する恐れをほとんど抱いていないことも特徴的だ。例えば植民が進んでもそれぞれのコロニーは、テント張りでその中で人々は生活している。テントに穴が開いたりすることを 考えないのだろうか。
例えば地中に穴を穿ってその中で生活するとか、軌道エレベーターを建造する技術力があれば、そのぐらい余裕だろう。
火星に移民する勇気のある人々だから、火星の環境に対する恐怖心を 持たないのかもしれませんが。
色々悪口を連ねたが、火星移民過程を仮想体験できるわけで、なかなか 楽しめる本でした。読んで損無し。(退屈するかしれませんが)
書名 時空漂流船現わる!
著者 A・バートラム・チャンドラー
出版 ハヤカワ文庫SF
分野 SF
リムワールドシリーズの外伝の4
グライムズ提督結婚してますよ、本編でだれとくっつくのか、予想する 楽しみがなくなってしまった。
(本編の方も長い間隔空けながら読んでるので、奥さんが誰なのかも、わかってませんけど)
このぐらい短い話で、起承転結がしっかりしていれば、たいくつしのぎにぴったり。
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